ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

古いバイクこそ・・・

2008年03月06日 | クラッチ

人気blogランキングへ  今日も風はそれほど冷たくはない。

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またまたSLネタですが・・・・。

先日の試運転では概ね好調でしたが、オフロードっぽいモデルですから100km/h巡航にどうも不安が残ります。

減速比を変更するにはドライブスプロケットの変更が一番簡単ですから、現状をもう一度確認してみます。

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現状ではスプロケットが16Tですから、17Tとか18Tのものがあれば良いのですが。

あまり減速比を小さくすると、発進に無理が掛かり加速も悪くなりますので、できれば両方とも手に入れたいものです。もう一つ気をつけなくてはならないのは、クラッチプッシュロッドとかチェンジシャフトをチェーンが擦らないかですね。

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もう一つの気になったことは、クラッチレリーズの不調でした。

矢印のレバーをワイヤーで引くことにより、プッシュロッドを押す構造です。

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つまり、通常は矢印のようにレリーズは引っ込んでいますが、矢印の部分が見えるようにワイヤーを引くと矢印のようにレリーズが出てきます。

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これは”古いバイクの・・・(3)”で紹介したようにハーレーの”5速T/M クラッチレリーズ”と同じ構造です。

矢印の部分を良く見てグリスの状態で判断すると、やはり調整が悪いのが分かりました。ランプの一番底にボールが収まった形跡がありませんね。

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このランプ/ボール式は意外とストロークが小さく、レバーが戻っている状態ではランプの底にボールが収まっていなければ具合が良くありません。

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画像左のようにレバーの位置が矢印の状態では、ボールがランプの中途に位置していて、画像右のような矢印の位置でなくてはならないということです。

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古いバイクの・・・(3)

2007年11月26日 | クラッチ

人気blogランキングへ  暖かいのも今日まで?

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例のSL350のクラッチレリーズです。

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斜面の溝がある2枚のプレートに挟まれたボールを利用して、回転を軸方向に変化させる構造は”5速T/M クラッチレリーズ”で紹介したハーレーのものと基本的に同じです。

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グリスをたっぷり使い組み立てました。矢印の方向にクラッチワイヤーが引かれると、レリーズはリフトしてプッシュロッドを介し、プレッシャープレートを押して”クラッチを切り”ます。

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矢印はレリーズの遊び調整スクリュー。この場合は半時計回りに回し遊びを無くしてから、半回転戻してちょうど良い感じ。ワイヤーの調整はこの後に行うのが良いでしょう。

調整スクリューは手に持ったナットでロックしますが、通常のM8とピッチが異なり、たぶん1mmピッチと思われます。気づかずに無理やり合わないネジを使うと壊れます。

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”折れたネジを抜く!”で紹介した燃料コックがようやく仕上がりました。

固体化したガソリンが至るところに詰まっていたので、一週間もクリーナー液に漬けておいて、やっと通路が抜けました。

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上の列が奇跡的に?入手できた新品部品。

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穴が4つあいたゴム部品はコック本体に付き、ツマミにある青矢印の溝が通路の切り替えになります。緑矢印のウエーブワッシャーはツマミを本体に押し付ける役割です。

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クラッチが張り付く?!

2007年11月18日 | クラッチ

人気blogランキングへ  冷たい風が吹く前は、バイクに乗っても気持ちよい天気。

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クラッチ側のカバーを外しても、奇跡的にガスケットは無事でした。

やはり走行距離の短い車両はエンジン運転時間も短いわけですから、経年劣化よりも熱による影響が少ないということでしょうか。

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ドライブプレートとフリクションプレートが張り付いてしまい、エンジンが調子よくても、これでは走ることができません。つまりクラッチが正常に機能しないからです。

長い間放置されていると、クラッチはそのスプリングの圧力で押し付けられていますから、こういう事態になりやすいです。

ブレーキを掛けたまま強引にエンジンを掛けて・・・という方法もありますが、古いバイクだけに労わる気持ちで、手間の掛かる方法をとりました。

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このように1枚1枚剥がして組みなおします。

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ところで、クラッチの前にある筒状の物体が気になって、フタを外してみました。

推測すると、遠心分離機?

矢印の出っ張りは、遠心力で外側に張り付いた金属粉などを留める効果が狙いだと思います。

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キックシャフトのオイルシールも、弾力が残っていて大丈夫。

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カバーも外したついでにキレイにしておきました。

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クラッチジャダー?

2007年04月13日 | クラッチ

人気blogランキングへ  今日も暖かく良い天気で・・・。

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この車両は、今のオーナーが約4000km走って、トータルで1万kmくらいですから、全体的に消耗していませんが、発進時にちょっとジャダー気味。

緑矢印は簡単に作ったSST。4mm厚のフラットバーの中央に10mmの穴を開けただけです。

赤矢印のアジャストスクリューを外してから、SSTをセットして締めこむだけです。

青矢印はプレッシャープレートのアジャストナットで、クラッチスプリングのセット圧を調整します。

クラッチレバーを操作すると黄矢印の方向にプレッシャープレートが動きますが、3個のアジャストナットをそれぞれ締めこむことにより、プレッシャープレートが均等に動くように調整します。

つまり、アジャストナットはプレッシャープレートのセット圧と、”クラッチの切れ具合”にも関係するということです。

ワタシは必ず2方向から見ながら、クラッチレバーを”握って放して”を繰り返して、プレッシャープレートが平行に動くように調整します。

10本のクラッチスプリングに対して、”3個のアジャストナット”というのが何とも言えませんね。

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”SST”を使えば簡単にプレッシャープレートを取り外すことができるし、組み立てるときも同様に簡単です。

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クラッチは乾式なのに、外側のプライマリードライブチェーンはオイルで潤滑していますから、4千kmも走行すればこのようになります。

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クラッチシェルの中もこの通り。

黄矢印のドライブスタッドが磨耗しても、具合が悪くなります。

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フリクションプレートは目の細かいワイヤーブラシを使い、ガソリンで洗浄します。

このワイヤーブラシがミソだと思います。サンドペーパーを使うより結果は良好ですね。

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画像で分かるかどうか。

黄矢印は洗浄前の”テカった”状態で、赤矢印が洗浄後。

ワイヤーブラシを使うことにより、テカリが手早く取れます。

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クラッチシェルもきれいに洗って・・・。

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スチール製のドライブプレートも洗浄してから組み付けますが、赤矢印の”OUT”の表示は黄矢印のダンパーの向きを指定するものです。

試運転ではスッカリ調子が良くなりました。この車両は前述のように消耗が全体に少ないので、掃除程度で簡単に解消されましたが、消耗が大きい車両では交換すべき部品も必要になる可能性があることは付け加えておきます。しかし、今回の作業は30分程度でできますから、ジャダーで悩まれる方はまず掃除ということで・・・。

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オイルスリンガー

2006年12月20日 | クラッチ

人気blogランキングへ  今日も寒いですが、晴れわたっています。

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クラッチスラストベアリング②でも紹介したように、オイルスリンガーは矢印が示すリリースフィンガーとの干渉の痕跡があり、壊れています。

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スリンガーは純正品と社外品では一見形状肉厚もほぼ同じですけれど、社外品の赤矢印の部分のプレスの角が純正の青矢印の部分と較べ、なだらかというか丸くなっているので区別できます。しかし耐久性はどちらが高いかは確認していませんが、いずれにしてもリリースフィンガーと干渉してしまうと壊れてしまうのは同じでしょうね。

写真の左下の壊れてしまったスリンガーの中央の穴が丸くなっているのが分かります。

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スリンガーの中央の穴とプッシュロッドの関係です。穴が丸くなってしまうと具合が悪い事が分かっていただけると思います。

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スラストベアリングは未だ無事でした。スリンガーはオイルを供給する役目ですから、このままではいずれベアリングも壊れてしまいます。

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トランスミッション(レブテック)自体はまだそれほど長い時間使われていないようですが、ケース内部には大量の金属粉がありました。とてもスリンガーだけから出た量とも思えないので、レブテックミッションを使っていて気になる方は、オイル交換するときにサイドカバーも外して確認したほうが良いでしょう。

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カバーを外した際にはキックのラチェットも点検しておくと安心できます。矢印の歯が磨耗していると”キックが抜ける”こともあり、思わぬ痛い目にあうことがあります。

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ワタシはペーパーガスケットには液体ガスケットなどは使用しませんけれど、こうした合わせ面をキレイに清掃するのには、写真のようなスコッチブライトなど使うと手早くできます。

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プロクラッチ④

2006年12月19日 | クラッチ

人気blogランキングへ  今日は朝からドンヨリ曇り空で寒い一日です。

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リベラ製のプロクラッチに関しては以前も紹介いたしましたが、現在行っているショベルリジッドチョッパーのリメイク作業では数々のブログネタがありますので、そのうちの一つです。

後期型のクラッチハブの一番奥には矢印の爪がストッパーになっています。

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本来は青矢印の厚いプレートが一番奥に収まるようになっているのですが、前に作業した方はドナタか全く分かりませんけれど、そんな事には無頓着に赤矢印のドライブプレートを使ったようです。

赤矢印のほうは裏側がフリクションプレートと接していないので錆びています。厚さも一目で分かりますけど、その理由も考えなかったのでしょうか?

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矢印は一番上の写真の爪が当たった痕跡です。

クラッチスプリングの圧力は、小さい爪のストッパーで受け止められた一番奥のプレートにより支えられますから、薄いプレートでは剛性が足りずに反ってしまうことも考えられます。

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マグネット脱落

2006年12月06日 | クラッチ

人気blogランキングへ 今日は気温は低いですが、風も吹かずまあまあ穏やかな天気です。

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スポーツスターの4速ミッション車には写真のクラッチシェルの内側にオルタネイティブ・ジェネレーター(普通はオルタネーターと呼びますが)のマグネットが取り付けられています。

コレが脱落してしまう事がありますね。20年近く経っていれば経年劣化と諦めが付く場合もありますが、”お宝発見③”で紹介しているように、現在新品で入手しようとするとスコブル高価です。

クラッチシェルはエンジン回転より多少減速していますが、これだけの部分が脱落すれば回転バランスも悪くなりますから異常振動の原因にもなり、更に他の部分も脱落する事を考えられますから、放っておくわけにいきません。

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単体の分解ですから、ワタシの特製SSTを使いました。青矢印がロックリングですから赤矢印のリテーナーリングを押せば良いわけです。

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このSSTは20年近く前に作ったシロモノで、確かヤマハのSSTを改造した記憶があります。

矢印の部分は熔接で盛ってから旋盤で仕上げました。通常はこのような炭素鋼に熔接をすると割れたりしますので、強度を要する場合には気をつけたほうが良いですね。ま、この場合は大した荷重が掛かりません。

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手造りSSTはプレスで押しても良いのですが、今回は他のSST用の長いボルトを貫通させて使いました。矢印は外れたロックリングです。

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使用済みのSSTを外せば、このように・・・・・。

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内側のロックリングを外せばクラッチハブも外せます。圧入されていると思っていたら、今回はプラハンで軽く叩くだけで抜けました。

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クラッチのスチールプレートは矢印の溝に噛合い、軸方向には自由にスライドしながらトルクを伝えます。ココに磨耗による凹みが大きくなると”クラッチの切れ”が悪くなります。

今日は仕事はお休みですけれど、会議が伊香保温泉のホテルで行われますから、これから出掛けなくてはなりません。会議の後の懇親会はパスして帰ってきます。伊香保まで関越道使えば1時間です。

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お宝発見③

2006年10月02日 | クラッチ

人気blogランキングへ 今日は寒い!今週末の鈴鹿は晴れるとイイですね。

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出荷が98年6月29日とあります。

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開けてみるとキレイに梱包したままです。

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錆び止めの包装紙に包んであるため、新品同様!当たり前か?新品そのものです。

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クラッチシェルとスターターリングギア、それにオルタネーターのマグネットが一体になったローターAssyは、どれか一つでも具合が悪くなってもソックリ交換になってしまいます。

そしてプライスは何と13万円!!

先日トランスミッションを修理して20ナン万円の請求書ができましたけれど、マグネットが剥がれても交換ですから、オーナーにとってはショックが大きいかもしれません。

弊社ではデッドストックの代物ですから、宜しかったら御安くお譲りいたしたいと思います。

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クラッチレリーズレバー

2006年09月24日 | クラッチ

人気blogランキングへ    今日はカピロッシ独走の茂木も暑そうでした。

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以前にTecCycleのスターターキットをとりつけるのに”オイルタンクの改造”を余儀なくされたのですが、クラッチのレリーズレバーも使えませんでしたので、写真のものを作りました。ん~、TecCycleのキットは結構良いのですが、少々使いずらいですね。

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16φの軟鋼丸棒で先端部分を作り、根元は純正部品を切り取って使います。

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少々不恰好ですが、機能優先で・・・・。

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仕上げる前に仮り付けして確認します。クラッチワイヤーのインナーの長さを調整する必要もあります。

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周辺の各パーツもようやく納まりました。

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合い間を見つけて進行しているので、まだ工事中が多いのですが、これは左側の写真です。

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5速T/M クラッチレリーズ

2006年09月23日 | クラッチ

人気blogランキングへ  ここのところ「1年中コンナ天気であれば」と思わせる爽やかです。

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5速T/Mの右側カバーを外すと、レリーズの機構がこのようになっています。

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カバーを外しても、T/Mのほうにベアリングのついたプッシュロッドエンドが残ります。

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4速の頃は別体であったオイルスリンガーはプッシュロッドエンドと一体になり、ワタシも壊れたのは見たことがありません。

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分解するとコンナ風に実に簡単な構造です。左側がインナーランプで右がアウターランプです。

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ハンドレバーを一杯に握ると、約23mmのストロークでワイヤーを引きます。

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ココでこのユニットのストローク量を測ってみました。

赤矢印はワイヤーが引く距離で、遊びを差し引いて約20mm。水色両矢印の差が約2.9mmですから、20:2.9で約6.8のレシオになります。

4速のときは約6.4でしたから、ほぼ同じと言えます。あちらは長いレバーとシャフトを使い、それなりのスペースを費やし、シャフトの軸受け部分とフィンガーが擦るフリクションがあるのに較べて、コンパクトでほぼ転がり抵抗しか生じない、このランプ式は優れた設計です。

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特に新車から3000kmくらい走行しないと少々ハンドレバーに重さを感じるダイアフラムスプリングクラッチの対策として、アメリカからリリースされたキットはコンナものがありました。ワイヤーに角度がついてしまい、長い間の使用では不都合が生じるかもしれません。

インナーランプのレバー部を延長してレシオを変更し、ハンドレバーの操作力を軽減するものです。

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対して、日本での装着率が50%以上ではないかと思わせる”スペシャルランプ”です。これは今から考えると、ハーレーの顧客層を大幅に広げたグレートなキットでしたね。

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チョット分かりづらいかもしれませんけれど、ランプがずれることにより緑矢印の量だけリフトします。

下の図ではランプの傾斜が緩やかになるとリフト量が小さくなります。

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この方法でリフト量を測ってみると、約2mmと2/3になってしまいます。

グレートなキットも物理の法則には勝てません。軽い操作力と引き換えにストロークを失い、「クラッチの切れ具合」に不満が生じやすく、調整には微妙さが要求されるのは致し方ありません。

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