5. Commitment(コミットメント)
ここまで1~4と順に利害関心・合意案・正当性・交渉外の代替案を見てきました。
これだけそろえばたいていの交渉には対応できそうです。
しかしながら、レベルの高い交渉人であれば忘れてはならない要素がまだいくつかあります。
何より大事なのは、交渉のゴール、つまり交渉が終わった時点で達成しておきたい条件を明確にしておくことです。
言い換えれば、交渉相手と自分がこの交渉を通じて何にどこまでコミットメントを持つか、目指すべきプランを練っておくのです。
こうすることで、交渉を通じてずっと「本来目指していたもの」から視点がぶれることを防げますし、その交渉が有利に進んでいるのかを把握することができます。
こうしたコミットメントを考える際に、目を配っておくべき要素は2つあります。
第一に、どんな項目について互いのコミットメントを発生させたいのかを明確にします。
これは2.代替案のところで説明した代替案の方程式を構成する一つ一つの項目と同じです。
例えば価格交渉であれば、価格・数量・納期といった項目が並ぶでしょう。
第二に、今回の交渉でどの位のレベルまでコミットメントを発生させたいのか、項目ごとに整理します。
ある項目について話し合うといっても、議論の行き着く段階にはいくつかレベルがあります。
細かく言えば、どんな交渉でも:
その項目について意見を表明する→合意案のオプションを出す→どの合意案が良いか意見を表明する→ある合意案で仮合意する→最終的に合意する
と5つ位のレベルがあります。今回はどこまでの結果を出したいのか、整理しておくことで交渉のゴール、そこに臨むスタンスがさらに明確になるのです。
6. Relationship(相手との関係)
交渉の争点(話し合いの内容)について準備が終わったら、あとは交渉を支えるプロセスの要素に視点を移します。
具体的にはまず、相手との人間関係をどんなものにしたいか考えるのです。
ここで整理しておくべきなのは、相手との関係のありたい姿と、そこへ至る道筋です。
実際に準備する際には、下記のようないくつかの段階を踏むほうが分かりやすいでしょう。
まず第一に相手との関係が現在どうなっているか、箇条書きにしてみます。
対立的か・協調的か、互いの理解がどこまで進んでいるのか、を考えていきます。
書き終えたら、それが理想的にはどのようにあってほしいのか、理想像を横に書いていきます。
次に、もし互いの理解や関係構築への積極性にギャップがあるとしたら、何が原因になっているか、阻害要因を箇条書きにします。
これらを元に、理想の関係を気づいていくにはどんな打ち手がありそうか考えておくわけです。
7. Communications(コミュニケーション)
最後に、話し合いの中でどんな調子でコミュニケーションをするか、も予め方針を考えておきます。
「コミュニケーションの準備」と言っても、内容は二つの意味があります。
一つには、議論の内容、つまりどんな筋立てで話を持っていくかのストーリーを考えることが挙げられます。
ここまで準備した各要素から、相手を説得するために議題の順番、こちらから提案するオプションを順番に書き下します。
一方で、コミュニケーションを構成するのは話の内容(what)だけではありません。
同時に重要なのは、どんな風に話をするか、つまりhowの部分であり、交渉の進展に非常に強い影響を及ぼします。
この部分については、準備そのものというよりも実際の会話の中で技が問われる動態的な部分が大きいので、次回以降この点にフォーカスを当てて議論を進めていきたいと思います。
ここまで1~4と順に利害関心・合意案・正当性・交渉外の代替案を見てきました。
これだけそろえばたいていの交渉には対応できそうです。
しかしながら、レベルの高い交渉人であれば忘れてはならない要素がまだいくつかあります。
何より大事なのは、交渉のゴール、つまり交渉が終わった時点で達成しておきたい条件を明確にしておくことです。
言い換えれば、交渉相手と自分がこの交渉を通じて何にどこまでコミットメントを持つか、目指すべきプランを練っておくのです。
こうすることで、交渉を通じてずっと「本来目指していたもの」から視点がぶれることを防げますし、その交渉が有利に進んでいるのかを把握することができます。
こうしたコミットメントを考える際に、目を配っておくべき要素は2つあります。
第一に、どんな項目について互いのコミットメントを発生させたいのかを明確にします。
これは2.代替案のところで説明した代替案の方程式を構成する一つ一つの項目と同じです。
例えば価格交渉であれば、価格・数量・納期といった項目が並ぶでしょう。
第二に、今回の交渉でどの位のレベルまでコミットメントを発生させたいのか、項目ごとに整理します。
ある項目について話し合うといっても、議論の行き着く段階にはいくつかレベルがあります。
細かく言えば、どんな交渉でも:
その項目について意見を表明する→合意案のオプションを出す→どの合意案が良いか意見を表明する→ある合意案で仮合意する→最終的に合意する
と5つ位のレベルがあります。今回はどこまでの結果を出したいのか、整理しておくことで交渉のゴール、そこに臨むスタンスがさらに明確になるのです。
6. Relationship(相手との関係)
交渉の争点(話し合いの内容)について準備が終わったら、あとは交渉を支えるプロセスの要素に視点を移します。
具体的にはまず、相手との人間関係をどんなものにしたいか考えるのです。
ここで整理しておくべきなのは、相手との関係のありたい姿と、そこへ至る道筋です。
実際に準備する際には、下記のようないくつかの段階を踏むほうが分かりやすいでしょう。
まず第一に相手との関係が現在どうなっているか、箇条書きにしてみます。
対立的か・協調的か、互いの理解がどこまで進んでいるのか、を考えていきます。
書き終えたら、それが理想的にはどのようにあってほしいのか、理想像を横に書いていきます。
次に、もし互いの理解や関係構築への積極性にギャップがあるとしたら、何が原因になっているか、阻害要因を箇条書きにします。
これらを元に、理想の関係を気づいていくにはどんな打ち手がありそうか考えておくわけです。
7. Communications(コミュニケーション)
最後に、話し合いの中でどんな調子でコミュニケーションをするか、も予め方針を考えておきます。
「コミュニケーションの準備」と言っても、内容は二つの意味があります。
一つには、議論の内容、つまりどんな筋立てで話を持っていくかのストーリーを考えることが挙げられます。
ここまで準備した各要素から、相手を説得するために議題の順番、こちらから提案するオプションを順番に書き下します。
一方で、コミュニケーションを構成するのは話の内容(what)だけではありません。
同時に重要なのは、どんな風に話をするか、つまりhowの部分であり、交渉の進展に非常に強い影響を及ぼします。
この部分については、準備そのものというよりも実際の会話の中で技が問われる動態的な部分が大きいので、次回以降この点にフォーカスを当てて議論を進めていきたいと思います。
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