月と猫

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シュノンソー城

2012-08-29 14:24:08 | 
ちょっと日があいてしまいましたが、
前回の続きです。


次はシュノンソー城へ。


移動が多いが、車中、ビデオで「世界遺産」を見たり
フランスの歴史についての解説があったりするので意外と飽きない。
もともと歴史が好きだし、興味があって訪れている国のことなので
レクチャーを聞くのは面白い。

特に、シュノンソー城の2番目の城主となった
カトリーヌ・ド・メディシスの話が面白かった。

かの有名なイタリアのメディチ家からアンリ2世に
嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスは、
最先端だったイタリアの文化を、フランスに伝えた。

当時は手づかみで食べるなど、粗野な食文化だったフランスに
コース料理やナイフとフォークを使ったマナーなどを
教えたのもカトリーヌだった。

フランス料理のお手本となったのがイタリアだったとは、
知らない人も多いだろう。

当時は王様や貴族が、庶民の見ている前で豪華なフルコースを
食べるのも、ひとつのショーになっていた。

まあ今でもテレビをつければ、必ず誰かが何かを食べているので
何百年たっても相変わらず人が食っているところを
見るのが好きな層はいるということだろう。


食べるのは割とどうでもいい私でも、
時間になるとランチに連れて行かれるわけで…。
お城見学の前に、近くのレストランでランチになった。






前菜。
結構ボリュームのあるサラダなのでこれとパンで満足。
左下の紫のものはビーツの酢漬け。
めっちゃくちゃうまい!って
ものではないけど、普通に食べられる。
嫌いな人は多そう。






メイン。
ご飯に乗っかってるのはビーツの酢漬け。
に見えるけど、牛肉の赤ワイン煮らしい。
こちらはパス。

しかし意外にフランスって米食べるのね。
でも、ソースに合う細長くてパサパサの米なので
普段「米が好き」と言ってる人でもダメかもしれない。






つけあわせのポテト。
結構美味しい。






デザートのプリン。
これも意外と甘さ控えめ、美味しい。
相変わらずデザートハズレなし!




レストランから、徒歩でお城へ。
その途中、かわいい家があった。






バスの中から見た風景もそうだったが、
このあたりはたいていこんなふうに、
石造りのかわいらしい家が多い。





線路を渡って…






ちなみにここ、駅です。






線路のむこうはすぐに、城の駐車場。
その入り口にもかわいい建物が。

シュノンソー城の敷地内には
16世紀の農場の建物などが残されているで、
これもその頃のものらしい。


駐車場の先は、チケット売り場やギフトショップなどがあり、
その先で愛想のいいお兄さんたちにチケットを
切ってもらったあとは、しばらく木立の中の道を歩く。
いわば参道といった風情。






これもまた風景画のようできれいなのだが、
たくさんの人が歩いているので、
人物を入れないよう
あえて上のほうしか撮らなかった。



長い木立を抜け、ギフトショップ、カフェ、ギャラリーなどが
立ち並ぶ前庭の先がいよいよお城だ。






ロワール川の支流、シェール川をまたがるように
建てられたシュノンソー城は、16世紀に建てられた
初期ルネッサンス様式のお城である。






16世紀~19世紀まで、代々の城主が女性だったため、
「6人の女性の城」と呼ばれている。






手前に見えるのは「マルク家の塔」。
シュノンソー城を建設したトマ・ボイエが
もともとあったマルク家の城壁と水車を16世紀に
取り壊し、塔の部分だけ残したのだそう。

ところでこの円筒形の塔だが、
このような形になったのは英仏百年戦争(1339年~1453年)の
影響なのだそうだ。

ヨーロッパに大砲が出現したのが、14世紀の初頭。
ちょうど百年戦争の時代だった。

当時の大砲の弾丸は石や鉄球などで、破裂するものではないので
もっぱら城壁を破壊するために用いられた。

角ばった壁は簡単に破壊されるため、円筒形の塔を
各所に配置して砲弾を跳ね返す設計になったのだそうだ。

なので、ヨーロッパでお城を見るとき、
円筒形の塔があれば14世紀以降のもの、
なければそれ以前と大雑把に見分けられるので面白い。

百年戦争の重要な攻防戦が行われたのが、このロアール川沿いの
オルレアン城だったというのが感慨深い。


といっても、その雑学はたまたま最近読んだ本で知ったので、
じかに見ているときはそんなことは知らなかった。
もっとも、感慨に浸っている場合ではなかった。

それは、観光客のあまりの多さに圧倒されていたからだ。






さっきのシャンボール城も人が多かったが、
ここはそれを上回る数!!

ここは中の見学もできるように時間もとってあったが、
そう広くもない入り口に人がぎっしり、
2階のバルコニーにもこぼれそうなくらい人がびっしり。

なにかの拍子で城の外壁がパカって取れたら、
人がそのまま城の形に詰まっているんじゃないかというくらい。

それでも、中は礼拝堂や回廊、ギャラリー、
タペストリーの飾られたホールなど
見るべきものがたくさんあるようなので特攻してみたが、
入り口近くの左右の部屋に入っただけで、ギブアップ。

とにかく狭い空間に、どこへ行っても人がぎっしり。
(なぜかロシア人の団体様が多かった)
早々にリタイアして、外をぶらぶらすることにした。






庭園はまだ花がまばら…。






管理人事務所。これまたかわいい。
お城もいいけど、こういう家に住んでみたい。






「“高級”レストラン-緑の庭園」の入口。
スレート葺きの屋根と、藤の花がイギリスっぽい。



お城の敷地内には庭園、迷路、農場跡、花畑、
ピクニックエリア、ロバの牧場、蝋人形館、レストランなど
さまざまな施設があるのだが、そのどこにも用事がないので
ベンチに座ってぼーっとしていた。


ここもまた子供連れのファミリーが多い。
子供がはしゃぐのは各国共通だが、それに対する
親の態度は「さすが」というものだった。

ちょろちょろしている子供が親に叱られているシーンが
あちこちで見られたが、親はちゃんとしゃがむか、
腰をかがめて目線を合わせ、決して大声ではない声で
言ってきかせている。

叱られた子供は、バツが悪そうにそっぽを向いて
それでも親の手をつなぐとか
泣きながら親にしがみつくとか、
そのリアクションもかわいらしかった。

フランス語の柔らかい響きということもあるが、
映画のワンシーンのように見えてほほえましい。


ヨーロッパでは、犬は入れても子供は入れない店も少なくない。
古来から「子は宝、子は神の子」と育ててきた日本と、
近世まで「子供は大人のできそこない」とみなしてきた
ヨーロッパとでは文化が違うのだろうけど、
ギャーギャー騒ぐ子供を放流していたり、
「お前のほうがうるさいよ」ってくらいの大声で
子供にどなっているような日本の親には見習ってほしい。


にしても、旅行を申し込む際にもうちょっと
日程を考慮するんだった…。
土日に関しては気にしたけど、まさかキリスト生誕祭の
ようなフレキシブルな祝・休日があったとは。


しかし、あとで調べたらシュノンソー城は
ヴェルサイユ宮殿に次いでフランスで2番目に観光客の多い城
だそうなので、いつ行っても同じような感じだったのかも。



続く




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