ルーブル美術館続きです。
「カナの婚礼」
(パオロ・ヴェロネーゼ)
カメに入った水をワインに変えたという
イエス・キリストの最初の奇跡を描いた作品。
右下の隅に、ワイン壷にじゃれつく猫がいる。
猫はまったく可愛くはないが、
こういった絵で猫が描かれるのは非常に珍しいので、
ちょっと嬉しかった。
猫を撮ることに気をとられていて、
解説はほとんど聞いていなかったけど(笑)
「グランド・オダリスク」
(ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル)
この絵こそ、ミロのヴィーナスどころではない
デフォルメ……人体構造を無視した背骨や
腕の長さで有名。
あまり言及されないが、個人的には
脇の下にはさまっているような胸も怖い。
連作「四季」
(ジュゼッペ・アルチンボルド)
ガイドA氏の解説は、一方的に話すのではなく
こちらに質問形式で投げかけてくる。
曰く、「こっちの小学校では美術館に子供たちを
連れてきて世界的な絵を模写させたり
“これはなにを表していると思う?”
“これを見てどう思う?”と対話形式で授業をやっている、
それがいい勉強になるんだ」
私もそう思う。
ヨーロッパの美術館では、そういう場面をたくさん見た。
この絵の前でA氏が「この絵は何を表しているかわかる?」と
質問してきたので「四季」と答えたら
「なんだ、知ってるのか」と
ちょっとつまらなそうにしたりして面白い。
「四季」はこの半年ほど前に「美の巨人たち」で見たので
4枚そろった本物を見られたのが嬉しかった。
「美の巨人たち」では、4枚の絵の向きについても
言及していたがA氏はそこまでは解説しなかった。
時間も限られているので仕方が無い。
民衆を導く自由の女神
(ウジェーヌ・ドラクロワ)
これも教科書に載っている有名な絵。
先月、この絵がペンで落書きをされる
事件があったそうだ。
幸い汚れは奥まで達していなかったため、
修復作業で消されたようでなにより。
有名な作品はもちろんあまり知らなかった絵についても
A氏の質問形式&ちょっとひねった解説はとても面白かった。
パンフレットを見るとルーブルには
中野京子著『怖い絵』に取りあげられている絵が
結構ある。
これまであまりルーブルに興味がなかったが、
A氏を雇ってルーブルの作品解説をじっくり
してもらったら、さぞかし面白かろう。
ところで絵から絵へと館内を移動中に、
とある絵の前を通りかかった。
特別展のようで、ちょうど通路側から見やすい位置にあった
その絵は、『怖い絵』に載っていたので覚えていた。
「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
(ポール・ドラローシュ)
権力争いに巻き込まれ、ロンドン塔に幽閉されたのち
斬首されたイングランドチューダー朝第4代女王の絵だ。
ライティングの上手さで、暗い背景の人物はより暗く、
中央のレディ・ジェーン・グレイの肌やドレス、
目隠しが白く輝いていて、残酷な美しさを際立たせていた。
本で見た印象ではそう大きな絵だとは思っていなかったが
実際はとても大きくて迫力があり(あとで調べたところ
246cm×297cm)私はこの絵に釘づけになった。
しかし、パックツアーの悲しさで、気に入った絵が
あったからとはいえ、そこでとどまっているわけにはいかない。
後ろ髪を引かれながらもこの絵の前を去った。
帰国後、この絵のことを調べて私は愕然とした。
この絵はロンドンのナショナルギャラリー所蔵なのだそうだ。
私はナショナルギャラリーなら何度も行っている。
ゴッホとかモネ、ターナーなど好きな画家はもちろん
ダヴィンチ、カラヴァッジョ、ドラクロワ、ルーベンスなどの
有名どころの絵は覚えているし、併設されている
ポートレートギャラリーの印象も覚えている。
なのになぜか、この「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
の印象がないのだ。
同じ処刑ものでも、ナショナルギャラリーにある
「皇帝マキシミリアンの処刑」は覚えているというのに。
これだけ大きくて、印象深いシーンの絵だというのに。
なぜだろう…?
ナショナル・ギャラリーでこの絵を見たときは、
『怖い絵』を読む前で予備知識がなかった。
なので、スルーしてしまったのだろう。
もちろん予備知識がなくても妙に気になる絵
というものもあるが、
(というか私は結構そういうのが多い。
先に実物を見て興味を持って、後で調べるパターン)
やっぱり知識があるのとないのでは
絵の興味の持ちかたが全然違うという好例かもしれない。
結局ルーブルで見かけた「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、
今回一番印象に残った絵となった。
続く
「カナの婚礼」
(パオロ・ヴェロネーゼ)
カメに入った水をワインに変えたという
イエス・キリストの最初の奇跡を描いた作品。
右下の隅に、ワイン壷にじゃれつく猫がいる。
猫はまったく可愛くはないが、
こういった絵で猫が描かれるのは非常に珍しいので、
ちょっと嬉しかった。
猫を撮ることに気をとられていて、
解説はほとんど聞いていなかったけど(笑)
「グランド・オダリスク」
(ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル)
この絵こそ、ミロのヴィーナスどころではない
デフォルメ……人体構造を無視した背骨や
腕の長さで有名。
あまり言及されないが、個人的には
脇の下にはさまっているような胸も怖い。
連作「四季」
(ジュゼッペ・アルチンボルド)
ガイドA氏の解説は、一方的に話すのではなく
こちらに質問形式で投げかけてくる。
曰く、「こっちの小学校では美術館に子供たちを
連れてきて世界的な絵を模写させたり
“これはなにを表していると思う?”
“これを見てどう思う?”と対話形式で授業をやっている、
それがいい勉強になるんだ」
私もそう思う。
ヨーロッパの美術館では、そういう場面をたくさん見た。
この絵の前でA氏が「この絵は何を表しているかわかる?」と
質問してきたので「四季」と答えたら
「なんだ、知ってるのか」と
ちょっとつまらなそうにしたりして面白い。
「四季」はこの半年ほど前に「美の巨人たち」で見たので
4枚そろった本物を見られたのが嬉しかった。
「美の巨人たち」では、4枚の絵の向きについても
言及していたがA氏はそこまでは解説しなかった。
時間も限られているので仕方が無い。
民衆を導く自由の女神
(ウジェーヌ・ドラクロワ)
これも教科書に載っている有名な絵。
先月、この絵がペンで落書きをされる
事件があったそうだ。
幸い汚れは奥まで達していなかったため、
修復作業で消されたようでなにより。
有名な作品はもちろんあまり知らなかった絵についても
A氏の質問形式&ちょっとひねった解説はとても面白かった。
パンフレットを見るとルーブルには
中野京子著『怖い絵』に取りあげられている絵が
結構ある。
これまであまりルーブルに興味がなかったが、
A氏を雇ってルーブルの作品解説をじっくり
してもらったら、さぞかし面白かろう。
ところで絵から絵へと館内を移動中に、
とある絵の前を通りかかった。
特別展のようで、ちょうど通路側から見やすい位置にあった
その絵は、『怖い絵』に載っていたので覚えていた。
「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
(ポール・ドラローシュ)
権力争いに巻き込まれ、ロンドン塔に幽閉されたのち
斬首されたイングランドチューダー朝第4代女王の絵だ。
ライティングの上手さで、暗い背景の人物はより暗く、
中央のレディ・ジェーン・グレイの肌やドレス、
目隠しが白く輝いていて、残酷な美しさを際立たせていた。
本で見た印象ではそう大きな絵だとは思っていなかったが
実際はとても大きくて迫力があり(あとで調べたところ
246cm×297cm)私はこの絵に釘づけになった。
しかし、パックツアーの悲しさで、気に入った絵が
あったからとはいえ、そこでとどまっているわけにはいかない。
後ろ髪を引かれながらもこの絵の前を去った。
帰国後、この絵のことを調べて私は愕然とした。
この絵はロンドンのナショナルギャラリー所蔵なのだそうだ。
私はナショナルギャラリーなら何度も行っている。
ゴッホとかモネ、ターナーなど好きな画家はもちろん
ダヴィンチ、カラヴァッジョ、ドラクロワ、ルーベンスなどの
有名どころの絵は覚えているし、併設されている
ポートレートギャラリーの印象も覚えている。
なのになぜか、この「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
の印象がないのだ。
同じ処刑ものでも、ナショナルギャラリーにある
「皇帝マキシミリアンの処刑」は覚えているというのに。
これだけ大きくて、印象深いシーンの絵だというのに。
なぜだろう…?
ナショナル・ギャラリーでこの絵を見たときは、
『怖い絵』を読む前で予備知識がなかった。
なので、スルーしてしまったのだろう。
もちろん予備知識がなくても妙に気になる絵
というものもあるが、
(というか私は結構そういうのが多い。
先に実物を見て興味を持って、後で調べるパターン)
やっぱり知識があるのとないのでは
絵の興味の持ちかたが全然違うという好例かもしれない。
結局ルーブルで見かけた「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、
今回一番印象に残った絵となった。
続く