月と猫

旅行や趣味の話を書いていきます。
猫の話はオフィシャルブログへ!

ルーブル美術館2

2013-03-18 13:00:10 | 
ルーブル美術館続きです。





「カナの婚礼」
(パオロ・ヴェロネーゼ)

カメに入った水をワインに変えたという
イエス・キリストの最初の奇跡を描いた作品。

右下の隅に、ワイン壷にじゃれつく猫がいる。



猫はまったく可愛くはないが、
こういった絵で猫が描かれるのは非常に珍しいので、
ちょっと嬉しかった。

猫を撮ることに気をとられていて、
解説はほとんど聞いていなかったけど(笑)






「グランド・オダリスク」
(ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル)

この絵こそ、ミロのヴィーナスどころではない
デフォルメ……人体構造を無視した背骨や
腕の長さで有名。
あまり言及されないが、個人的には
脇の下にはさまっているような胸も怖い。






連作「四季」
(ジュゼッペ・アルチンボルド)

ガイドA氏の解説は、一方的に話すのではなく
こちらに質問形式で投げかけてくる。

曰く、「こっちの小学校では美術館に子供たちを
連れてきて世界的な絵を模写させたり
“これはなにを表していると思う?”
“これを見てどう思う?”と対話形式で授業をやっている、
それがいい勉強になるんだ」

私もそう思う。
ヨーロッパの美術館では、そういう場面をたくさん見た。

この絵の前でA氏が「この絵は何を表しているかわかる?」と
質問してきたので「四季」と答えたら
「なんだ、知ってるのか」と
ちょっとつまらなそうにしたりして面白い。

「四季」はこの半年ほど前に「美の巨人たち」で見たので
4枚そろった本物を見られたのが嬉しかった。

「美の巨人たち」では、4枚の絵の向きについても
言及していたがA氏はそこまでは解説しなかった。
時間も限られているので仕方が無い。






民衆を導く自由の女神
(ウジェーヌ・ドラクロワ)

これも教科書に載っている有名な絵。
先月、この絵がペンで落書きをされる
事件があったそうだ。
幸い汚れは奥まで達していなかったため、
修復作業で消されたようでなにより。


有名な作品はもちろんあまり知らなかった絵についても
A氏の質問形式&ちょっとひねった解説はとても面白かった。

パンフレットを見るとルーブルには
中野京子著『怖い絵』に取りあげられている絵が
結構ある。
これまであまりルーブルに興味がなかったが、
A氏を雇ってルーブルの作品解説をじっくり
してもらったら、さぞかし面白かろう。


ところで絵から絵へと館内を移動中に、
とある絵の前を通りかかった。
特別展のようで、ちょうど通路側から見やすい位置にあった
その絵は、『怖い絵』に載っていたので覚えていた。






「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
(ポール・ドラローシュ)

権力争いに巻き込まれ、ロンドン塔に幽閉されたのち
斬首されたイングランドチューダー朝第4代女王の絵だ。

ライティングの上手さで、暗い背景の人物はより暗く、
中央のレディ・ジェーン・グレイの肌やドレス、
目隠しが白く輝いていて、残酷な美しさを際立たせていた。

本で見た印象ではそう大きな絵だとは思っていなかったが
実際はとても大きくて迫力があり(あとで調べたところ
246cm×297cm)私はこの絵に釘づけになった。

しかし、パックツアーの悲しさで、気に入った絵が
あったからとはいえ、そこでとどまっているわけにはいかない。
後ろ髪を引かれながらもこの絵の前を去った。


帰国後、この絵のことを調べて私は愕然とした。
この絵はロンドンのナショナルギャラリー所蔵なのだそうだ。
私はナショナルギャラリーなら何度も行っている。
ゴッホとかモネ、ターナーなど好きな画家はもちろん
ダヴィンチ、カラヴァッジョ、ドラクロワ、ルーベンスなどの
有名どころの絵は覚えているし、併設されている
ポートレートギャラリーの印象も覚えている。

なのになぜか、この「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
の印象がないのだ。

同じ処刑ものでも、ナショナルギャラリーにある
「皇帝マキシミリアンの処刑」は覚えているというのに。
これだけ大きくて、印象深いシーンの絵だというのに。
なぜだろう…?

ナショナル・ギャラリーでこの絵を見たときは、
『怖い絵』を読む前で予備知識がなかった。
なので、スルーしてしまったのだろう。
もちろん予備知識がなくても妙に気になる絵
というものもあるが、
(というか私は結構そういうのが多い。
先に実物を見て興味を持って、後で調べるパターン)
やっぱり知識があるのとないのでは
絵の興味の持ちかたが全然違うという好例かもしれない。

結局ルーブルで見かけた「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、
今回一番印象に残った絵となった。


続く

ルーブル美術館

2013-03-14 22:39:47 | 
前回のフランス旅行記は昨年10月
ベルサイユ宮殿」の巻。
「ベルサイユの次は、パリへ戻りルーブルへ」
と書いたのを最後に実に5か月も更新が止まっていた。

早く終わらせないと1年経ってしまうので、
今更だが、とにかく続きを書くことにする。


というわけで、パリへ到着。



凱旋門





コンコルド広場





オペラ座


実は今回、フランス入りしたときから
天候が危ぶまれていた。

ここ数年の異常気象でこの年も春が遅く、
5月にも関わらずフランスでも雨の日が多く、
日程中も雨になるのではないかと言われていたのだが、
ラッキーなことに天候に恵まれていた。
この日も良い天気。

いざルーブルへ!!と思ったらまずはランチ
ということで、裏通りのようなところにある
小さいお店へ連れて行かれた。





これなんだっけ…
なにせ1年近く前なので(笑)
キッシュかな?





メインは魚を用意してもらえた。





デザート

正直味はもう覚えていない。
ひどくまずいということもなかったが、
アジアからのツアー客御用達の店のようで
狭い中にどんどん団体客が入ってきて、
ごちゃごちゃわいわいした雰囲気が
どうにも受け付けず、
とにかく早く出たい気分だけが印象に残っている。

でも、店員は結構陽気で愛想が良かった。
そこは評価したい。

以前イギリスからパリに来たときは、
なんだか愛想が悪くて怖い人が多い
イメージだったが、今回の旅行で
フランスの人たちのイメージがかなり変わった。



ところで店内にはいろんな装飾品が飾られていたが、
陶器でできた猫の置物もいくつか飾ってあった



天井に近い柱に掛けてあった鼠と猫の置き物。
なかなかシャレがきいている。

しかし、こんなところに陶器…と、
つい地震の心配をしてしまう。





地震のせいではないと思うが、
多分落ちたんでしょうね。
しっぽに接着した跡が。

にしても全然かわいくないなあ~
こわいよ~。

と思っていたら、もっと強烈なのが!!





デターーーーーー!!!(((( ;°Д°))))

これは猫なのか!? まるで悪魔のような表情!
怖すぎる!!!(><;)

隣の額の女性の顔も、
恐怖におののいているではないか!!



などと猫ネタもはさみつつ、
いよいよルーブルへ。






以前来たときはオルセー美術館にしか行かなかったので
ルーブルは初めてである。

「ルーブルは、彫刻とかエジプトのなんちゃらとかが
多いから、絵が好きならオルセーのほうがいいよ」
と言われての選択で、それは間違っていなかったと思う。

でも、美術館好きのくせにルーブルに行ったことがない
というのもどうかと思うので、今回来られたのは
なんだかんだ言って嬉しい。





最初に向かったのは「ミロのヴィーナス」。

抜群の話芸を持つガイドのA氏が
「この彫刻は実は重心がおかしい」
「実際の人体でこのポーズをとるのには無理があるが、
その不自然さが魅力を引きたてている」
などと解説してくれた。

彫刻にはあまり興味がない私だが、Aさんの話が実に
面白くて「そういう見方があるのか~」と感心した。

たまたま先日、日テレでルーブルの番組をやっていたので
見てみたが、「腕がないから興味を引き立てて云々」と
通り一遍の解説をしていて、特に興味を惹かれはしなかった。






「サモトラケのニケ」

まわりに人がいっぱいだったので、
遠くから眺めた。
超有名だけど「ふうん」という感じ。

彫刻って、絵を見るよりも感動があまりない。
人形を作ったりしてて、立体造形にも
興味があるくせになんでだろう?

彫刻の体ってマッチョだったり
バーンと肉感的だったり、
単純に好みのボディじゃないからかも。

ミロのヴィーナスだって、
「でもウエスト太いよね…」
くらいにしか思えないし(笑)






「モナ・リザ」

小さい小さいとは聞いていたが、
本当に小さい絵だった。
そこに人々が群がっているので、
遠くから眺めることになり、さらに小さい。

ライブで鍛えた「人をかきわける術」を使って
なんとか前に行き、撮影。
「実物を見た」という既成事実に満足。


続く

3月11日

2013-03-11 20:05:14 | その他
3.11の大震災から2年がたちました。

改めて、犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、、
被災された皆様に、謹んでお見舞いを申し上げます。

今日は朝から震災関連の話題がテレビで流れています。
少しずつ立ち直ってきているところもありますが、
多くの被災地では、まだまだ復旧が進まず、
とりわけ原発による被害が起きた地域は、
先の見えない状況のようです。

そんなこともあって、避難地域からの中継を行う番組も多く、
どのチャンネルを見ても、原発事故のもたらした
多くの問題に時間を割いていました。

しかし、被災地に取り残された動物たちのことに言及した番組は
少ないようで、テレ朝でほんの短い時間ながら、
避難地域で活動を行う動物愛護団体について放送していたのを
見かけました。

去年の3.11の記事では「原発関連の映像や話題は今もダメです」と
書いていた私も、今年はいくぶん冷静に見られるようになりましたが、
やはり動物が絡むとダメですね…。

保護された猫たちが、近づいてきたカメラに向かって
ケージの柵から手を伸ばしている姿に、
いろんな思いがこみ上げてきました。

私も自分にできることをやらないと…。





実は実家の壁紙も、地震の影響で
裂け目ができたまま放置していましたが
猫がむしり出したので、
ようやく張り替えることにしました。

2年なんてあっというまですね…。



ご存知でした?

2013-03-01 15:39:57 | 猫の話
日光の眠り猫がデザインされた
500円硬貨が出ているのをご存知でしたか?

地方自治法施行60周年を記念して、
2008年度から47都道府県ごとの図柄で
記念硬貨が発行されているそうなのですが、
その栃木県のバージョンが眠り猫。

全国で180万枚が発行され、1月16日から
引き換えが始まっていたとのことです。

私はこのニュースを2月22日の
猫とも新聞」さんの記事で知り、
慌てて近所の銀行に走りました。
1、2件目の銀行ではすでに売り切れ、
3件目で無事交換できました。


猫関連ニュースならアンテナを張っている
つもりでしたが、なぜかこの件はアンテナに
引っかからなかったようで、全然知りませんでした。
猫とも新聞さんに感謝!




金と銀のバイカラーで、とっても美しい硬貨です。

眠り猫と雀のデザインがとっても
硬貨に似合っていて、
猫モチーフの汎用性の高さを示しています。

裏側は金銀の感じがちょっとユーロ硬貨にも似ていますが
和同開珎をイメージしたデザインは、
おいそれと使用できないような
重厚な雰囲気を醸し出しています。


私の撮った写真ではちょっと見づらいので
造幣局のサイト→★で確認してみてください。
一緒に発行された「日光東照宮陽明門」をかたどった
千円銀貨も細かすぎてすごいことになっています。


ところで栃木県といえば先月25日、
震度5強の地震がありました。
被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げます。
日光市では斜面が崩れ、温泉郷が孤立するなどの
ニュースがありました。
日光東照宮では特に影響がなかったようで、なによりです。


今日から3月。
東日本大震災から2年になります。
防災意識を忘れずに日々過ごさないといけないですね。