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コンゴのビール事情(2)~その歴史と系譜

2013-06-09 07:30:53 | アフリカごはんとビール
アフリカビール界のボルドー、コンゴビールシリーズ。今回は、歴史と系譜を辿ってみたい。

前回、コンゴにはBralima, Bracongo, Brasserie Simbaの三つの醸造会社があり、しのぎを削っている、と述べた。

Bralimaは同国最大の醸造会社といっていいだろう。ハイネケン・グループで、以前はレオという会社名だった。国内4カ所に醸造所を有してきたが、最近5番目の工場をカタンガ州のルブンバシに設けた。ザイール時代には国有化され、その後も経営上の紆余曲折を経て今日に至る。

その主力銘柄は、前回も触れた「Primus(プリムス)」。コンゴの代表的ビールと言えば、大多数のコンゴ人が迷わずプリムスを挙げるだろう。味は(あくまでコンゴビール内での比較だが)なかなかしっかりしていて、苦味が程よい。まさにコンゴのキリンラガーか一番搾りといったところ。

Bralimaはこの他にもたくさんの銘柄のビールをプロデュース(詳細は次回以降に!)する。またコカ・コーラのライセンス生産を行なうとともに、思いっきり安っぽいテイストの赤い炭酸ジュース、ヴィタロ(vitalo)も製造する。

(コンゴビールの王者、プリムス。ついでにテーブルクロスもプリムス柄)


対抗するBrasserie du Congo(通称Bracongo)も歴史あるビール会社だ。1959年に複数の醸造所を統合して発足したUnibra-Congoが源流。50年代は、のちのコンゴ、そしてアフリカの英雄となる初代首相、パトリス・ルムンバが販売営業で雇われていたことでも知られる。

70年代、モブツの独裁体制に入り、同国が国名をザイールの改称すると、社名をUnibra-Zaireに改称。その後、経営は彷徨を続けるが、1996年にアフリカのメジャービール銘柄、「カステル」グループを擁するフランス人、Pierre CASTEL氏が同社を買収して立て直す。1997年、モブツ体制崩壊後、国名がコンゴに戻ると、社名をBrasserie du Congoに改称、今に至る。

その主力銘柄は、これも前回も触れた「SKOL(スコール)」。このビールは、味が薄めで、軽快な清涼感が特徴。日本でもスーパードライ派、あ、失礼、財政上の理由でのどごし生派(→こちらの末尾にあります)のわたしとしては、コンゴビールのイチ押しに、このSKOLを挙げる。



わたしにはスコールにまつわる積もる話がたくさんある。ということで、ここから先は、週末ビールシリーズ、来週に続く。

(つづく)

(夜のスポット、ボンマルシェでのひととき。赤い毒々しい笑のがVitalo。)



↓よろしければこちらもどうぞ!
「コンゴのビール事情」
第一話~ビール界のボルドー

「アフリカのビール事情」
第一話~定番ビール
第二話~キリンビール
第三話~安易で深い命名?
第四話~がんばれ国産!


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