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【号外】ブルキナファソでホテル襲撃事件(2)~ここまでの展開

2016-01-17 05:30:41 | アフリカ情勢
15日の夕刻に発生したブルキナファソ首都のワガドゥグ中心部で発生したスプレンディッドホテル襲撃事件。前回の速報記事に引き続き、その後の展開について、外電の情報などをまとめてみたい。

まず事件の場所はブルキナファソの首都、ワガドゥグの中心部、クワメ・エンクルマ通りに面したスプレンディッドホテル。147室を有する格調あるホテルで、外国人や国連関係者、高官もよく利用していた。また併設するイタリアンカフェ・レストラン「カプチーノ」も外国人ご用達であった。

(AFPウェブサイトより)


事件の発生は15日(金)19時45分頃。2台の車の爆発とともに、数名の実行犯が銃撃とともにホテルおよびレストラン・カプチーノに突入。ジャーナリストによればターバンを巻いたアラブ系白人が3名ほど見られたという。

犯行グループはホテルを襲撃すると滞在者を人質として立てこもった。同日夜、マグレブ諸国のアルカイダ(AQMI)が犯行声明。2013年のアルジェリア・イナメナス事件、2015年11月のマリ・バマコホテル襲撃を敢行したとされるアル・ムラビトゥーンのモクタール・ベルモクタールがルーツを持つ。

16日未明2時頃に、ブルキナファソ特殊部隊が仏軍の支援のもと、スプレンディッドホテル、レストラン・カプチーノおよび隣接物件に突入作戦を敢行。夜明けにかけてホテル正面は火に包まれ、あたりは戦場と化したという。この突入作戦の間に、ホテル裏口から滞在者は脱出したという。作戦は12時間にわたり継続し、終了した。

(仏リベラシオン紙ウェブサイトより)


レミ・ダンジヌ情報大臣、シモン・コンパオレ内務大臣、他によれば、この事件では少なくとも18カ国の国籍の26名が死亡。2名の仏人が126名が解放されたが、うち33名が負傷を負った。詳細はまだ明らかにされていない。解放された1人に、ブルキナファソのクレマン・サワドゴ労働相が含まれる。

フランスのファビウス外相は16日、コミュニケの中で、27人の死亡、150名の負傷と発表。在ブルキナファソフランス大使は、仏軍がブルキナファソ特殊部隊の突入作戦を支援したと述べた。仏軍はサヘル地域における対テロ作戦のためワガドゥグ郊外に駐留。また米軍も75名が駐留し、仏軍を支援したという。

ブルキナファソ治安当局情報によれば、ジハーディストとみられる襲撃実行犯は4名が死亡、うち2名は女性としている。

12月に就任したばかりのマルク・クリスチャン・カボレ大統領は、ブルキナファソ国民に「勇気と警戒」を呼びかけ。夜間外出禁止令とともに、17日(日)から72時間を服喪期間とする、と発表した。

フランス、アメリカ、イギリス、EUはそろってテロを非難する論評を発表。また、西アフリカ経済共同体も、議長国セネガルのマッキー・サル大統領が「地域におけるいかなるテロ行為にも断固として戦う。加盟国は正常化のために必要な援護を行う準備がある。」と述べた。



この事件と並行して15日(金)、ブルキナファソ北部、マリ・ニジェール国境に近いバラブレで、オーストラリア人老夫婦が誘拐された。

AFP通信は、イスラーム武装勢力のアンサール・デイーン筋の情報として、犯行はアルカイダ系の「サハラの首長」(Emirat du Sahara)によるものと伝えている。もし報道の通りであれば、先の1月8日に発生したスイス人誘拐事件と同一犯行グループということになる。しかもオーストラリア人老夫婦は1972年からこの地に長く住んでいるといい、先のスイス人誘拐事件とも重なる。

Burkina: les deux Australiens enlevés sont aux mains de jihadistes, selon Ansar Dine(Yahoo! France/ AFP)

今回のホテル襲撃事件、分析検証のポイントが多数含まれている。今日は以上クロノロジーの整理までとして、明日以降、続きを述べていきたい。

(つづく)

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