まったく衝動的に、「峠」を攻めたくなって、折り畳み自転車に乗って駅に行った。
目指すは「キングオブ峠」、「京柱峠」である。いつかの投稿で書いた「日本三大酷道」の一つ「国道439号」の、高知と徳島の県境にある標高1,123mの峠である。
ロードバイクで自走して行ってもいいのだが、わたしの足では帰りに日没を過ぎてしまいそうだし、夜中の国道32号線を走るのは前回で懲りた。
なので、JRを利用して、高知県サイドの峠直下へアプローチすることに。
多度津駅で、「大歩危」行きの電車を待つ畳まれて袋に包まれたマイ自転車。アンパンマンの顔が怖い。
山の真ん中にあるような大歩危駅の風景。急行から普通列車にここから乗り換えである。
なぜか駅舎には妖怪とワン公がいた。頭を撫でようとしたら警戒した目でおれを見た。でかいサングラスをかけていたからかもしれない。瞳が見えないと怖いのかもしらん。
土讃線豊永駅で降り、自転車を組み立てた。真っ赤なフレームがかっこいい。わたしはこいつを「ダホン号」と呼んでいる。
写真じゃ見えないが、奥にある標識に「京柱峠16キロ」とある。
自転車で16キロなんざ屁でもないわ。と、そのときは舐めてかかっていた。
9時30分、いざ「キング」を倒しにまいろう。
で・・・返り討ちにあったのだった。
いや、20インチの小径車で京柱峠を登ろうというのが甘かった。それにこのダホン号は「ロード寄り」のギア比なので、重い重い。小径車ゆえ、ダンシング(立ち漕ぎ)も安定しない。残り2キロという最後の詰めで、足を使い切ってしまい、何メートルか押すはめに。これは屈辱的である。
どんな坂でも休みこそすれ押して登らないというのがわたしのポリシーだったのだが、そのときは腹が減っていたのだ。
最後の数百メートルは意地でもペダルを漕いで、ぜえぜえと息を切らしてゴール。
クルマで訪れていた観光客たちから「ほーっ」という驚きの声が上がった。
ちょっと気持ち良かった。さっきまで押してたんだけど。
「キングオブ峠」の名に恥じず、景色はすばらしい。おまけにここには「峠の茶屋」があるのだ。
麺類に目がないわたしは当然、山菜うどんを注文。名物は「しし肉うどん」(しし肉とはイノシシの肉ね)らしいのだが、なんとなく肉を食う気分じゃなかったのだ。
「自転車で来なさったなら、塩分補給じゃね」茶屋のおばちゃんがサービスでニンジンの醤油漬けを出してくれる。うまい。
礼を言って、徳島県側に国道439号線を降りていく。
笑うほど道が酷くなっていく。その辺の農道はもちろんできの良い林道に負けるレベル。
このときだけ「ロードで来なくてよかった」と思った。
ヨサク「国道ですが、なにか?」
徳島県側に降りていき、県道33号線の祖谷のかづら橋を通り過ぎ、東祖谷山村、西祖谷山村と進んで国道32号線へ合流する手前が大歩危駅である。
ワン公の駅長はいなかった。
ペプシコーラで独りで乾杯してから、自転車を畳む。
まあ、なんだな、しんどかったが、生きている感じがしたな。
ではまだ。
目指すは「キングオブ峠」、「京柱峠」である。いつかの投稿で書いた「日本三大酷道」の一つ「国道439号」の、高知と徳島の県境にある標高1,123mの峠である。
ロードバイクで自走して行ってもいいのだが、わたしの足では帰りに日没を過ぎてしまいそうだし、夜中の国道32号線を走るのは前回で懲りた。
なので、JRを利用して、高知県サイドの峠直下へアプローチすることに。
多度津駅で、「大歩危」行きの電車を待つ畳まれて袋に包まれたマイ自転車。アンパンマンの顔が怖い。
山の真ん中にあるような大歩危駅の風景。急行から普通列車にここから乗り換えである。
なぜか駅舎には妖怪とワン公がいた。頭を撫でようとしたら警戒した目でおれを見た。でかいサングラスをかけていたからかもしれない。瞳が見えないと怖いのかもしらん。
土讃線豊永駅で降り、自転車を組み立てた。真っ赤なフレームがかっこいい。わたしはこいつを「ダホン号」と呼んでいる。
写真じゃ見えないが、奥にある標識に「京柱峠16キロ」とある。
自転車で16キロなんざ屁でもないわ。と、そのときは舐めてかかっていた。
9時30分、いざ「キング」を倒しにまいろう。
で・・・返り討ちにあったのだった。
いや、20インチの小径車で京柱峠を登ろうというのが甘かった。それにこのダホン号は「ロード寄り」のギア比なので、重い重い。小径車ゆえ、ダンシング(立ち漕ぎ)も安定しない。残り2キロという最後の詰めで、足を使い切ってしまい、何メートルか押すはめに。これは屈辱的である。
どんな坂でも休みこそすれ押して登らないというのがわたしのポリシーだったのだが、そのときは腹が減っていたのだ。
最後の数百メートルは意地でもペダルを漕いで、ぜえぜえと息を切らしてゴール。
クルマで訪れていた観光客たちから「ほーっ」という驚きの声が上がった。
ちょっと気持ち良かった。さっきまで押してたんだけど。
「キングオブ峠」の名に恥じず、景色はすばらしい。おまけにここには「峠の茶屋」があるのだ。
麺類に目がないわたしは当然、山菜うどんを注文。名物は「しし肉うどん」(しし肉とはイノシシの肉ね)らしいのだが、なんとなく肉を食う気分じゃなかったのだ。
「自転車で来なさったなら、塩分補給じゃね」茶屋のおばちゃんがサービスでニンジンの醤油漬けを出してくれる。うまい。
礼を言って、徳島県側に国道439号線を降りていく。
笑うほど道が酷くなっていく。その辺の農道はもちろんできの良い林道に負けるレベル。
このときだけ「ロードで来なくてよかった」と思った。
ヨサク「国道ですが、なにか?」
徳島県側に降りていき、県道33号線の祖谷のかづら橋を通り過ぎ、東祖谷山村、西祖谷山村と進んで国道32号線へ合流する手前が大歩危駅である。
ワン公の駅長はいなかった。
ペプシコーラで独りで乾杯してから、自転車を畳む。
まあ、なんだな、しんどかったが、生きている感じがしたな。
ではまだ。