院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

再々度サマータイム反対

2011-06-06 07:18:40 | Weblog
 数日前の中日新聞愛知県版の投書欄に、次のような投書が載っていた。

 筆者はアメリカに住む婦人で、彼女はこう言う。アメリカではほぼ全域でサマータイムが実施されており、まだ明るいうちに仕事が終わり、その後の時間を楽しく過ごしている。

 だから「サマータイムは良いものですよ」という趣旨の投書である。おりからの省エネの風潮に沿った意見である。

 だが、ここで注意しなくてはならないのは、投書者が「ほぼ全域」と言っている部分である。全域ではなく、「ほぼ」全域なのだ。すなわち、アリゾナ州ではサマータイムを実施していない。投書した婦人は善意だろう。「ほぼ」でごまかす気持ちはさらさらなかったと思う。でも読者は「完全に全域」と理解してしまうだろう。

 アリゾナ州でサマータイムが行われていない政治的な理由は、私には分からない。ただ、ひとつ言えることは、アリゾナ州はアメリカでも南部であり、気候が蒸し暑く、日本と似ているということである。

 アメリカ北部は乾燥していて、サマータイムを実施しても良いかもしれない。だが、南部にも同じようにサマータイムを実施するのは無理があるのではないか?

 今回の電力不足を契機として、またサマータイム論議が再燃している。どんな理由があろうとも、蒸し暑い夏という気候をもった日本にサマータイムを導入することに、私は反対である。

 これまで2回、このブログで委曲をつくしてサマータイムに反対してきた。(2006-09-09、2008-06-07。)このたび電力不足にかこつけて、サマータイム導入論がまたぞろ出てきたので、再々度反対する。理由は以下のとおりである。

(1)サマータイムを導入している国々は気候が乾燥していて、日本のように蒸し暑い夏ではない。どんな国でも気候は同じというのは、著しく想像力を欠いた考え方である。

(2)急に時間を変えると、一億総時差ボケとなって、体調を崩す人が続出する。これは2008年に日本睡眠学会が指摘して、サマータイムに反対した理由である。(当時の福田首相はサマータイム導入に前向きだったため、それに危機感を抱いた日本睡眠学会は急遽、声明を出した。)

(3)進駐軍の命令で日本でも1950年前後にサマータイムを導入したことがある。その時には、生活リズムを崩す人が多く、明るいうちから泥酔者が見られるようなこともあり、2年ほどでサマータイムは取り止めになった。その時のデータで、サマータイムは省エネにならないことも実証されている。

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