自由広場

穿った独楽は廻る
遠心力は 今日も誰かを惹きこむ

ゲームを語らう。SFC「トラバース」

2005-03-31 23:02:26 | やっぱりゲーム。
別に懐古主義者とかってわけじゃないんです。違うんですよ、ほんと。

でも、やっぱり昔のゲームっていいわぁ。うん、懐古主義だわ俺。

いいものはいい。今も昔も変わらないもの。最近の映像だけのあのゲームやこのゲームは、時代とともに廃れてしまう。かつてのゲームにはストーリーやシステム、音楽やキャラクターといった要素すべてが絶妙に絡み合い、どえらい名作となっているものがある。そんな中でも特にマイナーであまり人に知られていない「隠れた名作」達。

そのひとつに是非挙げたいのが「トラバース」です。製作はパンドラボックス。

ジャンルはRPG、と一応言っておきますが従来のそれを求めてプレイすると後悔します。いい意味で。
「ロマサガ」「メタルマックス」。俗に言う「自由度高いゲー」。それの頂点を極めたのがこの「トラバース」ではないかと思っています。勝手に。
こういう系が好きな人にはまずお勧め。有無を言わさずやれ。

そう、このゲームで特筆すべきは自由度。


ゲームを始めるとそこには産婆とベッドに横たわる主人公の母親とそれを見守る父親が。斜め見下ろし方の「マザー2」視点が温かい。
母親は今まさに主人公を産まんとしている。が、母親の体力が危うい。このままではどちらかが死ぬ。
子供をとるか、母親をとるか。妻を愛する夫は迷わず母を取ります。
夫を殴る産婆。イケてます。
と、ここで突然産婆と父親が眠り入ってしまう。
と同時に画面に神様の姿が現れ、数々の質問を投げかけてくる。ぶっちゃけドラクエ3スーファミ版風に。
その質問に対する答えを元に主人公の初期能力は決まります。

質問が終わり、産婆と父親が気がつくとすでに子供が産まれています。
しかし、母親はすでに・・・・。

愛する妻を亡くした怒りを息子にぶつける父親。そうやって14年の月日が流れます。


・・・とまぁ、最初はそんな具合。なんなんでしょうね、この頃のRPGって。どれも似たり寄ったりなのに、時々めっちゃくちゃ凝ってる奴がある。これもそのひとつ。さっき挙げた斜め見下ろしの画面もいいし(やや操作に支障をきたすが)、なんといっても出だしの悲しき展開。一体主人公にはこれからどんな苦難が待ち受けるのか。そんな思いがよぎる。

主人公は小さな島の生まれ。父親の暴力に耐えながら14歳まで育ちます。ちゃんとゲームが始まるのはこの主人公が14歳の誕生日になった日です。

そう、このゲームには時間の流れがあります。しかもシュミレーションゲームばりの早さで時間が流れます。
さきほどの質問で誕生日を設定できるので、ゲームはその日から始まります。

父親は窓を割り「酒を買って来い」といいます。
ここで注目したいのが、今日が主人公の誕生日だってことに誰も気づいてないってこと。主人公でさえ。そこまで父親は息子のことを恨んでいて、対して主人公は父親の世話に苦労を費やしてきたことがうかがえます。
酒を買うため外に出る主人公。さあ、ここからが「自由度高いゲー」の始まりだ。ここで、もしすぐに家に戻るとバルモアっていうごつい兄ちゃんが不法侵入していて主人公はさらわれます。このバルモア、顔のわりに歳は16ってやってくれます。また、父親の言いつけ通り酒を買いに酒屋へいくとソニアっていう11歳のガキに山へ花を摘みに行って欲しいと頼まれる。この11歳のガキがヒロインだってんだから最高だ。ロリもいいとこ。
主要キャラクターが顔のわりに低い年齢設定な理由は後ほどお話しするとして。とにかく、プレイヤーの行動によって色々なイベントが起こるってこと。時には2個3個同時にイベント抱えることだってあるし、決まられた日にしか発生しないイベントもあるし、決まった天候じゃないと起きないものまであります。「自由度高いゲー」の特徴でもありますが、この時間の流れによってさらなる自由度が。

また、主人公達は歳をとります。誕生日が各々設定されていて、やってくればステータス画面の歳が増えます。また能力も上がるとか上がらないとか。
顔のわりに年齢が低いのはそのせいなんです。

このゲームは、簡単に言えば10年間の間にどれだけたくさんのイベントをこなすかってことなんです。
10年経つとゲーム終了。
とにかくそれまでにたくさんの人と出会い、たくさんの思い出を作るのです。
が、10年経たなくともゲームを終わらすことができます。ここからがこのゲーム、本当の意味での名作と呼ばれるゆえんです。

先ほどいった最初のイベント、バルモアにさらわれるイベントですが、このバルモアとの出会いによって主人公は島から出る決意をします。この小さな世界を飛び越えて、新たなる世界へと旅立つ。その足かせになってくれたのがバルモアなんです。島から出るかどうか悩むシーンでもし、「やっぱり行かない」を選択すると主人公は一生この小さな島で過ごすことになり、ゲームオーバーになります。が、これもひとつの人生。
また、女性にプロポーズしてOKが出ればゲーム終了です。知り合った女性のほとんどに告白できます。一定の条件に満ちていれば結婚できます。その条件ってのが「知力が70以上」とかそういうもので、女性ってのは結局そういうとこで判断するのかと思ってしまいます。ある意味現実的ですが。
また、ソニアならゲーム開始直後でも快諾してくれます。14歳と11歳のカップル誕生です。

ゲームオーバー。戦闘で全滅してもそれもひとつの終わりなのです。

このゲームは現実を教えてくれます。いつ死ぬか分からない。かといって小さな世界でうずくまっていてはいけない。人生を大きく変える出来事は、いつどこで起こるかわかったもんじゃない。じゃあ、俺はこの世界でどうしたらいい?

「トラバース」の本当のエンディングは何か。それは「イベントをすべてこなし、すべてのキャラを一度は仲間にして(総勢31人)、先ほど言ったロリコンソニアにプロポーズする」ことです。まぁ、その頃には20歳くらいにはなっているでしょうが。

しかし、そのイベント1つ1つがいいんだなこれが。ただただ消化していくというのではなく、中々考えさせてくれる話もあります。しかも選択によってその後の展開が大きく変わったりしますし。また街もたくさんあって人に話しかけてみるのも結構楽しい。

とにかく自由度の高さを存分に味わってください。そして「トラバース」の世界を自分の世界に投影してみてください。
最高の人生とは何か。小さな島で一生を終える。それもいいのかもしれない。ただ、俺としてはそれは御免だ。
たくさんの人、たくさんの理解あるよき仲間と出会い、たくさんの経験を積んで、毎日が冒険のような日々を送りたい。いや、送っている。たとえ途中でくじけたとしても、別にそれでもいいや。

ついでに「トラバース」のように最高の女性と結婚できたらいいね。ロリータは遠慮しときます。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ななし)
2020-01-20 09:32:12
このバルモアとの出会いによって主人公は島から出る決意をします。この小さな世界を飛び越えて、新たなる世界へと旅立つ。その足かせになってくれたのがバルモアなんです。


…足かせではなく、足がかりでは?

コメントを投稿