44巻-421話 ギア3 (ためらいの橋の戦い-4)

ロビンが命を懸けてでも阻止したかった『バスターコール』が開始された。
「目標！麦わらのルフィとその一味、なお”大将青キジ”との内約により、ためらいの橋のニコ・ロビンのみ標的外とする！！現状把握不要！エニエス・ロビーその全てを破壊せよ！！！」



エニエス・ロビーの島を焼き尽くす、軍艦からの一斉砲弾が始まった。
目標である海賊達は元より、「世界政府」に忠義を尽くして海賊と戦った『ＣＰ-9』のメンバーや、仲間である海兵や衛兵達も構わずに攻撃対象・・・殺してよいという指令。

その悪魔のような攻撃に、恐ろしい砲火の光景にロビンは青ざめて、ガタガタと震えが止まらなかった。
人生で２度も『バスターコール』を経験し、二度ともかけがないのない人達を目の前で失ってしまう辛さは、筆舌に尽くしがたい事だった。




まだクザンと呼ばれていた頃の"青キジ"は、関係のない者まで殺害し尽す"行き過ぎた正義"に否定的だったが、今はニコ・ロビンさえ生かせば、他の命は紛れて殺してもいいとの判断のようである。20年の年月はクザン・・・"青キジ"を赤犬同様の容赦ない人間に変えたのか・・・。




その頃、麦わらの一味は、地上で『バスターコール』が開始された事を知らず、ひたすら地下通路を走っていたが、先を行くナミ達がいち早く、海水の流入に気付いて踵を返した。

重傷のそげキングを抱えたゾロとサンジは、ルフィやロビンのいる「ためらいの橋」に向かって走り、ココロさんとナミとチムニーは「司法の塔」へ向かって来た道を駆け戻っていた。








地下通路を満たした海水は、ルフィとロブ・ルッチのいる「ためらいの橋の支柱」にも満ちてきていた。この様子では、地下通路は海水で埋まっているはず。


能力者であるロブ・ルッチは海水をさけるように、「ためらいの橋」の上部へと移動し、ルフィもそれを追った。
ルフィの心理をゆさぶるように、ルッチがルフィに声をかけた。
「心配だろうな、海賊達が、ニコ・ロビンがどうなったか。助けに行きたきゃ行けばいい」
だが、ルフィはまっすぐにロブ・ルッチを見据えていた。
「おれはお前から目を離さねぇ。あいつらは今、どんな目に遭ってようと必ず生き残る！！！でもお前をここで逃がしたら・・・、お前は仲間達を殺しに行く！！！
だからおれはお前ら目を離さねェ！！！」




それを聞いたロブ・ルッチは「フフ・・なかなかのボスの器。どっかのバカに聞かせてやりたいもんだ。だが、その判断に実力が伴うな？お前が死んでも、結果は同じだぞ！！おれに勝てるのか！！」と笑って、攻撃を開始した。


ルフィは、ロブ・ルッチの攻撃をかわし、その足を掴まえながら「勝てなきゃ誰も守れねぇだろ！！！」と【ゴムゴムの回転弾（ライフル）】を出したが【鉄塊・空木（うつぎ）】で跳ね返されて倒れ込んだ。

ロブ・ルッチは「骨のある男に会えたと思えば期待ハズレ。さっきのドーピングで力尽きたか」と言うと、立ち上がったルフィは不敵に答えた。
「骨のある戦いがしたいんなら、みせてやるよ！！もう一つの戦法！！ギア3（サード）」





ルフィは煙を噴出する事なく、自分の右手親指をガチ・・と噛み、その親指に思いっきり空気を入れると、右腕がぼんっと風船のように巨大に膨らんだ。
「【骨風船】！！骨から骨へ移動する空気（パワー）！！」と言うと、ルフィの体内を空気が移動して、今度は左腕が巨大化した。
「みろ！！この左腕は！！巨人族の腕！！！！【ゴムゴムの・・・巨人の銃（ジャイアント・ピストル）】！！！！」

　


そう言って振り下ろした巨大な拳は、橋の支柱を破壊してロブ・ルッチを支柱の外へ殴り飛ばした。
　




ルフィ技一覧
【ゴムゴムの回転弾（ライフル）】
【ギア3・骨風船】・・・指から空気を入れて体の部位を自在に巨大化させる技。
【ゴムゴムの巨人の銃（ギガント）】・・・左手を巨大化させて撃つパンチ
【ゴムゴムの巨人の斧（ギガント・アックス）】・・・脚を巨大化させたゴムゴムの斧
【ゴムゴムの巨人の鞭（ギガント・ウィップ）】・・・巨大化した足を振り回す技




ロブ・ルッチ技一覧
【剃刀カミソリ】・・・剃をより鋭利な刃物のようにパワーアップさせた技
【嵐脚・豹尾ヒョウビ】・・・嵐脚で衝撃派を回転させる技
【鉄塊・空木ウツギ】・・・鉄塊によるカウンターで常人の拳なら砕き割る威力がある。
【指銃・撥バチ】・・・指銃の衝撃派を飛ばす中距離攻撃技
【嵐脚・凱鳥（ライチョウ）】・・・嵐脚で鉄製の軍艦をも切り裂く技
【指銃・斑（まだら）】・・・指銃を高速で無数に敵に突き刺す近距離技