季節の変化

活動の状況

PISAで高成績の韓国

2008-09-14 05:19:46 | Weblog
PISA の調査で、韓国フィンランドに次ぐ高成績である。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育がほぼ終わる15歳を対象として、
知識と技能の学習到達度調査である。
読解力数学科学の試験と、学習する態度や環境などを調査する。

これは、世界の文教関係者が、
☆自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
☆生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい。
という要望に応えて、経済開発協力機構(OECD)がPISAを開発した。

2000年の最初の調査では、OECD加盟国を中心に32か国が参加し、
世界が注目する中で結果は、読解力の1位はフィンランドである。
2位カナダ、3位ニュージーランドとなった。韓国6位、日本は8位。

読解力と数学、科学の点数が公表されているので、合計してみた。
合計した総合でみると、
1位日本、2位韓国、3位フィンランドとなり、
4位カナダ、5位ニュージーランドが続く。

PISAの調査は、3年ごとに2003年、2006年と実施するが、
読解力と数学、科学の点数を合計した総合でみると、
2003年は1位フィンランド、2位韓国、3位香港で、日本は5位。
2006年は1位フィンランド、2位は韓国香港日本は10位である。

日本は、1位→5位→10位と、
調査をするたびに順位を落として、歯止めがきかない。
フィンランドは、3位→1位→1位、
韓国は、2位→2位→2位、
香港は、2000年は参加せず→3位→2位。
フィンランド、韓国、香港の3国はトップ・レベルにある。

――どうして、韓国の成績がいいのだろうか?
韓国で、韓国人サムエルに聴いてみた。
「朝鮮人は頭のいい民族です」
PISAの調査で、韓国が高成績であることを、当然のように知っていた。

「韓国は、中国と日本に挟まれた小さな国です。
韓国には資源がありません。あるのは“人的資源”だけです。
韓国には、その人的資源を開発するしか、ほかに選択肢がないのです」
と、国を隆盛させる必死さが伝わってくる。

大国に挟まれた小さな国、資源がない、あるのは人的資源とは、
フィンランドや香港と共通するところが多い。

「親には、男子の教育を第一にするという伝統があります。
に通わせたり、家庭教師をつけて、大学に合格するように援助します。
中学生の息子には、数学英語の家庭教師をつけています」
と、息子への期待は大きい。

「歴代の王朝は、民間人を広く登用する試験制度“科挙(かきょ)”を
採り入れてきました。科挙に合格することが“出世への登竜門”、
という長い歴史があります。
そのため、“学歴社会”の傾向が強くて、
大学への進学率は70パーセントを超えています」

科挙の展示が、首都ソウルの国立民俗博物館にあった。

最初の科挙は958年で、最後は1894年とあるから、
936年の歴史がある。
王は合格者に、帽子に着ける花飾りを贈り、
合格者を馬に乗せ、楽隊の先導で街中を練り歩いて祝った。

科挙に合格することは、個人の出世においても、
韓国の官吏登用においても、重要なできごとである。

「“ITなくして明日はない”と基幹産業をITにする国策があります。
それで、科学と数学の教育に力を入れてきました。
これもPISAの調査でいい成績をとることにつながっています。
光ケーブルを家庭に敷設して、インターネットの使用料を
大幅に下げました。“インターネット放送”の利用が急増し、
育児・教育から娯楽、スポーツ、ショッピングと広がり、
韓国はブロードバンド先進国になりました」
と、国策の成果に誇らしげである。

世界のインターネット利用者数を調べてみた。国際電気通信連合が、
100人当たりのインターネット利用者数を、公表している(2006年)。
日本は50.20人。
韓国は68.35人で、アジアでトップ。日本の1.4倍。
フィンランドは62.90人で、日本の1.3倍。
香港は50.08人で、日本と同じ。
これらのインターネットの利用者数が多い国は、
PISAの調査でいい成績をあげている。

自費出版した『世界がみる日本の魅力と通知表』には、
日本の成績、世界一の学力フィンランド、高成績の韓国、
について記載してあるので、参考にしてください。
さらに、実際に世界を歩いて、見て、聞いて、
日本の通知表をつけてみたが、評価項目の一つ、
学力については、指標としてPISA2006を採り上げてある。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 変わったレストラン | トップ | 韓国はアジアの酒豪 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事