むじな@金沢よろず批評ブログ

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李登輝演説に聴衆の反応は冷ややか(228記念行事)

2007-03-01 01:30:08 | 台湾政治
変節した李登輝に聴衆冷ややか 228事件60周年記念行事
228事件60周年記念の「数万人大合唱」が28日午後3時半から総統府前のケタガラン大通りで開かれ、1万人以上が参加した。参加者は50代以上が目立った。
100あまりの主催団体の筆頭が「手護台湾大聯盟」だったこともあって、その総召集人(代表)の李登輝・前総統が午後4時ごろ来賓として挨拶に立った。しかし聴衆の反応は冷やかそのもので、拍手はほとんどなかった。しかも壇上近くの前列からはしきりに「引っ込め、降りろ」のブーイングが飛ぶ始末。「中国資本開放」「陳水扁バッシング」など相次ぐ変節発言に、従来李登輝びいきだったはずの人々が怒り心頭に達している様子がはっきりと現れていた。
台湾人の性格からすると、本当にムカツくものは冷ややかに対応して、無視する。ブーイングなどで大騒ぎするのは、外省人、中国人、朝鮮人の反応だが、台湾人は無視するのだ。もちろん、ブーイングもあったのは事実だが、全体的にブーイングというよりは、恐ろしい静かさや白け気分が蔓延していた。
顔見知りの急進独立派台湾人の何人かとも話をしたが、彼らも口をそろえて李登輝の変節をなじっていた。
日本では李登輝を盲信している人が少なくない。「李登輝先生は変わっていない」だの「李登輝先生のおっしゃることは正しい」と考えている人間がいる。しかし、そういう人は、台湾の庶民感情を無視して、目線の高いところで宙に浮いた議論をしているだけである。
今日の民衆の反応を見るかぎり、台湾本土派の民衆は、はっきりと李登輝に「ノー」を突きつけているのである!民主主義では、名も無き庶民も同じ一票を持っているし、庶民のほうが数が多いのである。いつまでたっても「李登輝先生は正しい」などといっているのはアホもいいところである。

李登輝への冷ややかな反応に対して、民進党の政治家に対する反応はきわめて好意的で、拍手や歓声が多かった。もちろん、深緑という部分に限定されるが、陳水扁への声援も大きかった。ただし個別に話すとこれらの民衆も必ずしも陳水扁という個人には好意は持っていない(というか、あんなつまらない人間に好意をもてるわけがない)し、陳水扁の言行不一致、食言には批判は多い。
しかし、昨年あれだけ根拠のない噂でバッシングされたことへの同情と、さらに何だかんだいっても彼ら自身が選んだ代表者だという思いが、陳水扁への暖かい声援となって現れたのである。そしてこれは、「国民が直接大統領を選ぶ」というシステムを、誰の力も借りることなく、自分たちで作ってきたという自負の現れでもある(ただ、この意味合いを陳水扁は誤解し、自分の個人的魅力だと勘違いしている部分があるのはイタイが)。


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