むじな@金沢よろず批評ブログ

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李登輝が改心?

2007-05-13 03:05:34 | 台湾政治
対中傾斜しつつあった李登輝・前総統がどうやら最近改心して、再び本来あるべき路線に戻しつつある兆候が見られる。
10日、すでに炎天下の台北市で、台連議員が国民党が予算審議を妨害していることに抗議して座り込みをしているところに李登輝が笠をつけたラフな格好で現れて、国民党を非難し、予算案を一刻も早く通すことを訴えた。
また、後藤新平賞の授賞式のため、5月30日から日本に向かい、「奥の細道」路線をたどる計画も発表した。
これは評価できる。

これは昨年の「陳水扁打倒」運動に付和雷同した発言をして以来、今年1月末から2月にかけての一連の台湾・日本のメディアインタビューの発言で極めつけになった反民進党、反独立、反日、対中傾斜を再度修正して、元の正しい路線に戻る兆候であると受け止められている。
10日炎天下で座り込みの現場に現れて国民党批判を展開したことについて、民進党内でも評価の声が上がり、さらに昨年以来李登輝には批判的でほとんどニュースで報道してこなかった三立テレビもこれを好意的に大きく伝えた。

李登輝ともそれなりに連絡がある急進独立派団体に務める旧友に最近会ったところ、どうも李登輝の改心は私が「諸君!」で李登輝の対中傾斜を批判したことがきっかけだったという見方をしていた。本当かどうか知らないが、少なくともそういう見方が独立派の間で流れているのは事実のようだ。特に右派の「諸君!」で批判されたことがショックだったようで、李登輝は本来の自分のあるべき立場と姿を再度考えなおしたようだ。
もちろん、それには状況に応じて常にスタンスを変えてきた李登輝らしい計算があると思われる。つまり、昨年から今年2月にかけて李登輝は民進党の今後に悲観的だったから馬英九を評価したり、対中傾斜してみたが、その後民進党の党勢が復活し、さらに李登輝が以前から個人的にも気に入っていた謝長廷が総統候補に決まったことで、民進党、独立、親日の路線に回帰したのであろう。

その点では、「諸君!」でも指摘したように、日和見もいいところであるし、もう少し注意深く観察しないと本当に改心したのかわからないが、李登輝はいかなる場合があっても、やはり急進独立的で、親日的で、民進党をさらに深緑の方向から監督するという姿勢でいてくれないと、私も困る。李登輝が日本や緑を棄てて対中傾斜するのは、もともと無理であり、それこそ李登輝という人間の存在意義を無にする誤った発想である。これは陳水扁に無視され批判されたり、昨年末の選挙で台連が泡沫化したことでメンツがつぶれて一種の錯乱行動だったと思われる。


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