むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

エルサルバドル大統領選挙で予想通り左派候補当選、台湾と断交か?馬の外交政策破綻へ

2009-03-17 02:16:02 | 世界の政治・社会情勢
台湾とも国交があるエルサルバドルで15日大統領選挙があり、予想通り左派のファラブンド・マルティ民族解放戦線(Frente Farabundo Marti' para la Liberacio'n Nacional, Farabundo Marti National Liberation Front, FMLN)のマウリシオ・フネス(Mauricio Funes)候補が、長期支配を続けてきた右翼ネオリベの国民共和同盟(ARENA)の候補を2ポイント差で下し、左翼ゲリラだった同党としては初めて政権を獲得することになった。就任は6月1日、任期は5年。

FMLNは社民主義、アナルコサンジカリズム、マルクスレーニン主義、トロツキズムなど雑多な左翼からなる寄り合い所帯で、フネス候補自身もゲリラ出身ではなく、党内で穏健派で米国との連携も重視しているが、正統派マルクスレーニン主義者も多い。
しかも、2007年8月に陳水扁が訪問した際に、ボイコットしたほど台湾嫌いが多いが、同じ中米左翼のサンディニスタのオルテガとうまくいった(+その口ぞえで、ベネズエラのチャベス、キューバのカストロらとも対話はできた)中道左派の民進党ですら謝絶するなら、今の右翼ネオリベ国民党はもっとうまくいかないというか、はじめから対話など不可能だろう。
だから、おそらく6月以降、エルサルバドルは台湾と断交するかもしれない。そうなると馬英九政権が唱えている「外交休戦」つまり、中国と台湾は国交の現状を維持して互いに奪い合わないという政策は、破綻することになる。中国は「これは中国が奪った結果ではない、むこうがいってきた」という言い訳がなりたつが、台湾としては失うのは事実なので、外交休戦は破綻するのである。
これが民進党政権のままだったら、FMLNを口説いて引き止めるチャンスはあっただろう。特に、オバマをモデルになぞらえ、穏健な主張をしてきたフネス相手なら、なんとかなった。
(もっとも、オバマとは融和する路線を示しているフネスは、甘いと思う。この際、はっきりとベネズエラやキューバなどと連携して、反米を明確にして、世界を誤られてきた米国と米国のバカな国民どもに、見せ付けてやるべきだと思うが)

ところが、フネスもやはりリベラル、左よりである以上、国民党とは話したくはないだろう。
そういえば、連戦はかつてエルサルバドル大使やっていたことがある。連戦みたいなやつが駐在外交官やって、極右政権とべったりくっついて、左翼ゲリラを蛇蝎視してきたのだろうから、国民党は相手にされないことは確実だ。

昨年の台湾人の愚かな選択のおかげで、台湾は外交的にもまた重要な友人を一人失うことになってしまうことは確実だ。ある意味では自業自得だがw。

ともあれ、フネス氏の当選を祝福し、極右政権が続いたエルサルバドルでマトモな社会政策を推し進めることを期待したい。


Funes Presidente (Diario Co Latino)
http://www.diariocolatino.com/es/20090315/portada/64833/

El Salvador's ex-rebels win polls (Al-Jazeera)
http://english.aljazeera.net/news/americas/2009/03/20093161551720784.html

El Salvador ex-rebels win power through ballot box (Reuters)
http://www.reuters.com/article/bondsNews/idUSN1651726620090316

FMLN wins in El Salvador (El Gramma - Cuba)
http://www.granma.cu/ingles/2009/march/lun16/El-Salvador.html

Mauricio Funes se perfila como nuevo presidente de El Salvador (El Tiempo - Venezuera)
http://www.eltiempo.com.ve/noticias/default.asp?id=183189

Cha'vez felicita a Funes por triunfo electoral en El Salvador (Milenio - Mexico)
http://www.milenio.com/node/184603


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