むじな@金沢よろず批評ブログ

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言論弾圧国家に成り下がった米国 AITが在台湾米国人学生に「デモに参加するな」と命令

2007-09-15 01:05:55 | 台湾政治
高雄市で15日国連加盟のためのレファレンダムを求める緑陣営系のデモが開かれる。これについて事実上の在台湾大使館にあたるAIT(米国在台協会)が、フルブライト奨学金で台湾に来ている米国人学生に対して「デモに参加するな」と命令、圧力を加えていることがわかった。

確かに米国政府特に国務省筋からは、最近、民進党などの国連加盟およびそれを進めるためのレファレンダムに反対する発言が相次いでいた(末尾参照)。これらはきわめて反民主的で、姑息なものであったが、しかししょせん外交官僚の物言いなどもともと姑息なものであり、また中国のメンツを立てる必要があるという外交的立場はそれなりに理解できないわけではない。
しかし、外交の表舞台ではなくて、米国人学生に対して個人的に圧力を加えているという事実は、米国の立場が単なる外交上での術策にとどまらず、米国が小国台湾の意思を覇権大国として傲慢にも押さえつけたい一心であることを示している。

問題はそれだけにとどまらない。そもそもデモに参加するかどうかは民主主義国家では個人の権利であり、政府関係機関にとやかく指示されるいわれがない問題である。
それを「民主主義の尖兵」を自負し、それを押し付けてきた米国が、台湾の民主主義を抑圧するだけにとどまらず、さらに自国民個々人の行動・表現の自由をも束縛しようというのだから、呆れて物が言えない。国民の自由すら奪うような米国は、中国と同じである。米国も落ちぶれたものだ。

米国が本質的に腐りきって、たいした国ではなくなったことを見抜いているというべきか、陳水扁は米国に対してあくまでも強気で、しかも台湾の世論でも米国の反対に腰砕けになるどころか、当初たいした議題ではなかった国連加盟が盛りあがっている。
陳水扁の強気の裏には、ひょっとして、8月に訪問して歓待を受けたニカラグアのオルテガ・大統領の小国ながら反米姿勢を貫いていることに感化されたのかも知れないが、もはや米国の裏庭たる中南米でも反米政権が広がっている点を見れば、米国の圧力など恐れるに足りないことを陳水扁は学んだのだろう。

そもそも台湾戦後史をふりかえれば、米国は国民党ファッショ政権を支援し、228事件や白色テロで台湾人を虐殺した元凶なのだ。蒋介石はしょせんは小物であり、米国の手先として動いたに過ぎない。台湾人の本当の敵は実は米国なのだ。

15日のデモはどうなることか。個人的には星条旗が五星紅旗とともに燃やされる光景があちこちで展開されることを期待しているのだが。
パレスチナ、レバノンのヒズボラ、ニカラグアのサンディニスタなどと連帯しよう!
そして傲慢な米帝を打倒しよう!

米国政府高官による傲慢な発言は次のとおり(後日、この問題については改めて論評したい):
米国国務副長官ジョン・ネグロポンテ(Deputy Secretary of State John Negroponte)が8月27日、しかもわざわざ中国系香港フェニックス・テレビを選んで、台湾名による国連加盟の動きは「現状を破壊する誤ったもの」
米国国家安全保障会議東アジア担当上級部長デニス・ワイルダー(the senior director for East Asian affairs at the US National Security Council, Dennis Wilder)が8月30日、「台湾の地位は未定であり、台湾も中華民国も国家ではない」
そして最近は、国務省アジア太平洋担当次官補トーマス・クリステンセン(Deputy Assistant Secretary of State for East Asian and Pacific Affairs Thomas Christensen)が9月12日に、「米国は台湾の民主主義を評価する。しかしレファレンダムは民主主義とイコールではなく、誤った選択であり、現状の変更である。台湾は国連に入っていなくてもハイテクなどで大きな地位を占めており、国連に入る意味はない。米国は台湾をほかの中規模国家と同じように扱っている」。


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