むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

馬英九はすでにヘロヘロ状態か?

2008-01-05 18:40:41 | 台湾政治
国民党の馬英九・総統候補の最近の言動がおかしい。以前は「ルール」にそった慎重で適度にシャープな発言が見られたが、ここ2ヶ月くらいは完全にボケていて、支離滅裂な発言が目につくようになった。

■社子を台北市だと知らない?
11月11日には台北市士林区にある社子島を訪ねて「9年前もここは三等市民扱いで、雨季には水浸しになって悲惨だったが、今も変わっていない」などと、自身が台北市長を8年も務めた責任を忘れたかのようなとぼけた発言をして、失笑を買った。三立の「大話新聞」ではある識者が「馬英九氏の頭ではひょっとしたら社子は台北県だと思っていたのではないか」という指摘があったが、だとしたら台北市長を務めた人物が台北市の地理も知らない点でもっと失格だろう。
それに「三等市民」という表現も、後の原住民に対する発言と同様、馬氏の心中には北方中国らしい「等級、階級、ランク付け」意識が染み付いているといえるだろう。

■原住民侮辱発言
12月8日には、既報したように、台北県新店市の原住民集落「渓洲」の抗議住民に向かって「私はあなたを人間と見做し、市民と見做し、あなたをよく教育し、機会を与えてあげたい」「原住民には遺伝子の問題はなく、機会の問題があるだけだ」などと発言、当の集落および原住民団体の人たちから、蔑視発言であるとして猛烈な抗議を受けている。しかも抗議を受けても問題が理解できないようで「少数の人とはいえ、気分を害したのなら謝る」とまったく誠意のない「謝罪」で切り抜けようとしている。この問題の根は深い。

■経済成長こそすべてで、貧富格差は無視?
1月1日には、陳総統が元旦演説で「台湾の貧富格差は、中国投資が進んだことが主な原因だ」と指摘したことに対して、「中国への投資が進んだから経済成長が維持されている」と「反論」する始末。陳総統は「貧富格差」について指摘しているのに、それに対して単なるマクロ数字である「経済成長」で反論した気になっているところが、支離滅裂。というか、国民党は貧富格差などどうでもよくて、とにかく金持ちだけの「経済成長」がすべて、だと思っているらしい。

■「党の決定を知らなかった」
1月2日、馬英九氏は国民投票について、12月31日に国民党中央がボイコットを決定したにもかからず、31日に「国民投票をすべきだ」と明言したことについて、「党の決定を知らなかった」と発言した。党の決定を知らない人が、総統候補というのは、馬氏はどうなっているのか?

民進党主席として盛んに国民党を揺さぶるジャブを放つ陳水扁総統に振り回されたことで、馬英九氏は元からそれほど良くない頭と強くない耐性が、崩れ始めているのだろうか?
この段階でここまでへろへろになっていたら、謝長廷・民進党総統候補が立法委員選挙後に本格的に登場して自身の選挙戦を戦うことになったら、どうなるのだろうか?
謝長廷は策略に長けていて、馬英九が心身ともに正常な状態であったとしても歯が立たないだろう。それが、すでにここまでへろへろになっていたら、謝長廷のしたたかな作戦や攻撃によって、完全に崩壊・陥落してしまう可能性が高い。謝長廷は義理堅い点では友人や味方になると良いが、一筋縄でゆかないから敵に回すと厄介な相手である。
馬英九には、「ご愁傷さま」というしかない。


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