輪廻の沼 3

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とうりゅう観光バスとウィラートラベル

2007年11月14日 13時51分12秒 | Weblog

最近、テレビをつけては芸人。テレビis芸人となっていて、テレビ離れがすすむ著者ですがブログをご覧の皆さんは、テレビ三昧な日々でしょうか?


しかし、たまたまテレビをつけて見ていると東京~大阪のツアーバスのドキュメンタリー番組が放送されていた。規制緩和の影響を受けJR新幹線よりも安い価格で、旅行会社は東京~大阪の高速バスを激安価格で提示しているのだ。

この中で紹介された企業は「とうりゅう観光バス」・「ウィラートラベル」・「あずみの観光バス」の3社で、ウィラートラベルは旅行代理店会社である。とうりゅう観光バスとあずみの観光バスは共に同じような高速バス会社。

旅行会社ウィラートラベルの営業活動は、ツアーを企画し、それを各「運び屋」に仕事をもちかける。自分で用意するものは何もなく(最低限の営業ツールといった感じ)、派遣会社的なスタイルである。

テレビを見ていると最初はウィラートラベルという会社自体に悪い印象を受けた。が、一般的に考えてみると、競合会社に対しての価格競争、利益を確保するためのチャーター料の値引き交渉(ほとんど一方的に決定できるが)などは基本的に当たり前の営業活動である。

が、その為にとうりゅう観光バスとの話し合いも応じずに一方的にウィラーの社長個人の感情だけで、取引停止をしたウィラートラベルの村瀬が悪いのは確かだろう。この社長村瀬は、美人秘書を引きつれて我が物顔で各バス会社を訪問している様子をテレビでみた。そして、取引を切る会社とそうでない会社とを分別するため下見していたようだ。

30代で脱サラし、今のウィラートラベルを築いたわけだが。プレゼン資料などを拝見すると、非常に外資的な考え方が強い人間だとわかった。とてもバスについての知識も何もないように思えるし、ましてや大型二種免許も持ってないわけだからバス運転手の気持ちなどくみ取れるはずがない。人命より金儲けが先走っている社長だ。

確かにただの商社や小売業、派遣企業なんかはこの手の社長でもいいのかもしれない。が、バスという「乗り物業界」にこの手の社長が乗り込んでくるのはいかがなものかと思った。JR「福知山線脱線事故」で、運転手に利益優先のために無理な労働を押し付けたJR西日本。

これと今の高速バスのこの惨状は酷似している。

高速バスの運転手は、月に3回程しか休日がなくシフトがキツキツ。さらに旅行会社からチャータ料の値下げ要求で、とうりゅう観光のような名門バス会社もついに赤字に転じたわけだ。

また公示運賃という言葉もこのテレビで登場したが、公示運賃とは「国が一定の調査を元に、バス(乗り物)の管理費や人件費、修理費などで人命を守るために大切な必要最低限度費用として定めいている」としている。

つまり、公示運賃を下回れば当然、赤字に転じるのは必須である。それはTCOの中に初期導入費は含まれていても、維持費が入っていない考え方に等しい。この赤字を黒字に転じるのであれば、これはもう自動車整備そのものを無くすという考え方にいきつく。また、ハイブリッド車だから良いという考え方もいかがなものかと思う。

近年のパロマ湯沸し機の事故でも、一つの部品の寿命が短かった為にあのような事故になってしまった。つまり、長寿命製品という考え方は、長時間各機能に支障なく使用できて初めて成立つ考え方ではないだろうか。

また、近年ではヨーロッパより発令された「RoHS指令」等も影響し、部品による回収を余儀なくされたトヨタを始め各メーカーの部品に対してのナーバスさが目立ちはじめている。長寿命と製品に表示されても、一部の機能が停止したり、安全装置が誤作動を招く長寿命製品は本当に長寿命と呼べるのだろうか?部品というものに対して理解が進むとそうではない事が分かる。

例えば、ベアリングなどは受皿と玉との間に工業油が入って初めて潤滑に機能するものであり、回転運動をする高級製品(車など)にはほぼ間違いなく使われている「産業界の米」とも呼ばれる部品だ。しかし、油という生ものを使用しているので半永久的という考え方は間違いだ。ベアリングを使っている製品については必ず交換が必要になる(釣具のリールもしかりだ)。

話を戻して、では実際に東京~大阪の公示運賃とはいくらぐらいなのだろうか?これはテレビの中でとうりゅう観光バスが見積価格18万円と提示したのに対して、ウィラートラベルは16万円と2万円値切っている。公示運賃から考えると、この数字の間ぐらいが公示運賃だと分かる。

大型バス一台あたりの乗車人数は45名で、ウィラートラベルは片道3700円で提示している。これに一台当たり35名前後の顧客が乗ったと仮定し、往復で70名。3700*70=約26万円。26万-16万円=10万円

つまり、ウィラーはバスや運転手の管理調整等も何も用意せずにネット技術だけで10万円という収益を荒稼ぎしていたのだ。しかも、ウィラーのバス予約表を拝見すると一日あたりに横9*縦10から90台近くを走らせている事が分かる。先ほどの一台約10万円ほどの利益があるのだから、一日の営業収益だけでも9000万から1億円近くの売上高を純利益に近い形で計上しているという事になるのである。

では、バス事故が起これば旅行会社は責任を負うのかと言えば、現在の法律で旅行代理店を取り締まる法律がないので、責任はバス会社という事になる。旅行会社はやりたい放題なのである。高速バス会社はこのまま涙を飲み、安全より利益を優先して倒産を回避していかなければならないのか?

私的な意見としていえばバス会社の弱点は営業面である。自分達で仕事を回収できる能力が孫受け会社のためなく、ほとんど旅行会社によって仕事を請け負っているが為にこのような実情に陥ったといってよい。とうりゅう観光バスの場合、社長の周囲に仕事を確保する営業マンがいなかった。これが、最大の弱点といっていいのではないだろうか。

しかし、旅行会社といえど弱点がないわけではない。第一に自分自身でバスを用意しているわけではない。また、所詮はチャーター料を差し引いた金額が自分の利益として捻出しているため、もしバス会社がダイレクト販売を開始すればそれまでだ

金の成金亡者、ウィラー村瀬の鼻の穴を明かすには、各バス会社が手を結び、顧客に対してダイレクト販売を開始できる第三の機関を作る事である。それには2つやり方があり、ひとつはバス業界の合併、もうひとつはバス業界の分離である。

これにより合併会社内に営業部門を設置するか、バス会社経由で仕事をもってくる第三の会社を設立するかの2択で自社の利益を確保。バスの安全面と競争力の両立を成立していかなくてはならないというのが、私が考えたプランである。

とうりゅう観光バスの社員の中には、大学生二人の娘を抱える親父運転手もいた。多忙の折、彼は今日も客の命と家族の命を預かり高速を走っている・・・。

ウィラー村瀬よ、プレゼン資料ぐらいで運転手の生活と客の命は守れない。

参考文献
RoHS指令-URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/RoHS
各バス会社の電話帳-URL:http://phonebook.yahoo.co.jp/list?a2=28228&g3=6011000
あずみの観光バス事故について:http://news.livedoor.com/article/detail/3054389/
WillerTravel:http://travel.willer.co.jp/index.html
あの惨劇を繰り返すな!JR 福知山線脱線事故
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E7%A6%8F%E7%9F%A5%E5%B1%B1%E7%B7%9A%E8%84%B1%E7%B7%9A%E4%BA%8B%E6%95%85



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お願いがあります (ghmf125)
2007-10-18 00:42:39
ウィーラートラベルのことは私もNHKの番組を観て知りました。私は「交通」に関心があり、この問題を知ったときは、同じく、村瀬に憤りを覚えました。

そこでお願いなのですが、この記事の内容を私のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ghmf125
でも取り扱ってよろしいでしょうか?その際は勿論こちらから引用した旨を書きます。

返信する
記事について (ghmf125)
2007-10-24 21:09:52
ghmf125と申します。

以前、あなたのこの記事(とうりゅう観光とウィラートラベル)に関心を持ち、自分のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ghmf125
で使わせていただきたい、ということを申し上げておりました。その際は、こちらから引用した旨も併記します。もし、そのようなコメントが送信されず、今回が初めてだとしたらそれはこちらのミスです。すみません。

今回はそのご回答をお願いしたく、再びコメントしました。
そのお答えをこちらのブログにてお願いできないでしょうか?

まず、私のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ghmf125
に入ります。
すると、左側に「ゲストブック」というのがありますので、その中にはいり、そちらにてご回答を願います。その際、「投稿」ボタンを押して送信する前に「内緒」というところにチェックを入れてくださると幸いです。
返信する
返信 (カポコン)
2007-11-14 00:49:07
返信が送れて申し訳ないです。トラックバックました。

引用ですが、別に構わないですが、実際にNHKのサイトから検索するのが一番ではないでしょうか。

ただ会社は請負職であればどんな業界でも苦汁昨今の日々かと思います。つい最近、「仕事の70%は月曜日に終らせる」なんていうふざけた本が出回っておりますが、請負い業界では不可能ですからね。

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