さすらうキャベツの見聞記

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【映画】ヤコブへの手紙

2011-01-14 23:38:56 | Wednesday 芸術・スポーツ
 


書くことが、祈りだった-


            **********

 ある日。
 映画『ヤコブへの手紙』(原題:Postia pappi Jaakobille)を、公開より一足早く、観てきた。


 フィンランドの片田舎、白樺に囲まれた古い家を舞台に、
 恩赦で刑務所から出てきたレイラ、
 盲目の年老いたヤコブ牧師、
 毎日手紙を届ける郵便配達人らが紡ぐ物語。

 ストーリーはオーソドックスで当初から予想のできるものだったが、
 風景や小物のカメラワークや人の心理的描写がとてもこまやかで、優しく、良い映画だった。
 ストーリーが読めているのに、少々、涙が出た。

 ただ、キリスト教世界観や文化を少しはかじっておかないと、中盤までかなり理解できない内容でもあり、
 逆に、多少は知っている方々にとっては、ワナ(?)があちらこちらに仕掛けられている。

 そういうわけで、表層しか読めない間は、
 特に、論議をかもしだしそうな面が、ある。
 私自身、当初、不思議がっていたが、
「あれだけ、一つ一つに丁寧な作品なのに、調べればわかるようなものをそうするか?」
 と言われて、ふと思った。
 わざとちゃんぽんにすることで、逆に、
「どれか特定のを支持するわけではない。(本質は何だ?)」
という裏メッセージ、なのかもしれない。




 万人受けはしないだろうが、

 静謐(せいひつ)で穏やかで、一つ一つ丁寧な作品であり、
 しっとりとした、やや大人向けの映画であると感じた。




        ***************


   「それは 人にはできないことです。

    しかし、神には どんなことでもできます。」


               (新約聖書・マタイの福音書19章26節)


        ***************



『ヤコブへの手紙』
75分/フィンランド/2009年
2010年アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表作品

監督:クラウス・ハロ 脚本:クラウス・ハロ 原案:ヤーナ・マッコネン
撮影:トゥオモ・フトゥリ 音楽:ダニ・ストロムベック 製作:リンボ・サローマ
キャスト:カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン、エスコ・ロイネ   
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