ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

「ハート・ロッカー」「ミルク」

2010-04-05 22:30:36 | Movie
「ハート・ロッカー」(2008)
アメリカ/監督、キャスリン・ビグロー

爆弾処理班の若いアメリカ兵の日常を、
そのまんま描くことに徹した映画。
イラク住民を大声で怒鳴りながら不発弾から遠のけ、一応の装備をして近づく。
笑いながらも緊張して、チームリーダーの彼を送り出す。
イラク人の一人が、「これくらいいでしょ、見逃してよ」という笑顔で
携帯電話をさわろうとする。
時限爆弾のリモコンの電波と、携帯の電波が一緒なのか、
爆弾は爆発、彼が犠牲となった。

冒頭のシーンは強烈だった。
「何のためにやってるの?」とかっていう倫理的、道徳的な
メッセージはない。
映画館を出て「疲れた」と友人が一言。
戦場に投げ出され、ストーリーとか関係無しに、そのものを
見せられた。なんというか、アクションゲームみたいな・・・。
疲れるには十分の迫力、リアリティで頭の中をかき混ぜられました。
これがアカデミー賞作品賞とは驚き。
クラッシュもそうだったけど・・・ストーリー性があまりにない映画というのは、
後世では評価されにくいかもしれません。

「ミルク」(2008)
アメリカ

「ゲイで初めて公職を得た」という冠が付くアメリカ人、
ハーヴェイ・ミルクの物語。
ハーヴェイ・バーナード・ミルクという人は、1930年から1978年の
アメリカを生きた人。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AF
この映画まで知らなかった人物だけど、それが恥ずかしいなと思うくらい
いろんな歴史を作った人だ。
カミングアウトし、ゲイとして市議に立候補し、落選し、
ほかのマイノリティを巻き込みながら支持を広げていく。
最後は同僚の市議に、市長とともに暗殺される。

といっても、カチカチな映画ではない。
何というか、愛の物語だなあというのが最初の感想だった。
主演のショーンペンはアカデミー賞主演男優賞を取ったらしいけど、
本当に名演技。
彼のパートナー、スコット・スミスとの掛け合いは素敵だ。
彼らが開いたカメラ店の前で、ミルクがひざまずいて
彼にキスをするシーンがとても印象的に残っている。
ドキュメンタリー映画も1984年ごろに出ているらしいから見てみよう。

春の御在所岳、藤内壁

2010-04-05 21:44:15 | Private・雑感

春の訪れを待っていたクライマーたちに誘われ、
好天に見えた3日の朝、三重・滋賀の県境に横たわる
鈴鹿山脈の最高峰、御在所岳(1,212m)の
藤内壁に向かった。

岩登りは二回目。前回と同じ、かっこいい先輩に付いて行く。
途中の藤内小屋は4日に営業が1年7か月ぶりに再開されるとあって、
泊まって宴会にも参加する予定だった。

藤内壁に行くまでの岩場には、まだ氷が残っていた。
私と、その先輩と、その知り合いでたまたまその日一緒になった
デンソーの期間工のYさん。
藤内壁はクライマーにとって、日本三大ゲレンデだそうだ。
あと一つは六甲山、もうひとつは富士山の近くの三ツ峠らしいです。
岩場を前にすると、急に粉雪が・・・。
「冬が近くなってきたねえ」なんて言いながら、冷たくなる指を
さすって風が行き過ぎるのを待った。

「まあせっかくここまで来たんだし、1つか2つは登ろうか」。
一の壁と呼ばれるところの、2ルートに挑むことに。
初めてだった前回よりは、断然恐怖感は少なかった。
それでも、ルートが長いし、下から見上げれば捕まったり
足を置いたりするでこぼこはないように見える。
「一歩踏み出せば、次の一歩が見える。
 踏み出さなければいつまでたっても見えない。」
自己啓発の教科書みたいだけど、本当にそうなのだ。
二歩目が決まらないまま、一歩目を上がるのは怖い。
片足が宙ぶらりんになるかもしれない。
それでも、踏み出せばなんとかなる。手をつかむ場所も、
落ち着いて考えればどうにか見えてくるもの---
それでもやっぱり、「どうしたらいいの!!」というパニックはあったけど。
初対面のYさんにも命をつないでもらい、
感謝感謝で楽しんだ。写真は、ザイルをつないでくれたYさんの後ろ姿。
Yさんが上まで行ったら、その次を私が登りました。

夜は、正真正銘の山男たちと飲んだ飲んだ。
私は付き合っているつもりだったけど、翌朝には
「大酒飲みやね」と何人かから言われた。
山小屋というのはいいものです。春になってよかった!
翌日は取材→もちつきのもちを食べる→片岡温泉→仕事→・・・
夕方6時からはなぜか金沢に車を飛ばしていました。
職場からの帰り道、「今夜はどうしよっかな、映画でも借りようか」と
思ったのだけど、体がだるい、というよりまだ興奮冷めやらぬ感じ。
筋肉痛の前の徴候。落ち着いて何かしよう、という気持ちにならず、
このまま運転していたくなった。
もちろん金沢にも行きたかった。
後悔することなく、夜の9時半に金沢に着き、ぐっすり寝ました。
それで、今日(=休みでした)、ゆっくり帰ってきた。

山を愛する大人たちに会い、
じっとこじんまりしたちらかった部屋で、
映画を見るなんてつまらん!と思った部分もある。
子どもらしさを貫けて、ストレスフリーな週末でした。