私はニーチェはこの本以外には読んでいない。従ってニーチェを語ることはできない。しかし、21歳の時の私が何故この本を一生懸命に読んだ時期があったのか。自分がつけた沢山の傍線の部分を読んでいるうちに、何かわかるような気もする。一生懸命に読んだのは勿論訳本だ。独文学者でもあり大学教授でもあり、作家でもある竹山道雄先生の訳によるこの文庫本だ。原文もなんとひびきのよいことか。ドイツ語をあまり読めない私も何と . . . 本文を読む
私の書棚にあるレクラム文庫のニーチェの「ツアラトストラかく語りき」(Also Sprach Zarathustra )は所謂ツンドクの部類に属するのだろう。しかしその横に並んでいる新潮文庫の竹山道雄訳の訳本には私の手でのかなりの赤鉛筆での傍線や書き込みがある。結構一生懸命に読んだのだろう。 この本を買ったのは1956年、私が大学に入って2年目の時だと思う。私は学生寮の同じ自習室の友人のI君に2人で . . . 本文を読む
ヘルマン・ヘッセのこの短編は題で期待するとちょっと違うという感じだ。人間はそれぞれ自分の人生に責任を持っており、自分の人生の歩み方を決めることができる。しかしその歩み方は時に、いやしばしば親の期待とは違っている場合がある。この素晴らしい詩人ヘッセも必ずしも両親の期待通りの道を歩まなかったようだ。
ヘッセの若い時の姿であろうこの小説の主人公「私」は親に心配をかける生活をした後ある程度落ち着いた生活 . . . 本文を読む
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」、このあまりにも有名な本は、私は高校1年の頃読んだのだろうか。それなりに感激して読んだのだが、ウェルテルが何故自殺までしなければならなかったを疑問に思ったことはたしかだ。むしろ物静かな普通の女性でありその後人妻になっている相手の女性ロッテは迷惑なのではないかと思いもした。きっと恋のために自殺までするということが無かった時代の新しい現象として注目を集めただけではない . . . 本文を読む
添付した画像はシュトルムの晩年の写真のようだ。ただの田舎の頑固爺さんのように見えるこの作家の頭の中に、どのようにしてあのようなみずみずしい情感がたくわえられているのだろうか?不思議のような気もする。シュトルムの作品は私が50年以上も前に感激した、私の遠い思い出の中にのみ存在する作家であり作品だろうと思っていた。
昨日私はブログにシュトルムの本のことを書いたあとで、ブログを検索したところ、このgo . . . 本文を読む
この本は私の最も懐かしい本の一つだ。私の本棚の最古参の本だ。創元文庫 昭和27年3月30日発行初版 定価100円テオドル・シュトルム著 塩谷太郎訳原名は「Auf der Universitat」(大学にて)元々は私の姉が買って来たのを読んだのだが、高校二年の初夏に読んだこの本に私はすっかり参ってしまった。私の青春時代はこの本と一緒に来たようなものだ。それ以来50年以上、この小さな文庫本は大げさに言 . . . 本文を読む
私はシェークスピア全戯曲集をもう一つ持っている。一昨日のブログで画像を紹介したのだがもう一度画像を付けておこう。
これは前に紹介した1巻もの(ニューヨーク CrownPublishers,Inc発刊 AvenalBook)とちがって、悲劇、喜劇、史劇の3巻に分かれている。それぞれが1362ページ、1120ページ、1016ページ なので合計約3500ページもある大きな本だ。紙の質もよく1冊1冊がと . . . 本文を読む
ブログを始めたからには続けるのが大切と出かける前にあわただしく文章を書いた。まあまあの出来だと満足しながら、画像を追加した。ところが、操作を誤ってどうも一生懸命に書いた文章が消えてしまったようだ。残念だがしかたがない。タイトルには申し訳ないのだが、また家に帰ってきてから書き直すことにして、予告編の画像だけでも載せておこう。とりあえず、継続!継続!
(添付画像は比較的新参者にもかかわらず私の本棚で . . . 本文を読む
「君、キザだね。シェークスピアかね。」
「はい。」
「君、自分でシェークスピアは読んでいるのかね?」
「はい、少しはーーー。」
「少しぐらい読んでも読んだうちに入らないんだよ。」
「でも、私が読んだから出したっていうわけではないんですよ。」
「そんなら、何で出したのかね。」
「私の本棚にあるからです。」
「本棚にあるからって、自分であまり読んでいない本を最初に持ってくるのも
どうかと思うよ。」
. . . 本文を読む
私は近々古希を迎えようとしている湘南葉山の住人である。
自分ではまだまだ未熟な青二才だと思っているのに、もう急いで身辺の整理をしないといけないという実感はひしひしと感じている。
特に今まで買い求め雑然と本棚に並んでいるいろいろな本をこれから捨てて行くのが、大げさにいうと、「身の切られるように」辛い。 私の言うままに文句を言わずに私の所に来て、私を感激させてくれ、私に人生の勇気を与えてくれた、 . . . 本文を読む