日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 独酌三四郎

2016-09-23 21:05:38 | 居酒屋
八時台に投宿し、一風呂浴びて九時になるという時間配分は結果として完璧でした。しかも宿から「独酌三四郎」までは一本道です。その結果、肝心要の席の確保が唯一にして最大の不確定要素となりました。
通い始めた頃ならば、九時を過ぎれば次第に落ち着いてきたものです。ところが、昨年著名なTV番組でこの店が紹介されて以来、早い時間は予約満席、九時を過ぎてもなかなか空かないという盛況ぶりが常態化してしまいました。前回も席の確保ができないまま九時過ぎに乗り込んだところ、先客の方々に詰めてもらってどうにか座れるという結果でした。ましてや今回は月末の金曜、前回以上に混み合うことも覚悟しなければなりません。そこで、旭川に着く時刻がほぼ読めた時点になって電話を入れたものの、依然として満席であり、空くかどうかは確答しかねるとの返答が。その結果、今回も入れるかどうかが未確定のまま、店へ乗り込む結果となりました。

前回は店先に着いた時点で先客が出てくるところに重なりましたが、本日は通りを行き交う人影もなく、遠目に見ると静まりかえっています。しかし店へ近付くにつれて、障子の向こうから先客たちの歓声が聞こえ、かなりの盛況なのが容易に想像できました。そのまま暖簾をくぐると、カウンターは手前も奥も隙間なく埋まっており、それどころか小上がりまでが埋まっています。これでは詰めてもらうことも難しそうです。ついにやられたかと思っていたところへお姉さんが現れ、やはり満席だとのつれない言葉がorz
しかしここまで来て引き下がるわけにも行きません。空き次第連絡してもらえないかと申し出ると、またしても僥倖が起こりました。常連らしき先客が席を立ったのです。支払いもせずすぐに出ていったことからして、ツケがきくほどの常連か、支払いを既に済ませて出るところだったかのいずれかなのでしょう。こうして一つだけ出た空席に収まり、またも女将の正面の特等席という結果でした。しかし、その後さらに一つ出た空席にはすぐさま一見客が入り、手前のカウンターは最後まで満席状態でした。入るしかここしかないという瞬間に重なったのは、神懸かり的な強運といえるかもしれません。いや、自分と入れ替わりに出た先客の御仁が、こちらが席にあぶれそうなのを見て、咄嗟に機転を利かせてくれたのでしょうか。そうだとすれば感謝しなければなりません。自分があちらの立場になったとすれば、快く席を譲らなければと思った次第です。

秋の「独酌三四郎」といえば〆さんま、それに落葉おろしという印象ですが、今回はその落葉おろしが品書きにありませんでした。代わりに注文したのは青なんばんです。しかしこれが、舌がしびれてくるほどの辛さでした。以前注文したときは、さほどの辛さでもなかっただけに、今日に限って何故これほど辛いかが不思議なところではあります。よくよく聞けば、時期が後になればなるほど皮が固く、味わいもしびれるように辛くなってくるそうで、いわば谷中生姜と同じなのでしょう。今更ながら夏の終わりを実感させられる一幕です。
ちなみに、このところ決まって注文していた豆腐が、西武の閉店の影響でまもなく姿を消すという聞き捨てならない話が。「籠太」の塩豆腐と同様、いつの日か復活することを期待したいものですが、今回の道中で再訪しない限り、これが最後という可能性もあるわけです。今まで以上にしみじみ味わいつついただきました。ごちそうさまです。

独酌三四郎
旭川市2条通5丁目左7号
0166-22-6751
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休

風のささやき
麒麟山三合
お通し(酢大豆)
〆さんま
友人手造りどうふ
いかやき
青なんばん
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晩秋の大地を行く 2016 - 旭川到着

2016-09-23 20:15:44 | 北海道
5号線、337号線、275号線、12号線の順で経由し、出発からほぼ500kmを走破して旭川に着きました。出発時の燃料をほぼ使い切ったため、給油をしてから市街に入ります。
上陸時点の走行距離が330kmだったため、今日は約170kmを走ったことになります。小樽市内では数kmしか移動しておらず、ほとんどがあちらを出てからの走行距離です。夕方から動き出してもこれだけ走れてしまうのが北海道ならではといった感があります。
現在の気温は14.5度、小樽では軽く汗ばむ場面もありましたが、ここまで下がるとさすがに冷えます。旭川を出るとますます寒くなってくるのが常です。明日からは寒さに震える晩が続くでしょう。
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晩秋の大地を行く 2016 - モスバーガー小樽静屋通店

2016-09-23 16:48:00 | MOS
見学が忙しく、今日は結局昼抜きで終わろうとしています。しかし、このまま旭川まで呑まず食わずで通すのも辛いものがあります。このような状況において渡りに船といえるのが、道中二軒目のMOSとなる小樽静屋通店です。路地裏出店を標榜していた古きよき時代の店舗は、一年ぶりに再訪した今回も変わることなく健在でした。
今回気付いたのは、窓際の席に座ると、急曲線で小樽駅に進入してくる高架線が見えるということです。その彼方にある山が西日を浴びています。明日こそ晴れてくれるとよいのですが。

モスバーガー小樽静屋通店
小樽市稲穂2-16-3
0134-33-8899
700AM-2300PM
第502号
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晩秋の大地を行く 2016 - 見学終了

2016-09-23 16:07:04 | 北海道
全ての車両を見学し、これでようやく終了と思いきや、最後にまたも圧巻の展示がありました。蒸気機関車資料館なる別棟があり、そこに蒸気機関車の部品と保守のための工具が整然と展示されていたのです、数にすれば数百点、場合によっては千点を超えるのではないでしょうか。これだけの展示は梅小路にすらありませんでした。それらを見終わると頃よく蒸気機関車の発車時刻となったため、往復乗車して締めくくるという顛末です。終日とまでは行かないまでも、ほぼそれに近い五時間半もの滞在でした。予定外の行程により実質一日消費する結果とはなったものの、その価値は十分あったと断言します。

あとは旭川へ向かって粛々と移動するだけです。しかし全くの結果論ではありますが、これなら札幌に泊まればよかったという考えが頭をもたげてきました。今から向かえば五時頃には宿に入れ、一風呂浴びても六時台にはすすきのへ出られるという理想的な流れとなるからです。終盤の行動を考えると、旭川はともかく札幌に戻ってくる可能性は低く、もし泊まるなら今日が絶好の機会だったのですが。結局雨は上がったわけで、これなら留萌のキャンプ場へ行くという手もありました。それにもかかわらず早々と旭川に決めたのは、市内の宿が混んでおり、あの時点で即決せざるを得なかったためなのですが、そのような事情さえなければと惜しまれます。
しかし、「独酌三四郎」で呑むのは北海道の旅における不可欠の行程の一つとなりつつあります。その機会が上陸早々得られたことに感謝すべきでしょう。この時間からでは開店と同時に入るのは当然無理で、お客が多少引けてきた遅い時間を狙うことになります。混雑が慢性化しているにもかかわらず、このところ何度行っても特等席に通されるという強運を発揮しており、そろそろ足をすくわれないかが気がかりですが、果たして今回はどう出るでしょうか。
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晩秋の大地を行く 2016 - 充実の展示

2016-09-23 14:04:16 | 北海道
予想通り、三時間を注ぎ込んでもなお終わりません。まず屋外の車両の数が膨大です。おそらく鉄道博物館をも超えているのではないでしょうか。しかも秀逸なのは、三笠の鉄道記念館と同様、ただ置いてあるだけではなく編成美が保たれていることです。本館に接する形で櫛形のホームが三線分造られ、ED76は一般型客車を、C55は急行型客車を従えていて、キハ82のトップナンバーには食堂車が連結されています。この三編成を中心にして、DD51を先頭にした救援列車、DE10を先頭にした貨物列車、さらには中間にグリーン車を挟んだキハ27とキハ56を配置し、一両で置かれる場合も小柄なDD16とDD13を隣り合わせにしたり、複線用と単線用のラッセル車を背中合わせにしたり、転車台を中心にジョルダン車を並べたりといった組み合わせが秀逸です。
鉄道博物館の場合、展示車両は基本的に一車種につき一両、連結されても二両までです。これだけ統一感のある編成を作れるのは、敷地に余裕がある北海道ならではといえるかもしれません。動態保存のSLもあり、おもちゃの列車が走るだけの鉄道博物館とは別次元です。あちらの入館料が千円することを考えると、この充実ぶりで400円は破格といってよいでしょう。屋外展示なのに加えて北海道の自然の厳しさもあるのか、車両によっては相当傷んでいるのが気がかりではありますが、これらの車両が末長く大切にされることを願って止みません。

屋内展示もかなりのものです。まず入るやいなや、吹き抜けの空間に客車を従えたしづか号が鎮座しているのに驚かされました。旧国鉄のみならず道内の私鉄、森林軌道、さらには簡易軌道までが紹介されており、代表的なものについては模型の展示もあります。簡易軌道の乗車券を展示している施設が他にあるのでしょうか。大がかりなレイアウトはないものの、北海道を走った代表的な蒸気機関車の模型が扇形庫に並んでおり、形式をボタンで選ぶと転車台が回ってその機関車が姿を現し、一回転して再び扇形庫に入るという展示は見事でした。
実は、以前訪ねたときは屋外の展示しか見た記憶がなく、これほどの展示があるとは知りませんでした。要は、屋外の車両を見るだけでも終日かかってしまったということであり、ここの展示がいかに充実しているかがお分かりいただけるかと思います。

現在スハフ44の車内から投稿しており、窓の外では蒸気機関車が煙をもうもうと吐いています。八割方の車両を見たところで雨が降ってきたため、雨宿りを兼ねて車内に逃げ込んだわけなのですが、こうしているうちに雨は上がりました。あとは除雪車を何両か見学すれば、一通りの車両を見られることになります。このまま行けば終わるのは三時頃でしょうか。
ここに寄った時点である程度予想できたことではありますが、今日中に札沼線までは回るのは厳しくなってきました。終了後は直行に近い形で旭川へ向かい、札沼線については道東、道北を旅した後の終盤に回す方向で考えています。
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晩秋の大地を行く 2016 - 小樽市総合博物館

2016-09-23 10:37:46 | 北海道
前言をあっさり撤回し、博物館を見学していくことにしました。というのも、入館をためらわせる原因だった雨がほぼ上がったのです。晴れれば博物館にいるどころではなく、さりとて雨の中で見学するのは辛いという状況の中、ある意味見学にはお誂え向きの条件となったのが決め手です。
遠い昔に訪ねたときは、終日滞在してしまったほど見所豊富な施設です。ただし上記の通り、雨が止んだからこそ見学する気になったのであり、傘を差してまで見学するつもりはありません。かような考えに基づき、傘は車内に置いてきました。雨合羽でしのげる程度の小雨までならともかく、それ以上になった場合はその時点で切り上げるつもりです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 手宮線

2016-09-23 10:04:25 | 北海道
時間に余裕ができたため、小樽市街を定点観測してから出発します。今回気付いたのは、旧手宮線が手宮駅の方まで遊歩道化されたことです。駅の敷地に最も近い部分が現在工事中となっており、次に訪ねるときまでには完成していそうです。趣味的見地からすれば、草むした線路がそのまま残っていたかつての姿を懐かしく感じるところではありますが、北海道最古の鉄路が恒久的に保存されていくのは喜ばしいことです。
久々に交通記念館改め総合博物館を見学していきたいのはやまやまながら、傘を差しながらの見学は少々厄介です。そして何より、今訪ねるべきは博物館の住人となった鉄道ではなく、存続の危機に瀕している現役の鉄道です。今回は残念ながら素通りします。
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晩秋の大地を行く 2016 - 軌道修正

2016-09-23 09:16:20 | 北海道
さて、上陸早々軌道修正することになりました。結論から申しますと、今日は旭川に泊まります。
実は、先ほど店を出た頃から雨が降り出してしまい、先を急ぐ状況ではなくなりました。しかも、昨日寝台で休んだばかりにもかかわらず、かなりの眠気が残っていました。そこで、しばらく車中で仮眠をとり、しかる後に天気予報を確認すると、道央圏は終日雨との予報が出ていました。場合によっては夜まで降るとされており、これでは日中の活動はもちろんのことキャンプも微妙な情勢でした。このような状況に至り、旭川に宿をとるという選択肢がにわかに浮上してきた次第です。

キャンプを基本とする北海道の旅では、旅程が進むにつれて疲労も蓄積していきます。何日か滞在すれば、キャンプをするには厳しい雨の日や寒い日も出てきます。そのようなとき旭川に宿をとり「独酌三四郎」で一献傾けるのが、雨風をしのいで寒さを避け、疲労を回復する上では非常に効果的なのです。
以上のような目的からすれば、何日か滞在して疲労が蓄積してきた中盤、終盤あたりが望ましく、上陸初日に泊まるのは少々もったいないのですが、昨日も今日もかなりの眠気が出ているのは事実です。それだけに、雨の日にまとめて休み、明日以降の本格的な活動開始に備える意義はあると考えました。そのような中、何度か世話になっているサンホテルに一室だけ空きが出ていたこともあり、咄嗟に押さえてしまった次第です。

そのようなわけで、札沼線沿線を北上するところまでは当初の構想通りに進めますが、その後は速やかに旭川へ向かいます。唯一の懸念材料は、「独酌三四郎」がTVの影響で慢性的に混んでいることです。以前は開店直後に入ればどうにかなっていたものですが、今は予約満席という事態も珍しくないようであり、仮に入れても予約の一見ばかりという状況では興ざめです。予約客があらかた帰り、常連が集まりだした終盤に、ふらりと訪ねる方が自分には合っています。ただし前回はそのようにして訪ねたところ、かなりの品が切れていました。まあ予約満席なら遅くに訪ねるしかないため、そうなれば迷いがなくむしろ好都合ではあります。開店前に状況確認の電話を入れてみるつもりです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 味さき

2016-09-23 06:17:55 | B級グルメ
まずは鱗友市場の「味さき」で腹ごしらえします。去年はフェリーから下りてきたと思しき観光客が殺到し、取り付く島もありませんでしたが、今回は一転して先客なし。しかしこの時間から店主とおばちゃん二人がカウンターに立ち、お客も三々五々入ってきます。海鮮丼もあるにはあるものの、朝から高額品を奢るのも憚られ、ホッケの定食を注文しました。巨大なホッケを丸々一尾使った気前のよさが北海道ならではです。

味さき
小樽市色内3-10-15
0134-23-0237
400AM-1400PM
元日休業
開きホッケ定食1000円
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晩秋の大地を行く 2016 - 二日目

2016-09-23 05:13:36 | 北海道
おはようございます。船は定刻に小樽へ着きました。気温は17度、この時期の北海道にしてはやや高く、半袖一枚でどうにかなっています。道東、道北では最低気温が一桁と聞き身構えていたものの、一時ほどの寒さではなくなったようです。しかし、一週間以上も滞在すると、帰る頃にはあからさまに寒くなっていることが多いものです。日毎に深まる秋を体感できれば幸いに思います。

入港した頃にはまだ暗かった空がようやく明るくなってきました。しかし日が射すまでにはかなり時間が要りそうです。晴れてくれれば旭展望台と天狗山に登りたいところではありますが、最新の予報からすると期待しにくいため、今回は早々に移動を開始するかもしれません。
まずは札沼線をたどって行き、終わったところで日が傾けば、去年も訪ねた留萌のキャンプ場に泊まろうかと考えていますが、思いの外早く進めば、滝川から根室本線に沿って東進していくというのがおおよその予定です。
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