八時台に投宿し、一風呂浴びて九時になるという時間配分は結果として完璧でした。しかも宿から「独酌三四郎」までは一本道です。その結果、肝心要の席の確保が唯一にして最大の不確定要素となりました。
通い始めた頃ならば、九時を過ぎれば次第に落ち着いてきたものです。ところが、昨年著名なTV番組でこの店が紹介されて以来、早い時間は予約満席、九時を過ぎてもなかなか空かないという盛況ぶりが常態化してしまいました。前回も席の確保ができないまま九時過ぎに乗り込んだところ、先客の方々に詰めてもらってどうにか座れるという結果でした。ましてや今回は月末の金曜、前回以上に混み合うことも覚悟しなければなりません。そこで、旭川に着く時刻がほぼ読めた時点になって電話を入れたものの、依然として満席であり、空くかどうかは確答しかねるとの返答が。その結果、今回も入れるかどうかが未確定のまま、店へ乗り込む結果となりました。
前回は店先に着いた時点で先客が出てくるところに重なりましたが、本日は通りを行き交う人影もなく、遠目に見ると静まりかえっています。しかし店へ近付くにつれて、障子の向こうから先客たちの歓声が聞こえ、かなりの盛況なのが容易に想像できました。そのまま暖簾をくぐると、カウンターは手前も奥も隙間なく埋まっており、それどころか小上がりまでが埋まっています。これでは詰めてもらうことも難しそうです。ついにやられたかと思っていたところへお姉さんが現れ、やはり満席だとのつれない言葉がorz
しかしここまで来て引き下がるわけにも行きません。空き次第連絡してもらえないかと申し出ると、またしても僥倖が起こりました。常連らしき先客が席を立ったのです。支払いもせずすぐに出ていったことからして、ツケがきくほどの常連か、支払いを既に済ませて出るところだったかのいずれかなのでしょう。こうして一つだけ出た空席に収まり、またも女将の正面の特等席という結果でした。しかし、その後さらに一つ出た空席にはすぐさま一見客が入り、手前のカウンターは最後まで満席状態でした。入るしかここしかないという瞬間に重なったのは、神懸かり的な強運といえるかもしれません。いや、自分と入れ替わりに出た先客の御仁が、こちらが席にあぶれそうなのを見て、咄嗟に機転を利かせてくれたのでしょうか。そうだとすれば感謝しなければなりません。自分があちらの立場になったとすれば、快く席を譲らなければと思った次第です。
秋の「独酌三四郎」といえば〆さんま、それに落葉おろしという印象ですが、今回はその落葉おろしが品書きにありませんでした。代わりに注文したのは青なんばんです。しかしこれが、舌がしびれてくるほどの辛さでした。以前注文したときは、さほどの辛さでもなかっただけに、今日に限って何故これほど辛いかが不思議なところではあります。よくよく聞けば、時期が後になればなるほど皮が固く、味わいもしびれるように辛くなってくるそうで、いわば谷中生姜と同じなのでしょう。今更ながら夏の終わりを実感させられる一幕です。
ちなみに、このところ決まって注文していた豆腐が、西武の閉店の影響でまもなく姿を消すという聞き捨てならない話が。「籠太」の塩豆腐と同様、いつの日か復活することを期待したいものですが、今回の道中で再訪しない限り、これが最後という可能性もあるわけです。今まで以上にしみじみ味わいつついただきました。ごちそうさまです。
★独酌三四郎
旭川市2条通5丁目左7号
0166-22-6751
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休
風のささやき
麒麟山三合
お通し(酢大豆)
〆さんま
友人手造りどうふ
いかやき
青なんばん
通い始めた頃ならば、九時を過ぎれば次第に落ち着いてきたものです。ところが、昨年著名なTV番組でこの店が紹介されて以来、早い時間は予約満席、九時を過ぎてもなかなか空かないという盛況ぶりが常態化してしまいました。前回も席の確保ができないまま九時過ぎに乗り込んだところ、先客の方々に詰めてもらってどうにか座れるという結果でした。ましてや今回は月末の金曜、前回以上に混み合うことも覚悟しなければなりません。そこで、旭川に着く時刻がほぼ読めた時点になって電話を入れたものの、依然として満席であり、空くかどうかは確答しかねるとの返答が。その結果、今回も入れるかどうかが未確定のまま、店へ乗り込む結果となりました。
前回は店先に着いた時点で先客が出てくるところに重なりましたが、本日は通りを行き交う人影もなく、遠目に見ると静まりかえっています。しかし店へ近付くにつれて、障子の向こうから先客たちの歓声が聞こえ、かなりの盛況なのが容易に想像できました。そのまま暖簾をくぐると、カウンターは手前も奥も隙間なく埋まっており、それどころか小上がりまでが埋まっています。これでは詰めてもらうことも難しそうです。ついにやられたかと思っていたところへお姉さんが現れ、やはり満席だとのつれない言葉がorz
しかしここまで来て引き下がるわけにも行きません。空き次第連絡してもらえないかと申し出ると、またしても僥倖が起こりました。常連らしき先客が席を立ったのです。支払いもせずすぐに出ていったことからして、ツケがきくほどの常連か、支払いを既に済ませて出るところだったかのいずれかなのでしょう。こうして一つだけ出た空席に収まり、またも女将の正面の特等席という結果でした。しかし、その後さらに一つ出た空席にはすぐさま一見客が入り、手前のカウンターは最後まで満席状態でした。入るしかここしかないという瞬間に重なったのは、神懸かり的な強運といえるかもしれません。いや、自分と入れ替わりに出た先客の御仁が、こちらが席にあぶれそうなのを見て、咄嗟に機転を利かせてくれたのでしょうか。そうだとすれば感謝しなければなりません。自分があちらの立場になったとすれば、快く席を譲らなければと思った次第です。
秋の「独酌三四郎」といえば〆さんま、それに落葉おろしという印象ですが、今回はその落葉おろしが品書きにありませんでした。代わりに注文したのは青なんばんです。しかしこれが、舌がしびれてくるほどの辛さでした。以前注文したときは、さほどの辛さでもなかっただけに、今日に限って何故これほど辛いかが不思議なところではあります。よくよく聞けば、時期が後になればなるほど皮が固く、味わいもしびれるように辛くなってくるそうで、いわば谷中生姜と同じなのでしょう。今更ながら夏の終わりを実感させられる一幕です。
ちなみに、このところ決まって注文していた豆腐が、西武の閉店の影響でまもなく姿を消すという聞き捨てならない話が。「籠太」の塩豆腐と同様、いつの日か復活することを期待したいものですが、今回の道中で再訪しない限り、これが最後という可能性もあるわけです。今まで以上にしみじみ味わいつついただきました。ごちそうさまです。
★独酌三四郎
旭川市2条通5丁目左7号
0166-22-6751
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休
風のささやき
麒麟山三合
お通し(酢大豆)
〆さんま
友人手造りどうふ
いかやき
青なんばん