日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

豊穣の越後を行く 続編 - 魚仙

2016-09-03 20:58:25 | 居酒屋
日没まで列車を撮り、投宿して一風呂浴びて「魚仙」に入るのが九時前という展開は、先週末と全く同じになりました。店先にある踏切が鳴っているのも同様です。115系の回送列車が引き上げた後、踏切が続けざまに鳴り、新車が二本続けて通過するのはそのときの経験から分かっています。回送列車だけ見送ってから暖簾をくぐりました。
まず刺身、次いで油揚げを頼むという流れが確立して久しくなります。しかし、二週連続ならば手順を変えるにやぶさかではありません。今回は油揚げを見送って他の品を選ぼうと決めていました。そのような手の内を見透かしたか、二品目を何にするかを思案していると、計ったような間合いで店主から本日のおすすめの案内が。その中からカレイの煮付けを選ぶと、驚いたことに二尾が乗った大きな皿が運ばれてきました。こうしてお通し、刺身とカレイの三品ですっかり満腹となり、どう欲張っても最後に酒肴を一品追加するのが精一杯という結果です。以前ぶりかまを頼んだときも、一人ではもてあます巨大なものが出てきたことがあります。一人客には少な目にしてくれる店もある中、そのような配慮はかえって野暮というのがこの店の考えなのでしょうか。
もちろん、一人客に対する配慮を欠いているというわけではありません。支払いを済ませて席を立とうとすると、賄いの味噌汁のお裾分けが。冬瓜と茄子を使った、夏の名残を感じさせる心憎い取り合わせです。ありがたく頂戴して辞去しました。

魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2230PM(LO)
日曜定休

謙信・さんずい・雪鶴
お通し(エノキダケ)
お刺身おまかせ盛り合わせ
かれい煮付け
なんばん煮付け
味噌汁
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豊穣の越後を行く 続編 - ホテルニューグリーンプラザ

2016-09-03 20:34:50 | 甲信越
長岡の定宿、ホテルニューグリーンプラザに投宿し、一風呂浴びてさっぱりしたところです。シャツが塩を噴くほど汗をかき続けたため、風呂のありがたみも格別のものがあります。
先週末、二転三転する天気予報に振り回され、押さえておいた長岡市内の宿を、一旦解約してしまったと申しました。その宿とはもちろんここです。その前の週にも同じようなことがあったため、二週続けてキャンセル期限ぎりぎりでの解約だったことになります。キャンセルが出てもすぐ埋まる状況だっただけに、必ずしも迷惑をかけたというわけではないものの、心苦しい面は当然ありました。三度目の正直でようやく泊まれたのは幸いです。

客観的に見れば可もなく不可もないビジネスホテルであって、少なくとも泊まるのが楽しみになるほどの宿ではありません。しかし駅と呑み屋に近くて低料金、なおかつ適度に古びているところも自分には合っています。
115系が引退し、上越新幹線で直行直帰する以外の選択肢が事実上失われれば、新潟へ列車で行く理由はもうありません。あり得るとすれば、車で一日かけてたどり着き、長岡に宿をとって「魚仙」で呑むという形だけではないでしょうか。そのときはもちろんこの宿の世話になるつもりです。
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豊穣の越後を行く 続編 - 糸合シ由

2016-09-03 19:51:15 | 甲信越
給油を済ませてから長岡へ戻ります。出発からの走行距離は400kmに迫りました。ほぼ最短経路で進んだ前回に対し、米山に寄ったことで70kmほど距離が延びるという結果です。
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豊穣の越後を行く 続編 - 上弦の月

2016-09-03 19:14:40 | 甲信越
柏崎から長岡まで北陸道に再び乗り、先週見送った北長岡の田圃で昼過ぎの列車を撮影。その後性懲りもなく東光寺に移動し、六時前の列車を撮ったところで切り上げました。弥彦山を望む堤で夕景を眺めるという展開は、今日も全く同様です。残照が弱まるにつれて、西の空に針のような上弦の月が姿を現し、夕日の後を追って沈もうとしています。

列車が走り去った後、すぐに車を走らせ堤にやってきたにもかかわらず、夕日はそれを待たずに沈みました。しかし先週末は、ここで夕日が沈む瞬間を見届けたわけです。要はそれだけ日が短くなったということであり、釣瓶落としの諺通りになってきました。
何もかもが秋だった先週の日曜と違い、今日は夏の名残を感じさせる気候でした。一時36度にまで達した気温もさることながら、蒸し暑さが先週末とは全く違い、かなりの汗をかきました。とはいえ気温は既に28度となっており、蝉の声は途絶えて田圃から秋の虫の声が聞こえてきます。

稲刈りは思ったほどには進んでおらず、刈られた田圃はおよそ一割、二割といったところでしょうか。それよりも明らかな変化は、穂並みが次第に乱れてきたことです。先週末会心の一枚を演出してくれた東光寺の田圃でも、倒れた稲が波を打っており、写真映りの点では一歩譲る感がありました。波を打つかのような穂並みに西日が射し、陰影ができるところもそれはそれで絵になっており、先週末と全く同じものを撮るよりは、この方がよかったのだろうとは思います。ただし、稲穂が最も絵になる時期は過ぎ去り、これからは稲刈りの最盛期に移っていきそうな気配です。
撮影に関してはそろそろ潮時という情勢に至り、明日どのように動くかを熟考する必要が出てきました。暑さはともかく好天にも恵まれ、撮るべきものは一応撮ったという実感はあります。実際には若干の取りこぼしがあったものの、後悔するほどの失策ではありません。こうなると重要なのは、下手に数を稼ぐよりも、いかにして有終の美を飾るかです。
かような観点から、明日は性懲りもなく東光寺周辺を主戦場にするという考えが浮上しています。先週末から数えて既に三度も来たわけであり、明日再訪しても同じものを撮ることになるだけです。しかし、これが115系を撮る事実上最後の機会ということになると、初見の場所より慣れた場所で終わりたいという心理が働いてきます。加えて周囲の雰囲気もよいのです。かつての信号場という来歴から、周囲に幹線道路が通っておらず、広々として長閑な田圃の眺めが保たれているのがよく、一直線の線路を列車が走り去っていくという余韻の美しさもあります。しかも、少し走れば弥彦山を見渡せる堤があって、撮影を終えた後は印象的な夕景で締めくくれるというおまけつきです。
このように、よい撮影地というのはただ撮って絵になるだけではなく、その場の雰囲気自体が秀逸であることが多いものです。たとえば米山の場合、撮った列車がすぐさま眼下のトンネルに飛び込むため、余韻の点では今一つですが、その代わり視界のはるか彼方から列車が迫ってくるという、何物にも代え難い高揚感があります。逆に、絵柄はともかく雰囲気については今一つなのが鯨波です。列車がトンネルから突如飛び出したかと思えば、次の瞬間には目の前を通過し一気に走り去るため、列車が迫る高揚感もなければ遠ざかる余韻もなく、さらには国道をひっきりなしに車が行き来するため落ち着きません。ここだけは長時間滞在したいと思うような場所ではなく、通過の直前に乗り込んで、撮ったらすぐさま撤収して立ち去りたくなってきます。このような雰囲気の良し悪しまで含めて考えると、有終の美を飾る上では馬鹿の一つ覚えに徹するのも一案かと考えている次第です。

長々と語るうちに月が沈んでしまいました。代わって天頂に星が出ています。秋の虫の合唱にしばし耳を傾け、下りの貨物列車を見送ってから長岡へ戻るつもりです。
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豊穣の越後を行く 続編 - そばよし

2016-09-03 12:34:04 | B級グルメ
「しらゆき」を撮ったところで切り上げ柏崎に移動してきました。昼時になったところで駅前には「そばよし」があるという渡りに船の状況です。あいにく最も混み合う正午に重なったものの、回転が非常によいのは前回の経験から分かっています。少なくとも長蛇の列にはならず、駐車場に入れるかが唯一の問題と予想しました。その予想は的中し、店先には五人ほどの待ち客がいるだけで、駐車場も運よく一区画だけ空いています。行列嫌いの自分でも、この程度ならどうにか耐えうる範囲です。車を止めて列につき、10分ほどの待ち時間を経て入店と相成りました。
115系が引退すれば、柏崎に立ち寄る機会も激減するでしょう。先客が注文したてんこ盛りの炒飯も捨てがたいところ、次がいつになるかも分からない状況に鑑み、定番中の定番であるチャーシューメンを選択。着席してから注文したにもかかわらず、五分と待たずに丼が運ばれてきたのは、機能的な厨房で立ち回る不動の六人組の職人芸といったところでしょうか。今回も盤石の安定感でした。

そばよし
柏崎市駅前2-1-70
0257-23-9337
1100AM-2000PM
火曜及び元日休業
チャーシューメン780円
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豊穣の越後を行く 続編 - 前言撤回

2016-09-03 10:58:44 | 甲信越
前言撤回です。往生際の悪さを見事に発揮し、後続の「越乃ShuKura」と「しらゆき」も撮ることにしました。いや、これらの列車自体に特段興味はないのですが、二本撮ってから柏崎方面へ向かうと、鯨波で上りの貨物列車と「しらゆき」の時刻に噛み合うということに気付いたのです。「しらゆき」の通過後は即出発しなければならず、名残を惜しむ間がないのは残念ですが、むしろ滞在時間がわずかとはいえ延びることを喜びたいと思います。
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豊穣の越後を行く 続編 - 別れの時

2016-09-03 10:24:24 | 甲信越
普通列車を撮ったところで切り上げます。二十年来通い続けた名撮影地との別れの時がやってきました。二時間強滞在したものの同業者の姿はなく、片手で数えるほどの見物客が立ち寄っただけでした。秋晴れの空の下、心置きなく最後の撮影を終えられたのは幸いです。
奇跡的にも、下りの新井快速と普通列車各二本、さらには上りの普通列車二本のいずれもが115系でした。しかし、後続列車は3両から2両に切り詰められた新車と分かっています。名残は尽きないものの、興ざめする前に撤退するのが賢明でしょう。
愛着のある場所だけに、今後も何だかんだで来てしまう可能性はあろうかと思います。わずか一本、二本の貨物列車だけが実質的な撮影対象という有様では、北陸のキャンプ場と同様もはや形骸でしかありませんが、たまにはここに足を運び、古きよき時代を懐かしむのも一驚かと考えている次第です。またいつの日にか…
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豊穣の越後を行く 続編 - 米山再訪

2016-09-03 09:47:37 | 甲信越
おはようございます。高速道路の利用を最小限にとどめる習慣が定着し、前回も湯沢から一般道を延々走りましたが、今日は関越道を一気に飛ばしてきました。四千円以上もの料金を注ぎ込んだのは、何をおいても真っ先に訪ねたい場所があったからに他なりません。毎度おなじみ米山のお立ち台です。
ここまでの顛末を申しますと、まず四時前に出て関越道を小千谷まで走り、そこから291号線を経由して柏崎へ向かいました。予想以上の順調な走りのおかげで、七時半に通過する下りの新井快速も狙えそうな情勢となったため、柏崎から米山まで一区間だけ北陸道に乗り、青海川でこれを撮ってから米山に移動して、「しらゆき」、普通列車、糸魚川快速、貨物列車、二本目の新井快速の順で計五本を撮影。只今十時過ぎの普通列車を待っています。あと5分早ければ最初から米山で撮れたという惜しい結果ではありましたが、出発した時点では現地に着くのが早くとも九時前という想定でした。それが一時間以上の早着となり、115系の列車を二本余計に撮れただけでも上出来でしょう。

太平洋側が悪天候、日本海側が好天という逆転現象は先週末と同様で、関越トンネルを抜けた途端に雲一つない青空が広がりました。その青空は海沿いでも変わりません。ただし、この青空に加えて彼方に雪山が見えたことも過去にはあります。好天には違いないものの、最高の天気というわけではありません。通過する列車も過去に撮影したものばかりです。
それにもかかわらず戻ってきたのは、二十年来通い続けたこのお立ち台がいよいよ有名無実化しようとしているからです。「北越」と「くびき野」は既になく、残った115系も新車に置き換えられようとしています。眼下に日本海が広がる中、海岸線の彼方から迫ってくる前照灯で列車の接近を察知し、さあ来いと待ち構えるのがこの撮影地の醍醐味です。その前照灯が安物と一目で分かるLEDに変わってしまっては、興ざめ必至というものでしょう。「しらゆき」と「越乃ShuKura」があるにはあるものの、わざわざ撮りに来たいと思うほどの列車ではありません。結局のところ、115系なき後、撮影の対象になりうるのは朝昼各一本の貨物列車がせいぜいです。残念ながら、これでははるばる足を運ぶ価値がなくなります。そうなる前に、もう一度だけここで列車を撮っておきたかった次第です。

ちなみに現在の気温は25度、しかし湿度が高いのか、気温の割にかなりの汗をかいています。昨日の都内もそうでしたが、やや夏寄りの気候に戻ったのでしょうか。予想最高気温も考えると、今日は少々難儀するかもしれません。とはいえ、北陸にいた頃を思えばどうにか耐えうる暑さです。
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