日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

関東一円はしご酒 2016秋 - 遠州屋本店高尾

2016-09-17 20:20:04 | 居酒屋
東京駅まで新幹線に乗り通しました。普段なら中央線に乗り換えて帰るところです。まっすぐ帰るのはさすがに惜しいとしても、神田で一杯やれば経路的には無駄がありません。しかるに上野へ引き返し、さらには常磐線に乗り換えました。
上野で降りればよいものをそうしなかったのは、終点まで乗り通したかったという単純な理由からです。そこからわざわざ引き返したのは、本日の活動が仙台の穴埋めという趣旨を有する以上、神田ではあまりに近すぎ面白くなかったからに他なりません。ただし出発した時点では、代わりにどこへ行くかと考えても、ズバリこれだと納得できる候補が思い浮かばず、一時は神田に傾きました。それが鉄道博物館を出る頃になって、ここしかないといえる店を咄嗟に思いつき、その時点で腹は決まった次第です。
ところが、空振り続きの展開に今なお歯止めが効きません。南千住で常磐線を降り、目指す「丸千葉」の暖簾をくぐったところ、満席で振られるというまさかの誤算が。人気店とはいえ回転は速く、一人なら席を詰めるなどして入れてもらえることもあったと記憶しています。それだけに、満席という予想外の事態には面食らいました。看板が九時であることを考えると、後でもう一度のぞいてみるという選択も許されません。これにより、わざわざここまで来た唯一にして最大の目的を果たせないのが確定的となりました。

こうなるに及んでまず考えたのは、すぐ近くにあるバス停から浅草へ向かうというものでした。目当ては長らく無沙汰している「○吉八」です。ところがまたも電話がつながりません。そのようにして何度も振られ続け、どうやら日曜は休みらしいと分かってはいたものの、土曜までも休みということになると、いつ開いているかが不思議になってきます。ともかくこれで浅草もなくなりました。
次に考えたのは、北千住まで足を延ばし、教祖も推す老舗の大衆酒場を訪ねるというものでしたが、今度は定休日の第三土曜に重なる始末。悪手と不運の連続により、いよいよ打つ手がなくなりましたorz
さらによろしくなかったのは天候です。昼からとにかく蒸し暑く、駅からここまで歩いてくるだけでも大汗をかきました。もう一歩も歩きたくはなく、しいていうならバスでそのまま浅草へ行きたい気分です。とはいえ浅草では今一つ新鮮味に欠けます。そのような状況において、バス停のすぐそばには渡りに船の名酒場がありました。度重なる迷走の末たどり着いたのは「遠州屋本店高尾」です。

すぐそばにあるこの店を差し置いて浅草、北千住が代替案として浮上してきたのは、元々予定していた「丸千葉」との落差が大きいという理由によります。いや落差といってはあまりに語弊があるでしょうか。大衆的な価格と雰囲気はどちらも同様ながら、酒云々よりたらふく食わせるのを本領とする「丸千葉」に対し、こちらの店構えは上品で、遠目には呑み屋というよりそば屋のようにも見えます。浅草でたとえるならば、「丸千葉」がホッピー通りに居並ぶ酒場のような存在なのに対して、こちらはさしずめ「志婦や」のような老舗の趣です。前者を求めて乗り込んだ以上、代わりの店も同じ路線の大衆酒場、さもなければ気心の知れた店にしたかったというのが真相です。
このように、店自体が劣っているというわけではありません。端正な白い暖簾をくぐると扉の中にもう一つの暖簾が斜めに架かり、その向こうに店内が広がるという演出が心憎く、飴色に光る一枚板のカウンターに向かえば、頭上には短冊の品書きが並び、さらに上には立派な扁額が掲げられていて、整頓が行き届いた窓付きの食器棚など、中の造りも気持ちのよいものがあります。厨房に若主人と助手二人が立ち、客席を大女将が仕切るという家庭的な雰囲気も秀逸です。
肴の物量感は「丸千葉」に一歩譲るものの、その代わりこちらには若主人が選び抜いた各地の地酒があります。日替わりの黒板と頭上の短冊から一品二品選んで酒をちびちびやるにはお誂え向きで、一人静かに呑めるという点では界隈でも貴重な存在です。二軒目向きなのは事実であり、「丸千葉」からこちらへ移ることができれば文句なしではありましたが、頼みの綱に振られた今回、せめてもの穴埋めができたのは幸いです。

遠州屋本店 高尾
東京都台東区清川1-35-5
03-3871-4355
1700PM-2300PM(LO)
水曜定休

繁桝
お通し(枝豆)
かつお
わかさぎ天ぷら
ジャンル:
お酒・お茶
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