MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『溝猫長屋 祠之怪』(どぶねこながや ほこらのかい)

2017年02月20日 | BOOKS
『溝猫長屋 祠之怪』(ドブネコナガヤ ホコラノカイ)
著:輪渡颯介(ワタリ ソウスケ)
出版:講談社


 『古道具屋 皆塵堂』シリーズの輪渡颯介氏の新しい物語です。
 ちょっと恐くて、でも人情が温かくて、おかしくて。
 そして、今回は子どもたちが主人公。表紙も子どもたちと猫。可愛いですよね。

 猫がたくさんいる長屋「溝猫長屋」。
 (これ、「どぶねこながや」なんですが、「みぞねこながや」って読んじゃいません?)
 長屋に住む一番年長の男の子たち4人が、長屋にある「お多恵ちゃんの祠」を毎朝お参りすることになったのですが……。

 忠次と、お調子者の銀太、優等生の新七、子だくさん家庭で弟妹の面倒を見ている留吉。
 祠へお参りした日から、順番に幽霊を「嗅ぐ」「聞く」「見る」ことができるようになります。

 子どもたちの住む長屋にまつわる悲しい出来事の謎が、1つ1つの章を重ねるごとに結びついて、最後にはまとめて「始末」がつく……。
 恐さの中に悲しみがあり、悲しみの中にも謎の解かれる爽快さがある、そんな「謎解き怪談」です。

 子どもたちを見守る大人たちも個性的。
 子どもが大事すぎて口うるさい長屋の大家、吉兵衛。
 元悪ガキ、岡っ引きの弥之助。
 手習い所のお師匠さん、古宮蓮十郎。
 いろいろな事情をのみこんで行きていく大人の世界と、無垢な子どもの世界の両方が描かれているからこその面白さかもしれません。

 この子たちの物語の続きが読みたくなります。
 シリーズ化するかしら?期待して待ちたいと思います。
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