MOONIE'S TEA ROOM

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晩柑ピールと晩柑マーマレード(レシピ)

2017年04月22日 | 料理&美味しいもの
 「天草晩柑(あまくさばんかん)で、ピールの砂糖漬けとマーマレードを作りました。
 「天草晩柑」は「河内晩柑(かわちばんかん)」の別名で、熊本県の天草で作られています。
ちなみに、熊本の地名「河内町(かわちまち)」で見つかったので「河内晩柑」なんですって、畿内の河内国(かわちのくに)じゃないんですね。
 「晩柑」という名前の通り、ほかの柑橘類よりも出荷時期が遅く、初夏まで楽しめる爽やかな果汁たっぷりの果物です。
 愛媛県の「愛南ゴールド」も同じ「河内晩柑」だそう。「美生柑(みしょうかん)」「夏文旦」「宇和ゴールド」「ジューシーオレンジ」ともいうそうですよ。

 今回使ったのは、天草ジューシー出荷組合の「天草晩柑」。
 生協の売り場に「マーマレードにもどうぞ!」というポップがあったので、喜んで買ってきました。
 もちろん、そのまま食べても美味しい!そして、こんなにたっぷり皮が使えるのも嬉しい!
 「わけあり」と書いてあるけど、ちょっと皮に点々があるぐらい。このほうが自然です。

柑橘類を含め農作物は、収穫後「防カビ剤」など化学物質を使用している場合、ちゃんと売り場や包装に「食品添加物」として表示しているということです。それでも気になる方は、塩でこすってからお湯で洗ったり、重曹を使って洗うと化学物質も落ちるようですよ。
(原則、日本では収穫後の作物にポストハーベスト農薬を使用することは禁止されているそうです

 今回は天草晩柑4個(1.3kg)を使って、ピールとマーマレードの両方を作っています。
 このレシピのポイントは「土鍋」。土鍋でやさしくコトコト煮て、じっくり冷ますことで、ふっくらしたピールができます。


晩柑ピールの砂糖漬け(レシピ)
<材料>   (出来上がり量:約100本・約460g)
・河内晩柑(天草晩柑)の皮 410g
・砂糖 320g 
(※砂糖は、皮の重さの80%〜100%)
・白ワイン 100cc〜200cc
・グラニュー糖 85g

<作り方の流れ>
 1日目:皮をむいて、3回茹でこぼし、水に漬ける。
 2日目:煮て冷ます作業を「朝・昼・夕方・寝る前」の4回。
 3日目:煮て冷ます作業を「朝」1回。
     昼から煮詰めて乾燥+マーマレード作り
     夜、グラニュー糖で仕上げ

<作り方>
〔1日目〕
(1)皮を剥く
 まず、上下の皮を横に(実を傷つけない程度の厚みで)切り落として、側面を4等分するように、薄皮に届くくらいの深さで、縦に4本切れ目を入れます。
 その後、切り落とした上の部分に写真のようにぐるっと円を書くように包丁で切れ目を入れると、側面の皮は手で剥くことができます。
     
(2)皮と実の重さを計る
 初めに切り落とした上下の皮は全部マーマレードに使いますが、お好みで側面部分の皮も追加して下さい。「ピール用」「マーマレード用」に分けたら、それぞれ重さを計ります。
 重さを計ったら、ピールの砂糖漬けに使う部分は、8〜10mmくらいの細さの棒状に切ります。マーマレード用の皮も、3センチ角ぐらいに切っておきます。
 マーマレードで使う果実部分は冷蔵庫に(または薄皮を剥いて冷凍庫に)入れておきます。
 ※果実(+果汁)も薄皮を剥いたところで重さを計ります。
(3)茹でこぼす
 全部の皮を(ピール用もマーマレード用も一緒に)両手鍋に入れて、水をたっぷり注ぎ、火にかけて、沸騰したら、弱火で1〜2分茹でます。
 (※苦味が苦手な方は、茹でる時間を5〜10分と長めにしてみてください)
 皮をザルにあげて水気を切り、水を換えて、「沸騰させて、弱火で茹でて、水を換える」をあと2回(合計3回)繰り返します。
   
(4)水に漬ける
 3回茹でこぼしたピールを、水に一晩つけておきます。 その間も、皮の柔らかい部分を崩さないように気をつけながら、3〜4回水を換えて、苦みを抜いていきます。
   
 マーマレード用の皮は2ミリほどの薄さにスライスしてから、一晩水に漬けておきます。(スライスしたほうが、早く苦みが抜けるような気がします)
 こちらも、3〜4回水を換えると、適度に苦みがなくなります。あんまり水に浸けておくと、せっかくの香りもなくなってしまいそうに思えますが、大丈夫。煮ると、香りが出てきます。
   
 ピールを漬けた水は、黄色くなります。できれば、3〜4回は換えましょう。
   
〔2日目〕
(5)煮る準備
 一晩水にさらし、ザルで水気を切ったピールを土鍋に入れます。そこへ白ワイン(100〜200cc)を入れてから、皮全体にかぶるくらいの水を足します。
   
 砂糖を分量の5分の1入れたら、オーブンペーパーで落としぶたをします。
※この落としぶたは、最後(3日目)煮詰めるまで使います。 砂糖を追加するときは、端を持ち上げて入れます。
   
 マーマレード用のピールは、水気を切ってタッパーに入れて冷蔵庫に入れておきます。
(6)煮る
 落としぶたをした土鍋を火にかけて、煮立つまでは中火で加熱します。
   
 煮立ったら弱火にして、土鍋に蓋をし5分加熱します。
   
(7)保温しながら冷ます
 5分加熱した土鍋を、バスタオルの上に広げた新聞紙(朝刊1日分・約6枚)の上に置いて包みます。
 新聞は、2枚ずつ角度をずらして敷いておくと上手に包めます。
   
 さらに、新聞紙の下に敷いておいたバスタオル(厚手のもの)に包みます。
   
 くるっと、包み込んで3〜4時間。じっくり冷ますことで、砂糖をピールの中にじわじわ染み込ませます。
   
(8)再び煮る
 保温しながら冷ましたピールに、再び砂糖を加えて煮ていきます。落としぶたを持ち上げて、砂糖を入れます。
   
 「砂糖を入れる > 煮立てる > 蓋をして弱火で5分煮る > 保温しながら冷ます」を合計5回繰り返します。
       
※合計5回、つまり2日目に4回煮て冷まし、一晩置いて、3日目にもう1回煮て冷まします。
〔3日目〕
(9)煮詰める
 朝に5回目の「煮る > 保温して冷ます」をしたピールです。
   
 白かった部分が透き通って綺麗になりました。これを、煮詰めていきます。
 落としぶたをしたまま、煮詰めていきます。(土鍋のふたは外します)
 鍋のそばを離れず、こまめに落としぶたを持ち上げて煮汁の量や様子を見ます。
 ときどき土鍋を揺すったり、ゴムベラで鍋底をこすったり、焦げないように注意してください。
 
煮汁が鍋底に少し残るぐらいで火を止めます。 (土鍋は火を止めてもしばらく加熱が進むので注意)
 煮詰めたピールは、もうこのまま食べても美味しいです。
※煮汁はマーマレード作りに使うので、このまま鍋に残しておきます。
 
(10)オーブン乾燥
 煮詰めたピールを、菜箸やゴムベラを使って、丁寧にオーブンシートを敷いた天板(オーブン皿)にのせていきます。
黄色い皮の面が下になるように置くと、乾燥の後に剥がすのが簡単です。
   
 オーブンは「予熱なし・100度・60分」で。30分を過ぎたら、ときどき乾燥具合を見てください。
加熱ムラのあるオーブンの場合、途中で数回、天板の向きや上段下段を入れ替えるといいですね。
 オーブン加熱終了後も冷めるまでオーブン内においておきます。
 余熱で乾燥が進みますし、オーブン庫内だとホコリもつきません。
   
 今回は100本以上あったので、2段になりました。
   
 オーブン加熱終了後、オーブン庫内に3時間ほど置いておきました。だいぶ乾いて、オレンジが濃くなりました。
   
 「乾燥前」と「乾燥後」を食べ比べると、「乾燥後」のほうが甘みが凝縮されているみたいです。そして、水分量も減って、適度な固さになるので保存するにもちょうどよくなります。
 乾燥後もまだしっとりしすぎていたり、ベタベタしすぎるときは、乾燥時間を追加して下さい。
(追記2020.04.19.:今年は、白い部分の厚みがあるピールだったで、乾くまでにオーブン加熱100分かかりました。厚みがあって美味しいです!)
(11)グラニュー糖まぶし
 乾燥させたピールにグラニュー糖をまぶします。
 ピールが入る大きさの容器にグラニュー糖を入れて、ピールを数本入れ、菜箸でころがすように、全体にグラニュー糖をまぶします。スプーンでグラニュー糖をかけてもいいです。
(追記2020.04.19.:先にグラニュー糖を入れた袋に、ピールを入れて 下からポンポンと 軽くたたいて まぶすと簡単です
 全体に綺麗にグラニュー糖がついたら、密閉できる保存容器や保存袋に入れて、乾燥剤があれば一緒に入れておきましょう。
    
(12)完成
 自家製 晩柑ピールの砂糖漬けの完成です。 市販のオレンジピールよりも香りがよくて、肉厚で美味しいピールができました。
   
冷凍しておいた皮でもピールの砂糖漬け作りができるそうです。 実を食べる度に皮だけ冷凍して貯めておいて、作りやすい量になったらピール作りをしてもいいですね。

晩柑マーマレード(レシピ)
<材料>   (出来上がり量:約600g)
・河内晩柑(天草晩柑)の皮 310g
・薄皮を剥いた実 460g(3個分)
・ピールの煮汁
・砂糖 200g
(※マーマレードの場合「皮と実を合わせた重さの50%の砂糖」が基本。
  今回は「310g+460g=770g」「770g/2=385g」ですが、ピールを煮た汁を使ったので、だいぶ減らしています。
  煮汁を使うときは、煮汁の量や甘さで加減してください)

<作り方>
〔1日目〕
(1)皮の下準備
 ピールのレシピの(4)までを参考に、茹でこぼしてスライスした皮を、水に一晩さらして苦みを抜いていきます。
 3〜4回水を換えると、ほどよく苦みが抜けます。

 実は時間のあるときに剥いて、重さを計ります。
 マーマーレードを作るのは3日目なので、1日目に薄皮を剥いたら冷凍庫へ。
 薄皮を剥く前だったら、ラップに包んだり保存容器に入れて冷蔵庫でOKです。
(追記2020.04.19.:とっても果汁がたっぷりジューシーなので、皮を剥くときは、タッパーやボウルの上で。果汁も使います!)
〔2日目〕
(2)水気を切る
一晩水にさらしておいたマーマレード用の皮は、水気を切って容器に入れ冷蔵庫に入れておきます。
   
〔3日目〕
(3)煮る
 ピールを煮詰めたときに鍋底に残った煮汁です。これをマーマレード作りに使います。
   
 薄皮を剥いて冷凍しておいた実を解凍したものと、冷蔵庫に入れておいた皮を、土鍋に残った煮汁に入れます。全体が浸かるぐらい水を足して、砂糖を加えます。
   
 皮を柔らかくするために、「煮立ったら弱火にして5分加熱 > 新聞紙バスタオルで保温しながら冷ます」を1回。
     
  そのあと、蓋を取って煮詰めていきます。
(4)煮詰める
 ペクチンが豊富なマーマレードは冷めると思った以上に固くなるので、とろみがつきすぎないうちに火を止めます。
   
(5)完成
 綺麗なオレンジ色の晩柑マーマレードの完成です。
 
 温かいうちにバニラアイスにのせて食べたら、家族にも大好評でした。

<おまけ>
   
 お友だちにいただいた愛媛県産レモンで作ったレモンピールと、今回作った天草晩柑ピール。晩柑ピールのほうがオレンジ色で、果肉が厚め。厚みのせいか、晩柑ピールのほうがしっとり柔らかいです。
 これで、今年の冬のシュトレンは、国産ミックスピールで作れます。
   
 右側がレモンピール。 左側のオレンジが濃いほうが晩柑ピール。
 私は晩柑ピール、娘はレモンピールがお気に入り。
 ブラックチョコをレンジで溶かして、手作りオレンジピールチョコレートにするのもいいですね。
 シュトレンを作る前に食べきってしまわないか心配です……。

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