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[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

「宮城野」舞台挨拶@新京極映画祭10月16日(1)

2010-10-17 | 映画「宮城野」
このページでは映画「宮城野」ディレクターズカット版を応援しています。

ディレクターズカット版については名古屋でプチ完結した私でし
たが、関西初上映。しかももれなく山崎監督の舞台挨拶付き!
とくれば、これは見逃したらアカンやろ~と。
新京極映画祭の会場、シネラリーベIIは間口は小さいが中は意外と
大きいという、いわば京都の町家みたいな(笑)映画館!
ラベンダー色の壁が可愛らしい、小さすぎない規模の劇場でした。
94席の座席は9割ぐらい埋まってたのでしょうか。立ち見にはなり
ませんでした。

今回は上映前に山崎監督のお出迎えあり!
という直前情報を得ており、受付の法被姿の人たちに混じって、
ひとり和服の男性をめっけ。
むむ。とっても素敵な方やないのぉ~♪

映画のほうはまた新たな発見があり、見飽きない、奥行きの深い
作品だなあと感心。愛之助さん矢太郎のあんな表情、こんな仕草
なども4カ月ぶりに見られました♪







舞台挨拶について

上映終了後、山崎監督による舞台挨拶がありました。
後方の扉から前まで歩いて行かれる間じゅう、客席から拍手が~。
監督のお顔をあらためて拝見して、若っ!(驚)
ほのかな色気の混じった笑顔といい、その柔らかな物腰といい、
出演している役者さんかと思うほどでした(笑)。
監督のファンになった、という声がロビーでも聞こえましたし。

司会をされた男性はシネラリーベの支配人でしょうか?
(山崎監督の「筆遊」10月15日・16日によれば、映画祭の総合
プロデューサーの井上恭宏さん、とのことです。10/20追記)

監督とは同じ学科、同じサークルの先輩に当たる方だそうですが、
出会いは愛之助さんの楽屋だったとか。
(お二人とも愛之助さんと直接つながりがあったのですね!)
井上さんの進行で、16日は先に質問受付から。
5~6人が挙手。その質問に答えつつ、撮影中のエピソードも
まじえて話してくださったという感じです。
例によって、手元のメモを見ながら。
(かなりいっぱい書きなぐってます! ほとんど判読不能やん。
ゆっくり思い出してみるね~。)


<山崎監督への質問編>
●お若く見えますが?
いま36歳で、この映画を撮った時は33歳でした。

●背景が絵のようで面白いなと思ったのですが。
諸事情がありますが、江戸の街を作ると大変なことになるので、
美術監督の池谷さんと相談して、立版古(たてばんこ)と呼ば
れる方法にしました。今でいうペーパークラフトのようなもので、
作り込むのではなく徹底して省略するやり方です。
あの竹林も実は10本位しかないんです。作るほうは頭の中でイ
メージできるんですが、愛之助さんにも、大丈夫?と(笑)。
大丈夫、生い茂っている感じでやってください、と言いました。
(※竹林に見えました!)

●矢太郎は左利きですが、それにこだわった理由は?
愛之助さんは歌舞伎役者なので、手元のアップは吹き替えです。
それをお願いした浮世絵師の方がたまたま左利きだったんです。
撮影に入る半年位前に愛之助さんに伝えると、練習しときます、
と言ってくださいました。
矢太郎が着物を投げつけるシーンがあるんですが、それを右手
でやってしまい、この人は左利きやった、と愛之助さんから撮り
直しを申し出てくれました。
(※誠にすみません。このシーン、撮り直し前の右手で投げつけ
ているように私には見えるんですけど・・・。ボソッ。)
写楽に左利き説があることは偶然です。それも最近になってから
知りました。
(※左利きのエピソードはこちらのコメント欄の来夢さんの情報
が詳しいです。だって・・・あんなこと書きにくいやん・・・。)

●スタンダード版のDVDは発売されますが、ディレクターズカット
版は? (質問された方は東京からこのために来られたそうです。)

面白いこと、挑戦的なことをやろうということで、今回は2つの
ヴァージョンになりました。原作に忠実に作ったのがスタンダー
ド版、原作をふくらませたものがディレクターズカット版。
「この話の本当の主人公は矢太郎なんだよ」と毬谷さんが話して
くださったことがあり、ディレクターズカット版のほうではもう
一人の主人公として描いています。
ディレクターズカット版についてはまだDVD化の話はありません。
ぜひ皆さんにメールとか、ツイッターとか、ブログでどんどん
話題にしていただき、広めてほしいと思います。他人に頼むよう
なんですが。(客席から笑いが!)
愛之助さんや國村さんのお膝元の関西でまず劇場公開してから、
DVD化したいという野望はあるんです。

※井上さんのお話によれば、映画ファンの人が映画館に、上映し
てほしい!と直接言ってみる方法もあるとおっしゃっていました。

●ラストにあの場面をつけ加えた経緯は?
脚本には2年かかりました。僕としてはぜひ入れたい部分だった
のですが、スタンダード版では取ってもかまわないと言いました。
これはとらえどころのない映画だと思うんです。宮城野の自己犠
牲、また芸術家の狂気、さらには写楽という歴史ミステリーとし
ても見られると思います。その歴史ミステリーを強調するために
あのラストシーンが必要だったんです。そして「宮城野」という
1枚の絵が残ったという真実。あとはフィクションです。
矢太郎が盃を投げつけた途端すべてが消えるというのは、僕の好
きな三島由紀夫の「天人五衰」へのオマージュでもあります。
ラストは評判がいいんです。市川崑監督の「おとうと」などで使わ
れている銀残しという手法を使ったりしています。

(出演者エピソード編につづく。
今から出かけちゃうのでアップは明日。ごめんなさ~い!)


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2 コメント

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右手疑惑? (あず)
2010-10-19 00:42:30
ムンパリさん、こんばんは!
ご無沙汰しております。

私も16日参戦しておりました。
まわりの人達から「何回観るんや?」って呆れられています(苦笑)
何回観ても飽きる事無く、新たな発見や疑問(課題?)が生まれたりして
やっぱり私は「宮城野」好きなんだと痛感しております。

さて、矢太郎が着物を宮城野に投げつけるシーンですが、あれは右手ですね!
確か、名古屋の山崎監督の舞台挨拶の際にも「左利き」の質問も出ており、
「その場に居た誰もが気付かずにOKを出してたけど、愛之助さんから撮り直しの
依頼があった」と仰ってましたが、結局、芝居が素晴らしかったので撮り直しせずに
そのまま採用したとか・・・
あの場面、着物を投げ付けるのをキッカケに矢太郎が豹変していく重要な芝居
だからこそ「気持ち」が前に出ていた芝居を採用した・・・
と、仰っていたと記憶してます。

DC版のDVD化・・・やっぱり実現して欲しいです!
現時点では ”その方向にない” とは仰ってましたが、
可能性ゼロという否定はなさらなかったのですから
卑屈にならずに
まずは 「大阪上映」 ですかね(にやり)
あずさま♪ (ムンパリ)
2010-10-19 01:14:12
やはりあの空間にいらっしゃったのですね!
いつも同じ屋根の下で同じ空気を吸ってるくせに、
お互いに全く知らないのが面白いですね(笑)。

> やっぱり私は「宮城野」好きなんだと痛感しております。
あはは~♪ 実は私も!
見れば見るほど毎回違う課題が出てきて、また見て確認しないと
って思ってしまうんですよね。
今回はかなり理解が進みました。
なんてゆうか、虚と実の使い方が映像的に実に巧妙ですよねー。

> 結局、芝居が素晴らしかったので撮り直しせずに
> そのまま採用したとか・・・
おおっ!それです。そういう事情があったのですか!
ありがとうございます♪ 右手疑惑、スッキリしました(笑)。
名古屋ではかなり細かい点までお話されていたようで。
それは素晴しい判断ですね。

> まずは 「大阪上映」 ですかね(にやり)
大阪上映成功の秘策はもうアレしかないでしょう。(にやり,too.)

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