菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

終わらない詩を詠おう。 『エンドレス・ポエトリー』

2018年01月24日 00時01分05秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1225回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『エンドレス・ポエトリー』

 

 

 

 

チリの鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーが、『リアリティのダンス』に続いて自身の思春期・青年時代をマジック・リアリズムのタッチで描いた自伝的ファンタジック・ドラマ。

 

監督と脚本は、アレハンドロ・ホドロフスキー。

 

 

 

物語。

故郷トコピージャから首都サンティアゴへ移住したホドロフスキー一家。
少年アレハンドロは、医者へなれという商売人の父には向かい、詩に没頭していく。
青年となったアレハンドロは、ついに父へと反抗し、家を飛び出し、詩人となるべく、芸術家姉妹の家に転がり込む。

 

 

 

出演。

アダン・ホドロフスキーが、青年のアレハンドロ。

イェレミアス・ハースコヴィッツが、若きアレハンドロ。
アレハンドロ・ホドロフスキーが、老年のアレハンドロ。

パメラ・フローレスが、サラ/ステラ。
ブロンティス・ホドロフスキーが、ハイメ。
レアンドロ・タウブが、エンリケ・リン。

 

 

 

スタッフ。

製作は、アレハンドロ・ホドロフスキー、モイセス・コジオ、アッバス・ノハステ、浅井隆。
製作総指揮は、ハビエル・ゲレロ・ヤマモト。

撮影は、クリストファー・ドイル。

 

衣装デザインは、パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー。

 

編集は、マリリーヌ・モンティウ。

音楽は、アダン・ホドロフスキー。

 

 

 


アレハンドロ・ホドロスキーが詩人として駆け抜けた思春期をマジックリアリズムで描く自伝ドラマ。
『リアリティのダンス』に続く87歳のホドロフスキーが自身を語り部に主演に息子を起用し、わびさびさえ感じるビジュアルイメージで語るチリの日々に眩暈を覚える。
映画のジャングルに分け入る起きて見る夢。
この作品、現在こそがこの映画のタイトルと呼応する。
生き物としての生き様を瞬間の詩という歩く死者が画面に焼き付けていく。
頭の蓋が開き言葉が絵の具になる色作。

  
 
 

 


 
 

 
おまけ。

原題は、『POESIA SIN FIN』。
英語題は、『ENDLESS POETRY』。

『終わらない詩』ですね。

2016年の作品。

 

 



上映時間は、128分。
製作国は、フランス/チリ/日本。
映倫は、R18+。

 

 

キャッチコピーは、「その存在は、完全な光――」。

詩のことですかね、彼女のことですかね、自分ですかね、希望ですかね?

観た人への問いかけでもある。

 

 

 

 

パンフレットが本当に素晴らしい。
インタビュー、コラム、批評、製作秘話、プロダクションノート、状況の説明、デザイン画、詩、写真に加えて、アレハンドロ・ホドロフスキーとダーレン・アロノフスキーのフスキー対談まで。
これで800円なんだもの。

 

 


5部まで構想があるそうで、3作目ではフランスに渡り、パントマイムや哲学を習ったり、映画監督時代が描かれる可能性も。すでに全部の構想があるそうです。

このスパンだと3が90歳、4が93歳、5が96歳になる。
ホドロフキーは150歳くらい生きそうだけど。で、映画の中で死ぬんじゃないだろうか。そんなおとぎ話さえあり得るように思わせる力がある。

 

 

アレハンドロ・ホドロフスキーの目指したのは行動詩であり、実際の詩はほとんど詠んでいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

劇中で、若きアレハンドロが父ハイメを許したのは、老いたアレハンドロ自身が説いたからで、そうではなかった過去を書き換えているということだそう。

サイコマジックという行動による精神治療に基づいている。

 

 

 

 

 

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