菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

言葉の癒し、許し、壊し、愛し。  『危険なメソッド』

2012年11月18日 00時00分51秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第364回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『危険なメソッド』




デビッド・クロネーンバーグの意欲作。

映像でなく、会話で心のひだへ入り込む。
そこには、現実にありふれた意識の変形、変容がある。


ユングとフロイトの実話からも生み出された物語。
ある女性患者サビーナを中心に物語は語られる。


ユングは、談話療法から心の闇へと踏み入ろうとする。
そこには、愛の闇が待ち構えていた。


マイケル・ファスベンダーと、ヴィゴ・モーテンセンの内面の表出は、狂気を表に出すキーラ・ナイトレイによって導き出されている。
そこにあるのは、理性的な狂気。
妻役のサラ・ガドンが絶妙なスパイスになっている。
ヴァンサン・カッセルのカリスマぶりもよい。



主要人物5人中4人が心理学者という恐ろしい物語でもある。


言葉で思考へと押し入っていく。主人公は登場人物であり、観客であると言える。
聞く者が主なのだ。

静謐な画面を彩る意識のやり取りの濃密さに幻惑。

たぶん私も病人なのだろう。
それは明るく理性的な狂気。


吹替版でもう一度観たい。





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