で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1243回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『デトロイト』
1967年の“デトロイト暴動”の最中に起きた衝撃の事件を描き、今なお続く銃社会の恐怖と根深い人種対立の闇を浮き彫りにした戦慄の実録サスペンス。
暴動が起きるデトロイトの黒人宿泊客が騒ぐモールで起こったいたずらの発砲、これをきっかけに警察官と軍がモーテルに突入し、拘束された黒人宿泊客たちが受けた理不尽な悲劇を圧倒的な臨場感で描き出している。
監督は、キャスリン・ビグロー。
物語。
1967年7月、アメリカ、デトロイト。
隠し酒場でのガサ入れから、黒人たちによる怒りが爆発、暴動が勃発してしまう。
鎮圧に乗り出した軍や地元警察との衝突で都市は戦場と化した。
そんな中、運悪く暴動に巻き込まれ身動きできなくなった若手ソウルバンド “ザ・ドラマティックス”のメンバーのラリーとメンバーの弟は町はずれのアルジェ・モーテルへ逃げ込む。
暴動のムードでモーテル内は浮足立っていた。
脚本は、マーク・ボール。
『ハート・ロッカー』、『ゼロ・ダーク・サーティ』と3作続けてのタッグ。
出演。
アルジー・スミスが、歌手のラリー。
ジェイソン・ミッチェルが、メンバーの弟のカール。
ジョン・ボイエガが、警備員のディスミュークス。
ウィル・ポールターが、警察官のクラウス。
アンソニー・マッキーが、グリーン。
ジャック・レイナーが、デメンズ。
ベン・オトゥールが、フリン。
オースティン・エベールが、ロバーツ准尉。
ジェイコブ・ラティモアが、フレッド。
ハンナ・マリーが、ジュリー。
ケイトリン・デヴァーが、カレン。
ネイサン・デイヴィス・Jrが、オーブリー。
ペイトン・アレックス・スミスが、リー。
マルコム・デヴィッド・ケリーが、マイケル。
ジョン・クラシンスキーが、アウアーバッハ弁護士。
スタッフ。
製作は、ミーガン・エリソン、キャスリン・ビグロー、マシュー・バドマン、マーク・ボール、コリン・ウィルソン。
製作総指揮は、グレッグ・シャピロ、ヒューゴ・リンドグレン。
撮影は、バリー・アクロイド。
驚異的な撮影です。
プロダクションデザインは、ジェレミー・ヒンデル。
衣装デザインは、フランシン・ジェイミソン=タンチャック。
編集は、ウィリアム・ゴールデンバーグ。
音楽は、ジェームズ・ニュートン・ハワード。
音楽監修は、ジョージ・ドレイコリアス、ランドール・ポスター。
1967年のデトロイト暴動の最中に起きたアルジェ・モーテル事件を描く社会派サスペンス。
序章、暴動、事件、その後の四章で展開する実録群像劇。
緊張で内臓が縮み、体温が2度下がり、怒りで8度上がる。
ウィル・ポールターが映画を統率する。アルジー・スミス、ジェイソン・ミッチェル、ハンナ・マリーが刺さる。なんといっても端々に至る出演者のアンサンブルによる貢献がこの恐怖を醸成している。
キャスリン・ビグロー×マーク・ボールのアメリカ吊し上げ映画第三弾。小さな悲鳴にマイクを差し出して、世に届けるのも映画の力。
見えない銃を撃ちまくる壁作。
おまけ。
原題も、『DETROIT』。
デトロイト以外でも暴動は起きましたが、当時、最も被害が大きかったそうです。
上映時間は、142分。
製作国は、アメリカ。
映倫は、G。
キャッチコピーは、「1967年、米史上最大級の暴動勃発。街が戦場と化すなかで起きた“戦慄の一夜”」。
歴史ものの解説型。
海外でも微妙に評価が揺れているのは、どうやら白人女性が監督であるということも影響しているようだ。これは、人種差別撤廃の闘いにおける歪んだ一面。
白人監督による黒人差別映画であることで、本国ではいろいろ議論になっているのは、差別問題の根の深い一面を示してもいる。スティーブン・スピルバーグの『カラーパープル』の時からあるんだそうですよ。
そういえば最近も同じカラードの黄色人種による黒塗りも問題視されてましたね。
ネタバレ。
『鉄路の戦い』を思い出しました。
クラウスは実際の3人の合成キャラだそうです。