で、ロードショーでは、どうでしょう? 第479回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『サイド・エフェクト』
欝病と向精神薬の処方をめぐる殺人を描く、現代的巻き込まれサスペンス。
物語はこんな感じ。
インサイダー取引で四年間服役していた夫が出所した。
欝病と診断された妻は、新しくかかった精神科医から新薬を処方される。
新薬の副作用で、夢遊状態での行動が現れてしまう。
そして、その彼女が夢遊状態の時にある事件が起きる・・・。
処方の仕方に問題があったのか?
薬依存のアメリカの現実も合わせて、浮き彫りにしていく。
娯楽と芸術を境なく飛び回る異端児スティーブン・ソダーバーグの劇場用映画から離れると宣言した最後の作品。
スコット・Z・バーンズの脚本との相性ばっちり。
実際、バーンズが監督をすrつもりでいたぐらい見に舞う七日に光るとこ満載の内容だが、脚本を相談していたソダーバーグが監督したいと言ったら、即答で譲った、と本人が言っている。
出演は、欝病の妻に、ルーニー・マーラ。
彼女の担当の精神科医に、ジュード・ロウ。
前の担当の精神科医に、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
出所したs元証券マンの夫に、チャニング・テイタム。
ルーニー・マーラの見る方向で全く違う人のようにさえ見える造作、表情、匂いたつような危うさは映画全体お支配している。
ジュード・ロウもキャサリン・ゼタ=ジョーンズもチャニング・テイタムもすでにソダーバーグと組んでいる。
もともとは、リンジー・ローハンを起用する予定で、ブレイク・ライヴリーにいったん決まりかけたものの、最終的には、ルーニー・マーラが抜擢された。
実は、『ドラゴンタトゥーの女』リメイクで、ソダーバーグはデビッド・フィンチャーにヒロインのリスベット役のキャスティングの相談を受けて、ルーニー・マーラを推薦しており、それを知ったルーニー・マーラが感激し、それ後、知り合ったのだという。
(特にフィンチャーとソダーバーグは仲がよいというわけではなく、アメリカ映画界では、こういう同職種同士の相談がけっこうあるそう)
ほかに、アン・ダウド、ヴィネッサ・ショウ、カルメン・ペラエスなど。
撮影は、ピーター・アンドリュース、編集は、メアリー・アン・バーナード。
両方共ソダーバーグの変名。両親の名前からとったそうです。
他に、サム・ロウリーという変名で脚本も手がけたことも。
これは誰からとったのかな?
音楽はトーマス・ニューマン。
モダンなクラシカルともいうべき音楽が映画の格調を上げている。
硬質で独特の突き放した映画文法で生態観察のようにサスペンスを見せていく。
感情移入を容易には許さない視点が入れ替わる物語で途中から、どこに話が転がるか全くわからない。
ヒッチコックを参考にしたと言っている通り、行き先が見えないサスペンスの面白さを継承しており、どことなく古典的話法で現代を描いている。
それは、ソダーバーグが少ないカット割りで、ミニマムに映画を描こうというチャレンジのせいかもしれない。
登場人物の感情ではなく、観客という視線のまま、理性でサスペンスをしかける極上品。
おまけ。
ソダーバーグは、カトリーヌ・ドヌーブ主演のロマン・ポランスキー監督作『反撥』(65)を参考にルーニー・マーラを演出したそう。
アメリカでは映画界から引退したが、テレビ用のスペシャルドラマを作っており、その第一弾『恋するリベラーチェ』は日本では映画として、今年11月に公開される。
ちなみに、アメリカのテレビの最も権威あるエミー賞で、11部門受賞という快挙を成し遂げている。
映画内で、使用される薬の名前はすべて架空だそう。
ネタバレ。
これでソダーバーグは一旦映画界から離れ、TV界へ移ると宣言しているがゆえに、最後の最後に、もう一つ、どんでん返しが欲しかった気もするが、あのどんでん返しで十分とも言える内容ではあるんだが。
欲張りたくなるのが、バーンズ脚本への期待というものだろう。
アメリカの保険制度の問題もあり、アメリカは薬の使用頻度が高いそう。
映画でもよく見るが、セラピストも当たり前に活用されている。
精神の問題であるがゆえにもともとは疑いレベルだったものが、思い込むうちに実際に病気になってしまう例も多い。
病名ができたことで、その病気になる患者が増えたという例もある。
薬ができたことで、それに依存という別の精神の病いも引き起こす。
麻薬よりも処方される薬の過剰仕様での死亡数の方が多いのが今のアメリカの現実でもある。
科学・医学は、今後、ここにどのようにメスを入れていくのだろうか?
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『サイド・エフェクト』
欝病と向精神薬の処方をめぐる殺人を描く、現代的巻き込まれサスペンス。
物語はこんな感じ。
インサイダー取引で四年間服役していた夫が出所した。
欝病と診断された妻は、新しくかかった精神科医から新薬を処方される。
新薬の副作用で、夢遊状態での行動が現れてしまう。
そして、その彼女が夢遊状態の時にある事件が起きる・・・。
処方の仕方に問題があったのか?
薬依存のアメリカの現実も合わせて、浮き彫りにしていく。
娯楽と芸術を境なく飛び回る異端児スティーブン・ソダーバーグの劇場用映画から離れると宣言した最後の作品。
スコット・Z・バーンズの脚本との相性ばっちり。
実際、バーンズが監督をすrつもりでいたぐらい見に舞う七日に光るとこ満載の内容だが、脚本を相談していたソダーバーグが監督したいと言ったら、即答で譲った、と本人が言っている。
出演は、欝病の妻に、ルーニー・マーラ。
彼女の担当の精神科医に、ジュード・ロウ。
前の担当の精神科医に、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
出所したs元証券マンの夫に、チャニング・テイタム。
ルーニー・マーラの見る方向で全く違う人のようにさえ見える造作、表情、匂いたつような危うさは映画全体お支配している。
ジュード・ロウもキャサリン・ゼタ=ジョーンズもチャニング・テイタムもすでにソダーバーグと組んでいる。
もともとは、リンジー・ローハンを起用する予定で、ブレイク・ライヴリーにいったん決まりかけたものの、最終的には、ルーニー・マーラが抜擢された。
実は、『ドラゴンタトゥーの女』リメイクで、ソダーバーグはデビッド・フィンチャーにヒロインのリスベット役のキャスティングの相談を受けて、ルーニー・マーラを推薦しており、それを知ったルーニー・マーラが感激し、それ後、知り合ったのだという。
(特にフィンチャーとソダーバーグは仲がよいというわけではなく、アメリカ映画界では、こういう同職種同士の相談がけっこうあるそう)
ほかに、アン・ダウド、ヴィネッサ・ショウ、カルメン・ペラエスなど。
撮影は、ピーター・アンドリュース、編集は、メアリー・アン・バーナード。
両方共ソダーバーグの変名。両親の名前からとったそうです。
他に、サム・ロウリーという変名で脚本も手がけたことも。
これは誰からとったのかな?
音楽はトーマス・ニューマン。
モダンなクラシカルともいうべき音楽が映画の格調を上げている。
硬質で独特の突き放した映画文法で生態観察のようにサスペンスを見せていく。
感情移入を容易には許さない視点が入れ替わる物語で途中から、どこに話が転がるか全くわからない。
ヒッチコックを参考にしたと言っている通り、行き先が見えないサスペンスの面白さを継承しており、どことなく古典的話法で現代を描いている。
それは、ソダーバーグが少ないカット割りで、ミニマムに映画を描こうというチャレンジのせいかもしれない。
登場人物の感情ではなく、観客という視線のまま、理性でサスペンスをしかける極上品。
おまけ。
ソダーバーグは、カトリーヌ・ドヌーブ主演のロマン・ポランスキー監督作『反撥』(65)を参考にルーニー・マーラを演出したそう。
アメリカでは映画界から引退したが、テレビ用のスペシャルドラマを作っており、その第一弾『恋するリベラーチェ』は日本では映画として、今年11月に公開される。
ちなみに、アメリカのテレビの最も権威あるエミー賞で、11部門受賞という快挙を成し遂げている。
映画内で、使用される薬の名前はすべて架空だそう。
ネタバレ。
これでソダーバーグは一旦映画界から離れ、TV界へ移ると宣言しているがゆえに、最後の最後に、もう一つ、どんでん返しが欲しかった気もするが、あのどんでん返しで十分とも言える内容ではあるんだが。
欲張りたくなるのが、バーンズ脚本への期待というものだろう。
アメリカの保険制度の問題もあり、アメリカは薬の使用頻度が高いそう。
映画でもよく見るが、セラピストも当たり前に活用されている。
精神の問題であるがゆえにもともとは疑いレベルだったものが、思い込むうちに実際に病気になってしまう例も多い。
病名ができたことで、その病気になる患者が増えたという例もある。
薬ができたことで、それに依存という別の精神の病いも引き起こす。
麻薬よりも処方される薬の過剰仕様での死亡数の方が多いのが今のアメリカの現実でもある。
科学・医学は、今後、ここにどのようにメスを入れていくのだろうか?