菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

あなたの色に染まりたい。  『カメレオンマン』

2010年06月09日 00時00分17秒 | 俺は好きなんだよ!
【俺は好きなんだよ】第226回は、『カメレオンマン』(1983)


原題は『ZELIG』。
ゼリグは主人公の名前です。


スタッフ。
監督:ウディ・アレン
製作:ロバート・グリーンハット/マイケル・ペイサー
脚本:ウディ・アレン
撮影:ゴードン・ウィリス
衣装デザイン:サント・ロカスト
音楽: ディック・ハイマン
 
 
出演。
ウディ・アレン
ミア・ファロー
ギャレット・ブラウン
デボラ・ラッシュ
ステファニー・ファロー
ウィル・ホルト
アリス・ビアズレー
声の出演:ドワイト・ワイスト


物語。
20~30年代のアメリカに、ゼリグという変わったユダヤ人がいた。
彼は周りの環境に順応し、身体つきも精神も変えてしまうのだった。
彼はいろんな有名人と一緒にいるところを目撃された。
彼と一緒のところを見られたのは、ルー・ゲーリック、ベーブ・ルース、クーリッジとフーパーの両大統頃、作家のスコット・フィッツジェラルド、新聞王ハーストとその愛人で女優のマリオン・デイヴィス、戯曲家ユージン・オニールなど。
彼の特異体質が明らかになると、科学者が調査に乗り出した。
彼の調査、及び治療にあたったのはユードラ・フレッチャー医師。
彼女の別荘で治療にとりかかるが・・・。


受賞歴。
1983年の米アカデミー賞にて、撮影賞(ゴードン・ウィリス)と、衣装デザイン賞(サント・ロカスト)にノミネート。
1983年のヴェネチア国際映画祭にて、イタリア批評家賞(ウディ・アレン)を受賞。
1983年のNY批評家協会賞にて、撮影賞(ゴードン・ウィリス)を受賞。
1983年のゴールデン・グローブにて、作品賞(コメディ/ミュージカル)と、男優賞(コメディ/ミュージカル-ウディ・アレン)にノミネート。
1983年の英国アカデミー賞にて、オリジナル脚本賞(ウディ・アレン)と、撮影賞(ゴードン・ウィリス)にノミネート。

 



カメレオンのように周囲の環境に反応し、どんな人種にも変身してしまう特異体質の男、ゼリッグ。そんな奇想天外な男の生涯を記録フィルムや証言によってドキュメンタリーで綴るという、ウディ・アレンらしいジョークのきいた一作。
架空の人物をドキュメンタリー・タッチで描くという手法は今までにもあるにはあったが、その中では群を抜く説得力を持ちえている。
もちろん、笑いも。

それを証明しているのが、歴史上の有名なシーンにゼリッグを介入させたフェイク・フィルムの素晴らしさ。
以上のシーンは白黒で撮影。その他、随所に識者による回想シーンが織り込まれ、通常のシーンはカラーで撮影されている。
識者として、スーザン・ソンタグ、アーヴィング・ハウ、ソール・ベローらが出演しています。


『フォレスト・ガンプ』の影響元とも言われる傑作です。

日本人の国民性そのものであり、現代にこそ響く題材だと思う。
必見の名作。





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