菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

無いは再と愛の素。  『はじまりのうた』

2015年02月22日 00時02分45秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第668回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『はじまりのうた』




2000万円の超低予算ながら、アカデミー歌曲賞に輝き、世界中で大ヒットした『ONCE ダブリンの街角で』で高い評価を受けたジョン・カーニー監督が、キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロを主演に迎えて贈る音楽ドラマ。

崖っぷちの音楽プロデューサーが、恋人に裏切られた失意の女性シンガー・ソングライターと手を組み再起を図る姿をハートウォーミングに綴る。


監督・脚本は、ジョン・カーニー。


 

 

物語。
ニューヨークの音楽プロデューサーのダン。
かつては人気ミュージシャンを次々と発掘し、ヒットを飛ばしてきた彼だったが、すっかり時代に取り残され、ついには自分が設立したレコード会社をクビになってしまう。
失意のまま飲み明かし、酔いつぶれて辿り着いたバーで、ふと耳に飛び込んできた女性の歌声に心を奪われる。
小さなステージで歌を披露していたのは、イギリスから来たシンガー・ソングライターのグレタ。
ブレイクしたミュージシャンの恋人デイヴに裏切られて別れたばかりで失意のどん底。
ダンは、そんなグレタに一緒にアルバムを作ろうと提案する。
お金のない彼が言い出したのは、なんとニューヨークの街の中でのライブ録音だった・・・。






出演。
グレタに、キーラ・ナイトレイ。
本職の歌手ではないが、彼女が映画『ざ・エッジ・オブ・ウォー 戦火の愛』で歌っていたのを聴いて、オファーしたそう。


ダンに、マーク・ラファロ。
悩みを抱えてダメになった誠実な男を演じさせたら、当代随一の実力をここでも発揮している。


ダンの娘のバイオレットに、ヘイリー・スタインフェルド。
勉学をおろそかにせず、かなり出演作を選んでいるそうだが、音楽好きなようで、ほかにも音楽映画が今後のラインナップされている。
今作では、演奏シーンも。


グレタを捨てた歌手デイヴに、アダム・レヴィーン。
世界で最もセクシーな男にも選ばれた、人気バンド、マルーン5のボーカルで甘くポップな歌声をたっぷり聴かせてくれます。


グレたの友人のミュージシャン、スティーヴに、ジェームズ・コーデン。
この映画のもっとも愛すべきキャラクター。
彼で別の物語が作れるよ。
近年では『ワンチャンス』でポール・ポッツを演じていた。


ダンの手がけたスターの一人、トラブルガムに、シーロー・グリーン。
R&B界では知られたミュージシャンが、地を行くような、ヒップホップスターを軽快に演じている。



ダンの妻ミリアムに、キャサリン・キーナー。
この映画では多少、影が薄いが、さすがの貫禄を見せている。



ほかに、ヤシーン・ベイなど。










製作は、アンソニー・ブレグマンとトビン・アームブラストとジャド・アパトー。




撮影は、ヤーロン・オーバック。
独特に寄り添った感じがウキウキさせるよね。


プロダクションデザインは、チャド・キース。
衣装デザインは、アージュン・バーシン。

編集は、アンドリュー・マーカス。
音楽的躍動があります。


音楽は、グレッグ・アレクサンダー。
劇中曲は監督含め数名が参加してます。

音楽監修は、アンドレア・フォン・フォースターとマット・サリヴァン。











傑作音楽映画『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニーの新作は姉妹編のような音楽映画。
傷心のシンガーソングライターに惚れ込んだ落ち目の音楽プロデューサーが思いついたのはNYの街角でライブ演奏してのアルバム録音・・・というお話。
音楽と人の関わりの痛く煌くシーンの心地よさ。映画の喜びにひたれます。
音楽のファンタジーに酔える、ミュージカルでない音楽映画の新たな佳作。
 
 








おまけ。

原題は、『BEGIN AGAIN』。
『はじめよう、もう一度』ってとこですかね。
日本だと、キャッチコピーっぽいかも。
邦題はタイトルでジャンルが分からせようとするから、音楽映画ってことで歌が入ったんだろうね。
なら、『もう一度、歌おう』てとこかな。
これもキャッチコピーっぽいなぁ。
でも、『はじまりのうた』って同タイトルの曲もがあって、イマイチなんだもの。
『はじまりのメロディ』なら韻踏んでたのに。


実際のキャッチコピーは、「ニューヨークの空の下。歌と出会って、明日が見えた。」ですね。



上映時間は、104分。
 
製作国は、アメリカ。






前作でも、米アカデミー賞で歌曲賞を獲得しているが、今回もノミネートされている。
(曲は、『Lost Stars』で、詞がダニエル・ブリスボイスで曲がグレッグ・アレクサンダー)
音楽と劇中歌はメインではニュー・ラディカルズのグレッグ・アレキサンダーが担当。共同でジョン・カーニー自身も担当している。
(ジョン・カーニーは以前フレイムズというバンドをやっていたミュージシャン)
マルーン5のアダム・レヴィーンがノーギャラで出演し、役者に初挑戦している。
前作の主役のグレン・ハンサードも一曲提供している。




小さいサイズのパンフレットは、定番の情報(NYガイド、コラム、音楽情報、インタビューなど)がきっちり入っていて、写真も多く、なかなかの出来。



『フォックスキャッチャー』が同時期公開に、『アベンジャーズ2』も来るし、『キッズ・アー・オールライト』など、近年ノリまくりのマーク・ラファロが今作でもノリノリです。





ほとんどの演奏シーンが素晴らしく、特にお気に入りは、屋上のセッションとダンの妄想アレンジによるグレタが飛び入りで歌わされるシーン。
喜びの涙で視界がぼやけたよ。





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