菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

青い復讐、思い通りにいきもせず。 『ブルー・リベンジ』

2015年03月14日 00時00分18秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第681回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『ブルー・リベンジ』










両親を殺されたホームレスの悲しい復讐劇を描いたサスペンス・スリラー
。第66回カンヌ国際映画祭監督週間で上映されるや、完成度とリアリティを持った世界観が話題となり、国際映画批評家連盟賞を獲得した。

監督、脚本、撮影は、ジェレミー・ソルニエ。
ホラー作品『Murder Party』でも注目されている。





物語。
海辺で一人、オンボロの青い車の中で暮らすホームレスのドワイトは、ある日、警察に呼び出される。
ドワイトはそこで、彼の両親を殺し、服役していた犯人が刑期満了を前に釈放されることを知らされる。
彼は覚悟を決めた。
小銭をかき集め、とっておきのバッテリーに載せ換え、釈放日に合わせて、刑務所へとオンボロ車を走らせる。
途中で、なんとか銃を盗むがロックがかかっていて使えない。
しかたなく、普段使っているナイフを頼りにすることに。
刑務所の前で待っていると、派手な車が犯人を迎え入れる。
クリスは車を追う。
車は犯人の一家がオーナーのレストランに停まった。
祝杯をあげようというのか。
彼はナイフを握り締め、裏口から潜入する・・・。









出演。
ホームレスの復讐者ドワイトに、メイコン・ブレア。


仇のベン・ガフニーに、デヴィン・ラトレイ。

ドワイトの姉のサムに、エイミー・ハーグリーヴス。


ベンの兄のテディに、ケヴィン・コラック。


友人のカールに、ブレント・ワーズナー。



ほかに、デヴィッド・W・トンプソン、ステイシー・ロック、イヴ・プラムなど。










凡庸な男の復讐をうねる展開で描くサスペンス。
銃は当たらず、ナイフの一突きは逆に標的を手負いの獣に変え、滑稽なほどに必死になってもことは上手くは運ばない・・・。
トイレで敵を待ち伏せするため潜む男の抑えた息遣いを聞く内に、映画館の闇に潜む自分が「もしこの状況になったら」という現実味を持った想像をして、同化していく。
人を殺すということの重圧がのしかかり、つばを何度も飲み込ませる緊張感が圧迫してくる。
男のダメさが滑稽なのにコメディにならないセンスが素晴らしい。
ちっぽけだが懸命な男の削ぎに削いだ戦いに拳を握り、息を飲み、喉を渇かす逸品。
 












おまけ。
 

上映時間は、91分。
 
製作国は、アメリカ/フランス。


『ブルー・リベンジ』は邦題。
90年代にアメリカのTVムービーに同じ題名のものがあります。
原題は、『BLUE RUIN』で、『青色の荒廃』ですね。







<未体験ゾーンの映画たち2015>でも三本指に入る必見作と言われていたので、初日行ったところ、満席で見られず。なかなかタイミングが合わず、こりゃ、もうダメかと思っていたら、雨のおかげで時間ができて、ぎりぎり鑑賞できて、ほんとよかったわ。

でも実は、<未体験ゾーンの映画たち2015>で現在、延長上映中。






メイコン・ブレアは、これまでのジェレミー・ソルニエ監督作品全てに出演しているそうですよ。

ジェレミー・ソルニエ監督の次回作は『GREEN ROOM』。
予算も上がって、イモジェン・プーツとアントン・イェルチンが主演。
あ、メイコン・ブレアも出てます。
観たいねぇ。
前作『Murder Party』もね。









ブルーがタイトルに入ってるのもあって、青の色味がいいのよ。
空、海、車、ブルーシート、シャツなど青いもの自体を配す辺りも含めてね。

青い車のサビの赤が血のようにも見えて、世界観をたった一台で見せきるのは素晴らしい。







ややネタバレ。

ぐっときたセリフ。
「あなたが馬鹿なら許さなかった。だけど、あなたは違う。ただ弱いだけ」
 
「嘘だ!(銃で狙う)」
「なら、嘘だ。銃が真実だからな・・・」

「俺も同じ立場だったら、そうしていたかもしれない。だが、手伝えない。すまない」





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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-04-05 23:02:16
グッと来たセリフという割には、完全に真逆になっちゃってますねえ…
「アナタが馬鹿なら許した」です。
返信する
あら (ひし)
2015-04-07 05:42:44
あら、そうでした?
 
今度、確かめておきますね。
返信する

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