菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

友情も愛情も困難を越えてからがはじまり。  『ぼくの大切な友だち』

2010年02月13日 00時00分04秒 | オレは好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第202回

 

『ぼくの大切なともだち』(2006)
 



原題は、『MON MEILLEUR AMI』で、『私の親友』という意味ですね。
英語題は、意味も同じ『MY BEST FRIEND』。
  


 
スタッフ。
監督:パトリス・ルコント
製作:オリヴィエ・デルボス/マルク・ミソニエ
原案:オリヴィエ・ダザ
脚本:パトリス・ルコント/ジェローム・トネール
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
美術:イヴァン・モシオン
編集:ジョエル・アッシュ
音楽:グザヴィエ・ドゥメルリアック
 
 


出演。
ダニエル・オートゥイユ
ダニー・ブーン
ジュリー・ガイエ
ジュリー・デュラン
ジャック・マトゥー
マリー・ピレ
エリザベート・ブールジーヌ
アンリ・ガルサン
ジャック・スピエセル
フィリップ・デュ・ジャネラン



物語。
美術商のフランソワは、自分の誕生パーティの席で思いがけない事実を突きつけられる。
出席者が口を揃えて、フランソワには親友がいないと断言したのだ。
反発するフランソワはビジネスパートナーであるカトリーヌの挑発に乗って、10日以内に親友を連れてくるという賭けをしてしまう。
もし出来なければ、20万ユーロで落札したばかりの大切な古代ギリシャの壷を手放す事態に。さっそく自分が親友だと思っていた人たちを訪ねて回るフランソワだったが、自己中心的な性格が災いして結局誰からも相手にされずじまい。
途方に暮れるフランソワは、ふとしたきっかけで出会ったタクシー運転手のブリュノにどうすれば友達が作れるのか教えを請うのだったが・・・。

 

 

本当に親友と呼べる存在がいないことに気づいた中年男の親友捜しの顛末を、皮肉を絡めつつハートウォーミングに綴るヒューマン・コメディ。
 
ダニエル・オートゥイユも達者ですが、相手役もフランスの人気コメディアンのダニー・ブーンで、巧くバランスをとっています。


名匠パトリス・ルコントの名前を決定的にしたのは、ラブストーリーとサスペンスなのですが、実はデビュー作がコメディであり、人気を獲得したのもコメディだったのです。
なので、この手の物語にはこなれていて、いぶし銀の味わいを加えてくれます。
その作家性は、年齢を重ねるたびにどんどん薄まって職人になりつつありますが、それもまた熟練の味わいともいえます。
監督の個性より、作品を立ててるともいえるわけです。


フランスのコメディ独特のきつさはありますが、クセの強いチーズをたしなむ程度の気持ちで、この大人のコメディを楽しんでいただけたら。

 

 



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