最近のニュースや事件には、カレーへの混入事件、井戸水、そしてヒジキなど「ヒ素」に
関連するトピックが目立ちました。世間一般にも「ヒ素=猛毒」という認識が定着している
のではないでしょうか。
毛髪分析レポートにおいて、ヒ素は有害ミネラルのひとつにあげられており、毛髪分析を
受けたほとんどの人が高く検出されます。それだけ環境中にヒ素が多いということを示し
ているわけですが、実はヒ素にも「善玉」と「悪玉」があるのをご存知でしょうか。
ヒ素は地球の表面を構成する元素の中で多いほうから数えて20番目と、自然界にも普通に
存在するものです。例えばヒジキやエビ、カキなどの海産物にはもともとヒ素が多いことで
知られていますが、これらに含まれる有機ヒ素は人の体には無害、あるいは毒性が弱いと
いわれています。
これは、自然界の有機ヒ素はヒ素と炭素との結合が非常に安定しており、
人が食べても体内で何の反応もせずに速やかに排泄されるためです。これに対し、亜ヒ酸など
の無機ヒ素は非常に毒性が強いもので、和歌山カレー事件や森永ヒ素ミルク事件などの原因
物質がこれでした。
ちなみに、他の海藻類や魚介類に比べて、ヒジキにはなぜか特異的に無機ヒ素が多いよう
ですが、ヒジキに多い無機ヒ素はヒ酸とよばれるもので、亜ヒ酸に比べれば毒性はそれ程強
くないようです。
またこれまでの日本の歴史で、海産物を大量に食べたことによるヒ素中毒の例は皆無である
ことを考えても、ひじきを主食代わりに毎日たくさん食べることがない限り、そう気にする
必要はないでしょう。
むしろ、ヒ素の他の摂取源や、体内に入り込んでしまったヒ素の解毒のほうを優先して
考えるべきです。
毛髪分析によって検出されるヒ素の量はたいてい、カレー事件などで人々を苦しめた急性の
毒性を示すような量とは比較にならないほど少ないものです。しかし、急性毒性だけが問題
なのではなく、慢性的な毒性が体に与える影響も非常に危険なものであり、決して安心でき
ません。
次回はヒ素の慢性中毒とその対策などについてご紹介します。
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関連するトピックが目立ちました。世間一般にも「ヒ素=猛毒」という認識が定着している
のではないでしょうか。
毛髪分析レポートにおいて、ヒ素は有害ミネラルのひとつにあげられており、毛髪分析を
受けたほとんどの人が高く検出されます。それだけ環境中にヒ素が多いということを示し
ているわけですが、実はヒ素にも「善玉」と「悪玉」があるのをご存知でしょうか。
ヒ素は地球の表面を構成する元素の中で多いほうから数えて20番目と、自然界にも普通に
存在するものです。例えばヒジキやエビ、カキなどの海産物にはもともとヒ素が多いことで
知られていますが、これらに含まれる有機ヒ素は人の体には無害、あるいは毒性が弱いと
いわれています。
これは、自然界の有機ヒ素はヒ素と炭素との結合が非常に安定しており、
人が食べても体内で何の反応もせずに速やかに排泄されるためです。これに対し、亜ヒ酸など
の無機ヒ素は非常に毒性が強いもので、和歌山カレー事件や森永ヒ素ミルク事件などの原因
物質がこれでした。
ちなみに、他の海藻類や魚介類に比べて、ヒジキにはなぜか特異的に無機ヒ素が多いよう
ですが、ヒジキに多い無機ヒ素はヒ酸とよばれるもので、亜ヒ酸に比べれば毒性はそれ程強
くないようです。
またこれまでの日本の歴史で、海産物を大量に食べたことによるヒ素中毒の例は皆無である
ことを考えても、ひじきを主食代わりに毎日たくさん食べることがない限り、そう気にする
必要はないでしょう。
むしろ、ヒ素の他の摂取源や、体内に入り込んでしまったヒ素の解毒のほうを優先して
考えるべきです。
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