行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

禅語(11)・・・破草鞋(はそうあい)

2015年04月28日 | 禅の心
破草鞋は『碧巌録』の第十九則にみえる言葉です。

破草鞋はやぶれたわらじのことです。

宮沢賢治の『11月3日』の詩に、

「みんなに、デクノボーと呼ばれ

誉められもせず」

の一節があります。デクノボーとは、木の人形のことで、役立たずのことです。

破草鞋も役立たずです。

本当に優れた人というのは、自分の力でことを成就しようとは思っていません。

必ず、神仏の加護や周りの人々の協力があって物事はうまくいくと考えています。

自分の力を過大に評価しないのです。

自分はすごいと鼻高々に威張っている人は、小さな器の人です。

謙虚に日々の生活を送っていくことが大事なのです。

コメント (2)
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禅語(10)・・・好語不可説尽

2015年04月24日 | 禅の心
好語説き尽くすべからず

法演の四戒の4番目です。

どんなに良い言葉、美しい言葉でも、解説しすぎると値打ちが減ってしまうというのです。

あるいは、深い真理は言葉で説き尽くすことはできないといもとれます。これは禅の不立文字に通じます。

わかりやすく説明することは大切ですが、あまり語りすぎると、自分の主観が入ってしまったり、本来の意味とは異なったことになってしまうことがあります。

人の心理など特にそうでしょう。人の気持ちは正確にはわからないけど、わかろうとすることが大切なのです。

言葉で説明できないことが多くあることを知ることも大事です。

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禅語(9)・・・規矩不可行尽

2015年04月21日 | 禅の心
法演の四戒の3番目が、「規矩、行い尽くすべからず」です。

情報化社会にあって、テレビやインターネットで、いろいろなことが議論されています。

人間は、自分のことは棚にあげておいて、他人に対する道徳やマナーには厳しいものです。

ちょっとした不祥事が報道されると、騒ぎ立てる人もいます。

自分は正義だと思っていることでも、その言動によって他人を傷つけたり、命を奪ったりすることはあるものです。

正義も過ぎれば悪になってしまいます。

フランス革命で恐怖政治を行ったロベスピエールは、社会の底辺の人々を救おうと考えていたのですが、それにとらわれすぎたために悲劇になってしまいました。

正義を振りかざすことは時として不幸をもたらすのです。

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禅語(8)福不可受尽

2015年04月17日 | 禅の心
法演の四戒の二番目が「福受け尽くすべからず」です。

お裾分けしたり、寄付することは、お布施に当たります。

人間の欲は底なしなので、お金持ちになってもさらにお金が欲しくなるものです。

お金持ちでももっとお金が欲しいと苦しんでいる人はいます。

もっともっと欲しいという欲求は人間を苦しめます。

足ることを知ることは幸せへの道なのです。

何事もほどほどがいいのです。

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禅語(7)・・・勢不可使尽

2015年04月14日 | 禅の心
宋の時代の法演禅師が弟子の仏果禅師(碧巌録の著者)に与えた4つの戒めの言葉が、法演の四戒です。

その一番目が「勢い使い尽くすべからず」です。

人生、どん底の時よりも、絶頂期の方が危ないといいます。

諸行無常というのは虚無主義ではありません。自分の状況も周りの状況も経に変化していきます。

人生、調子の良いときもあれば悪いときもある。調子の良いときが続くこともなく、不調が続くこともない。

赤信号はいつかは青信号に変わるし、青信号もいつかは赤信号に変わる。それが諸行無常なのです。

どんなお金持ちでも病気になって年老いて、死んでいきます。

そのことはなかなか頭で理解できても納得できないものです。






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