もるるんのよくばりポケット

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NODA・MAP第20回公演「逆鱗」見てきました(ネタばれあり)

2016-02-19 21:38:27 | お芝居
NODA・MAP第20回公演「逆鱗」 東京芸術劇場プレイハウス 2016.01.30 14:00~

野田さんの芝居は「miwa」以来。
彼の芝居は、芝居の見かけ上の話の裏にテーマがあって、その2つを行き来するんで、なかなか理解するのが、私の頭には難しい。
さらに、言葉あそびというか、セリフが多いので、ついていくのに頭をかなり使うのだ。
それでも見に来てしまうのは、やっぱり魅力があるからと、キャストの豪華さかな。

今回は、意外にも、初の松たか子さん・・・すごい期待。一度舞台で拝見したかったのです。
他のキャストも瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶・・・
またもや成志さま・・・最近、彼の追っかけ状態かも(笑い)

さて、今回の話は、人魚の話

「人魚は、ひとつの『逆鱗』を食べる」

昔々の昔々の昔々のその昔、沈没船の窓越しに交わした人魚と人間の約束。
その約束を果たすために、人魚は人間のふりをして、自ら志願し地上に現れた。
だが、その人魚が現れた場所は、海中水族館の『人魚ショー』の真っただ中。
そこで人魚は、人魚のふりをした人間と出会う。
やがて深夜の海中水族館、そこに運び込まれてきたある「モノ」とともに
物語は深い深い海の底へと潜りこんでいく。

そこに、見えてくるものは……。」
(公式HPより)

ところで、タイトルの逆鱗とは。。。
「逆鱗にふれる」という言葉は知ってるけど・・・

気になったので、Wikiで調べてみた。
「逆鱗(げきりん)とは、伝説上の神獣である「竜(龍)」の81枚の鱗(うろこ)のうち、あごの下に1枚だけ逆さに生えるとされる鱗のことをいう」

「竜」は、元来人間に危害を与えることはないが、喉元の「逆鱗」に触れられることを非常に嫌うため、これに触られた場合には激昂し、触れた者を即座に殺すとされた。
このため、「逆鱗」は触れてはならないものを表現する言葉となったそうだ。

竜も出てくる話なのだろうか?

ということで、まだ公演は続いているので、スペースをあけます。
内容を知りたくない方は、ここで回れ右をお願いいたします。















物語の前半と後半でガラリと雰囲気が変わったこの舞台。
やはり海中水族館と人魚をモチーフにした話から、太平洋戦争中の話へと展開され、哀しい物語となっていく。
内容的には、ちょっと「エッグ」と通じるような感もありました。

幕開けは一人の人魚(松たか子さん)。海の底にいる人魚は、伝えたいことがあって海面へと上がってきたという独白。
人魚が退場したあと、そこは水族館。
ここに巨大な水槽が運ばれ、イルカショーのかわりに、ここで人魚ショーを展示するのだという。水族館の館長さんは成志さん。
怪しげな人魚学者の野田さんと、その助手の井上真央ちゃんの口車乗せられて、館長は準備を進めている。

そこに展示する人魚を捕獲してこなくてはならない。そのために、人魚が住む海底にもぐって、人魚を連れてくる「潜水鵜」になる人間をスカウトする。
潜水鵜にスカウトされたのは、水族館の警備員の阿部サダヲさん、イルカ担当の満島くん、それから電報配達に来た瑛太くんも巻き込まれる。

水族館のある場所の海底に、人魚がいて、その実態も明らかになる。人魚は親より子が先に死んでしまうとか、人魚には設計図があるとか・・・

松たか子さんの人魚は70年前に、瑛太さんに会ったことがあるという。

70年前、第二次世界大戦・・・
この人魚とは人間魚雷「回天」のことだったのだ。
瑛太さんの持っていた電報は、「回天」によって命を落とした若者の戦死の報告を、銀粉蝶さん演じる戦友の母へ届けるものだった

「回天」で若者が出撃していく。もうむなしい出撃である。それにより若者は戦死していく。
人魚は、彼らの思いを、陸の、今の人間に伝えようと、海面に上がってきたのだった。

そして最後は、戦死した瑛太さんを抱きかかえて人魚の独白。思いがようやく海底から届いていく。



「回天」という人間魚雷のことは、知りませんでした。飛行機の特攻隊は有名ですが、その魚雷版なんですね。
それを「人魚」にたとえたということ。

確かに、人魚には設計図があるとか、親より子が先に死んでしまうとか。。。若者の戦死の報告を親に届けるってことはそうですよね。

こんな浅はかな作戦でも戦時中の若者は、何も疑うことなく遂行し命を落としていったのか。
また、疑問を持って、この作戦が無力であることを上層部で打電しても、握りつぶされてしまう(電報を途中で奪われる・・・)
そんなことを比喩してたんですね。

「エッグ」のときもそう思ったけど、野田さんは、戦争のおろかさとか哀しさを伝えようとしてるんでしょうか?
特に昨今の状況を考えると、よけい、そんなことを考えてしまいました。


キャストは、、、
まず松たか子さんは、何より声がすばらしかった。圧倒的な存在感の声。これが見れた、聞けただけで大満足。
そしてキレイだし。演技も上手いし。特に終盤の声には圧倒されました。

それから阿部サダヲさん
上手いな~前半のコメディタッチの阿部さんもいいけど、後半の重い芝居での阿部さんの声ってなんかホッとするんですよね。

次に印象に残ったのは、満島真之介くんかな。若手で最近、いろいろな芝居に出てるけど、上手いです。

他にも、瑛太さんも、井上真央ちゃんもなかなかで。。。見ごたえのある芝居でした。

あ~成志さんはもちろんです。ちょっとうさんくさい奴を好演してました


あとは、舞台美術がとてもきれいだった。透明の板を上手く使い、光の屈折をきれいに使ってましたね。
海の中にいるように見せる演出がとても素晴らしかったです。アンサンブルの方が魚の群れになったり、人魚になったり、、、
それと、暗転のときの闇を海底の闇のように見せる演出が、ドキッとしました。やっぱり闇は怖いです。

逆鱗・・・これに触れると怒りをかう。
この逆鱗は何をさしているんだろう・・・・現代の世の中の「逆鱗」はなんだろう・・・考えさせられる話でした。

けど、、やっぱり、野田さんの芝居って、圧倒的な言葉の洪水の中に睡魔が顔を出してくるんだよな。
がんばってたけど、途中ちょっと抜けてしまうところがあったりして(笑い)



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