えいちあーる亭日誌

日々の徒然、株などを語り ハッピーリタイアメントを目論むノーテンキなブログ

- 都へ つれづれなるままに-

アーバン逝く

2008-08-14 14:55:15 | 株のお話

昨日民事再生法手続きを申請 倒産した8868アーバンコーポレーション 
昨年サブプライムが表面化するまで2000円していた株価は最終日62円 ご愁傷様

連日売り買いともにの値幅鳥でおお賑わい
倒産のうわさに 逝くのか、逝ってしまうのかと面白半分にウオッチしていた 人の悪いわたくし
解散価値を示すPBRは0.13あたり、ひょっとして倒産を免れたならと勝負に臨んだ投機家も数多くいたようで
普通、倒産のニュースは金曜日の場が引けてから、週のど真ん中での発表では逃げようにも逃げられなかった
2ちゃんねるや掲示板の煽り記事で思わず買いに入った参加者の多くは一網打尽

逆日歩3円の適用を受けての売り方の買戻しも有りか思ったが狼狽売りが多くて寄り付きそうにもない。

しかも、倒産の発表のドサクサ紛れに直近の第三者割当増資に関わる犯罪的なウラ条項の存在が発表されたわけで

時系列に話を進めて行こうと思う  (今日は長くなります)

6月26日深夜 BNPパリバを引き受け先に300億円のCB債を発行するとのIRを発表
(だいたいこうした突拍子もない時間にIRを出す企業はろくなもんじゃない 遅かれ早かれご臨終のことが多い)
300億円の増資 新株一株単価を344円に設定

7月10日300億の入金があったとするIRが出て286円まで上げたものの翌日からまた急落
でもパリバの344円の新株価格が意識されてパリバは344円以上の価値を読んでいるとの思惑で
200円あたりを1週間ほどもみあったけれど力尽きて下落基調を強めた

事件サイトによれば
7月18日発行の大量保有報告書(報告義務発生日7月11日)あたりからBNPパリバの思惑が見えてきたようで、
BNPパリバは7月11日CB債 権利行使によって8720万株を取得、即座にBNPパリバ・アービトラージを経て
BNPパリバ証券東京支店へ引き渡した(引渡し価格200円)。

さかのぼること3日前 (証券取引の決済は4日後)
パリバ証券東京支店は7月11日アーバンを2344万株カラ売り14日には1377万株のカラ売り
主力の11日の株価は始値が253円高値は268円10日の入金を確認して沸き立つはずの日に
この上値の重さが市場に水を差してさらに下落基調継続 倒産に至る

パリバ東京支店には11日と14日のカラ売り価格から引渡し価格200円を引いた差額が転がり込む寸法で
さらにパリバ本体は株価が600円台だった5月頃からカラ売りを仕掛けていたもようでホワイトナイトが
売り本尊だったという笑えない仕掛け

ここで分らないのがパリバの払い込んだ300億円
どうカラ売ったところで行使価格344円からの下げを埋められるものでなし、2年先の償還を考えているのか
アーバンは2年先まで持つのかといった思惑が博徒のような個人投機家を巻き込んでの最終章へとなだれ込む

ベベン ベンベン さあハリセンの音も高らかに

ついに民事再生手続き発表と同時になぞは明らかになった (ここコナンっぽくネ)
財務基盤強化の為とされた300億は隠蔽されたスワップ契約に基づいて入金後即座にBNPパリバに返却されていて
アーバンはその契約に基づいた株価の上下によってチビチビと営業日ごとにカネが振り込まれるだけのこと
倒産までに入ったカネは90億程度。しかもご丁寧にこの契約による営業外損失は58億 なにやってんだか?

300億が見せ金であったことを知らない個人投機家は資産増強で倒産は回避されたと
パリバの怒涛の売りにめげることなく買い支えるわけで、このあたりからの参加者が大勢被害をこうむった模様
8720万株を1株100円程度で仕入れてカラ売りしまくったパリバの収益はいかほどになったやら 
さらにアーバンの倒産で契約終了となったパリバはもう支払いの必要もなく丸儲けと相成りました


そうなると次に分らないのがアーバン側が何故こんな不利な契約に応じたのかであるが
7月に入って社長が金融機関に担保として差し出していた株券が担保権を行使されて市場で売却されて
16.6%の持ち株比率から4.03%へ低下、筆頭株主不在の会社となったわけで
本来なら会社の存亡に関わる一大事 まともな会社ならM&Aのターゲットに

しかもこの借入金が房園社長の個人名義の都内の土地建物の購入に流用された挙句
その売却を急いでいたとの業界関係者の話が出てくるに及んで推察されるのは・・・・

BNPパリバに対するCB債発行新株予約権の契約のウラであのスワップ契約を締結していた時点で
すでに社長は経営を放棄していたとしか考えられない。さらにいうなら上記のように房園社長が個人資産の売却を急いでいた
という情報とあわせれば資産隠しのための時間稼ぎにBNPパリバが乗ったとしか考えにくいわけで

担保を取っていた金融機関、ドサクサ紛れにカラ売りでしこたま儲けたBNPパリバ
現金化した資産を隠すのに全力を挙げてきたであろう社長

やったもん勝ちのこの国のシステム
アメリカなら間違いなく長期の実刑を喰らうであろうこの事案もおそらく商取引としてお咎めなし
泣くのは個人ばかりということか、倒産覚悟で突っ込んだ修羅場 投資単位も小さいだろうし株は自己責任というけれど
2時30分あたりで200万株の買いに1億5000万株の売り 売りが多すぎる・・・


こんな会社が堂々の東証1部銘柄 どうなってるんだ

本日新興不動産銘柄は軒並みSTOP安に張り付いたまま討ち死に
アーバンの倒産は織り込み済みとか言っていたけれど株式市場への不信感が増すのは織り込んでいなかったらしい

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