雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

真実の行方 ・ 小さな小さな物語 ( 953 )

2017-04-22 08:57:11 | 小さな小さな物語 第十六部
このところ、百条委員会やら証人喚問やらと、何かと騒がしいことです。
その対象となっている事柄に対は、多分、大変重要なことが含まれているのでしょうし、あるいは、私などではとても想像もできないような巨悪が潜んでいるのかもしれませんが、テレビで中継されている質疑などを見ている限りにおいては、テレビ番組のワイドショウの延長上か、話題提供の一環のようにさえ思えてしまいました。

特に、この度の国会における証人喚問では、その思いが強く感じられました。
先日の東京都の百条委員会についても、テレビで中継されている部分だけしか知らないのですが、質問する方のメンバーが、証人にまるでエールを送っているような部分もあって、白けてしまう感じがありました。ある放送局などは、さすがに馬鹿らしくなったのでしょうか、途中で画面を移す場面もありました。まあ、東京都の場合は、共犯、あるいは主犯にあたるのではないかと思われる都議会メンバーが質問者になっているのですから、大きな成果を期待する方が間違っていたのでしょうね。きっと、百条委員会で追及しました、という以上の成果は出てこないのでしょうね。

国会の方となれば、何が一番の問題なのかぼやけかけている感があるのですが、時の首相や首相夫人の名前が頻繁に出てくるという面では大事なのですが、そもそも、この程度のことが国会で喚問しなければならないのか不思議に思われます。
国有地の売買や、学校設立に関する不透明な部分があるのは軽視できませんが、学校設立云々は大阪府において解決する問題ですし、国有地に関する部分も、たとえ不正があったとしても、せいぜい十億円程度の事ですし、第一、問題となっている土地とよく似た土地も、あまり変わらない条件て払い下げられているようなのです。それに、東京都の豊洲の問題を考えた場合、土壌整備に関しては東京都とこの学校設立希望者とは同じ立場なのですから、一方的に片方が得をしたということではないとも思うのですが。それに、浮き彫りになっている問題の多くは、警察なり司直が処理するべきことで、国会が騒ぎ立てるほどの事なのでしょうか。
参議院などは、予算審議という重大課題を抱えていてそちらを優先させるべきだと思うのですが、審議の真似事をしてもどうせ自然成立するので、まさかこちらの方で目立とうと思っているわけではないのでしょうね。

それにしても、百万円を貰った、渡していないに関しては、真実を知りたいものですね。
大体においてこの手の事件は、貰っている方が否定するのが本筋だと思うのですが、今回は反対になっています。また、百万円の寄付を、普通の封筒に上から覗ける状態で授受されたのだとすれば、下々の儀礼とは相当違うものだと考えてしまいました。
「真実は一つだ」というのは、私の大好きなサスペンスドラマではよく使われるセリフです。しかし、本当に真実は一つなのでしょうか。もしかすると、真実も物体のように、裏と表があり、上と下もあり、もしかすると見る角度により、主張する角度により限りない姿を持っているのかもしれません。第一、真実などという物があるのでしょうか。
まあ、乗り掛かった舟でしょうから、国会議員の皆様方には、他の討議など放っておいて、「百万円の真実」を明らかにしてもらうとしますか。

( 2017.03.26 )

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