天燈茶房 TENDANCAFE

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千里往って千里還る君の、迎え酒

2010-06-05 | 宇宙
今日は朝から、佐賀の嬉野温泉までお酒を買いに行ってきました。
買ったのはこれ。


井手酒造さんの銘酒、虎之児(とらのこ)です。

“はやぶさファン”の方々には、もう説明不要でしょう。
小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げの際にOP(オペレーション)班によって作製された重要資料である「性能計算書」の表紙を飾った、
宇宙科学研究所伝統の遊び心溢れる酒ラベルパロディの元ネタとなった銘酒です!

前人未到の小惑星サンプルリターンという、極めて困難なまさに「虎穴に入って虎子を得る」挑戦となった「はやぶさ(性能計算書が作製された時点ではまだMUSES-Cと呼ばれていた)」にふさわしいと、
宇宙科学研究所対外協力室長を勤められていた的川泰宣先生が山頭火の書に「虎之児」が出てくるのを思い出して採用されたという逸話は宇宙ファンの間では余りにも有名です。

物語「性能計算書」(5) | 日本の宇宙開発の歴史



嬉野の温泉街にある井手酒造さんの酒蔵を訪ねると、
店内には「はやぶさ」を打ち上げたM-V-5の写真パネルと一緒に「性能計算書」と虎之児の縁を説いた説明書がしっかりと掲げられていました。
僕が「はやぶさの、迎え酒にと思いまして買いに来ました」と告げると、
井手酒造取締役の井手洋子さんがわざわざ出てきて対応して下さいました。

「来週、いよいよ彼が帰ってきますから、みんなで集まってこの虎之児で乾杯しようと思いまして…」
と言うと井手さんも
「本当に、虎年の今年に帰ってくるなんて…これも何かの縁でしょうねきっと」
と、「はやぶさ」の帰還を大変喜んでおられましたよ。

最近、「はやぶさ」のお酒ということで買いに来られる方も増えているそうです。
「せっかくだから…」と酒蔵の見学までさせてもらえて大満足。
この次は「はやぶさファン」の皆んなで、ゆっくり嬉野温泉に泊まりがけで虎之児を飲みに来たいなぁ。

写真:井手酒造酒蔵の店内にて、井手洋子さん

井手さんはISASニュースのコラム「いも焼酎」に寄稿もされておられます。
うれしい表紙 嬉野温泉 井手酒造 井手洋子
(ISASニュース 2005.10 No.295)

井手酒造の皆さん、井手洋子さん、突然訪れたのに丁寧に対応して下さってありがとうございました。
今日買った虎之児はやぶさ性能計算書バージョン(特撰酒)、彼を出迎える祝杯として、涙と一緒に飲み干しますね…

帰宅すると、
TCM-3が正常に終了し「はやぶさ」がいよいよ地球外縁部をかすめる軌道を離れウーメラ砂漠へと進路を取ったことが発表されていました。

TCM- 3、地球外縁部からWPAへの誘導目標変更完了について
(2010/06/05 14:37 JST:はやぶさライブBlog)

もう、後戻りは出来ません。
彼は…来週の日曜日の夜、帰ってきます。

「お酒も用意したよ。安心して帰っておいで…」


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