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駆け抜ける、夢の超特急0系新幹線

2008-10-13 | 鉄道
0系新幹線のトレードマーク、丸い鼻と丸い目、丸い顔

来月末、44年間に渡った営業運転を終了し勇退する初代新幹線0系。
現在、山陽新幹線の各駅停車「こだま」号として最後の活躍をする0系に会って来ました。

平成20年10月11日

今回乗車したのは、博多9:19発の「こだま638」号、岡山行き。
営業運転終了を前に、グレー系のリニューアル塗装からオリジナルのクリーム地に青帯に塗り直されたばかりの美しい編成で博多駅に入線です。
この列車は山陽新幹線の車輌基地である博多総合車両所の脇にある博多南駅が始発で、博多までは「新幹線の車輌を使った在来線の列車」として走って来ました。


博多駅から名実共に新幹線の「こだま」号になります。

 
0系は昭和39年の東海道新幹線開業時から延々20年以上、少しずつ改良されながら増備され続けました。
この「こだま」号は昭和59~60年に製造された、0系としては最後に増備された“末っ子たち”で構成されています。


0系の最新バージョンとはいえ製造後20年が経過している車輌ですが、車内は奇麗にリニューアルされていて、清潔で快適です。
車内には簡単なカウンターを備えた車内販売準備室もあります。
現在は使用されている形跡はありませんが、ここで飲み物を立ち飲みしてビュッフェの雰囲気を感じてみるのも面白いかも知れませんね。
今度やってみよう。

博多を発車した「こだま638」号は、小倉を過ぎて新関門トンネルを潜り抜け山陽新幹線を駆け抜けます。
とはいえ、そこは各駅停車の鈍行新幹線、駅毎に後からやって来る優等列車に道を譲ります。


最新型のN700系に追い抜かれ…


レールスターに追い抜かれ…


700系に追い抜かれ…


急がず焦らず、一歩一歩線路の先へと進んで行く0系「こだま」にはローカル線の鈍行列車のような風情があります。
いにしえの夢の超特急は、のんびりと旅と余生を楽しんでいるかのようです。


帝国海軍の爆撃機の流れを汲む設計と云われる先頭車の流線型形状。
柔らかな丸みを帯びたボンネットは、その後製造された形式にはない優しさを湛えているように見えます。


ロケットのノーズフェアリング(ロケットの先端部、搭載された衛星を覆っている部分)を思わせる丸い鼻。


ちなみにこれがロケットのノーズフェアリング(種子島宇宙センターに保管されている未来技術遺産「H-IIロケット7号機」のもの)。
どうです、そっくりでしょ?


博多から3時間半、「こだま638」号は終着駅岡山に到着。
「のぞみ」号なら2時間足らずで走破してしまう区間を、じっくりと足下を踏み締めるように0系は駆け抜けました。


新大阪方から到着した後輩の100系と並びます。
0系の丸かった鼻が100系から段々と尖っていき、後の500系や700・N700系へと新幹線の伝統が受け継がれていったのですね。
その礎となったのが0系、まさに「零はすべての始まり」なんですね。

岡山駅で後続のレールスターに乗り継ぎ新大阪へ、更に「のぞみ」に乗り換えて、今日は京都まで行きます。


京都駅では、残り僅か2往復となった東海道山陽新幹線直通の500系「のぞみ29」号が博多へ向かって発車していきました。
「世界一速く走る」という新幹線のコンセプトを究極に完成させた500系も、間もなく0系の跡を継いで「こだま」として第二の人生を歩み始めることになります。

世代交代の日は確実に迫り、かつての夢の超特急たちも桧舞台を降りてそれぞれ歴史の彼方へと駆け抜けていきます。

「ありがとう。お疲れ様でした。
0系新幹線。」

0系新幹線の営業運転終了まで、あと48日(平成20年10月13日現在)


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