←その1からのつづき
5月3日、今日は朝からJRと近鉄を乗り継いで、
おかえり!はやぶさ はやぶさ帰還カプセル特別展示 in富田林が行われている富田林市のすばるホールにやって来ました。
今日から3日間、すばるホールでは「はやぶさ」カプセル展示に合わせて特別講演会が連続開催。
今日は第一日目、大阪市立科学館学芸員の飯山青海先生による
『はやぶさ、出迎えました!』です。
(以下 講演レポート)
挨拶に続いて、
はやぶさの目指したもの(全体像)の説明。
イオンエンジン、自律誘導航法、微小重力下でのサンプル採取、惑星間軌道からの地球帰還について。
「NASAにリターンカプセルについて聞いたが、教えてくれなかった」とのこと。
はやぶさ年表、サンプルリターンの意義についての説明の後、
いよいよ飯山先生ご自身が総合プロデューサーを務めた
全天周映像作品 HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- (以下HBTTE)について。
はやぶさ帰還に向けて、「はやぶさプロジェクトを応援し、帰還を盛り上げたい」との想いからHBTTEを2009年の4月に公開した。
「海外からの「はやぶさ」への注目が集まっているのに、日本では誰も知らない。何とか盛り上げたいので、HBTTEをつくった。」
スクリーンで見ると「画面の向こう」のようだが、プラネタリウムのドームで見ると臨場感がある。
また、一般の人にはプロの扱う数値は解らない。誰が見ても解かるようにつくった。
当時は「はやぶさ」を知らない人が多かった。知らない人が見て欲しい。難しいことは言わず、1時間以内で全体像が解かるように。
そして「記憶に残る感動を」。はやぶさの地球帰還時に、一人でも多くの人が憶えていて欲しい。
頑張って、感動できる演出をした。
その後、飯山先生はオーストラリア・ウーメラでのJAXAのはやぶさ回収隊に参加することとなる。大学の研究者以外での参加は異例。
「私は元々、流星の研究家。はやぶさ帰還は技術的には『隕石拾い』とほとんど同じもの」
「流れ星の研究者、隕石を拾うのが得意な先生は、大学にはあまりいない。隕石は滅多に落ちてこないから」
こうして、アマチュアの隕石好きが回収隊に参加することとなった。
「日本中に2~30人、アマチュアの流れ星マニアがいる。こういう人達が参加している。私は流れ星となったはやぶさの撮影を行い、分光観測した。」
(ここでカプセル回収手順の図解)
「どんな隕石(流れ星)も、失速して光が消える。その光が消えた地点の真下に落ちる(自由落下する)。だから、光の消えた地点を観測する。」
「カプセルに搭載している電池は古い。しかも-50度まで冷えている。だから、もし電池によるビーコンが使えない場合のバックアップに光学観測を行った。」
流れ星と考えると、光学観測で数百メートルの誤差で位置を推定できる。しかし、上空に雲があった場合はどうするか?
その場合、衝撃波をインフラサウンド計測することになるので、地震学者も数名待機していた。これで雲があってもOK。
地球帰還するはやぶさの撮影は、全周魚眼レンズ(前半分の景色が全部映る)で行い(※これは大阪市立科学館プラネタリウムへの手土産としても考えておられたそう)、NC-R550aでクローズアップ。
これに、SONYのハンディカムも使用。
撮影時に使用したクルマはトヨタのランドクルーザー。オーストラリアは右ハンドルなので運転しやすい。
(ここで自身が撮影されたはやぶさ地球帰還動画の解説)
「クルマのエンジン音が入っているのは、バッテリ上がり防止の為。」
「『カプセルを撮影しなさい』と言われていた。万一、カプセルとはやぶさ本体との距離が離れていたら、カプセルのみ撮れと。
カプセルはヒートシールドが長い尾を引くから、そちらを撮る。しかし実際には、はやぶさ本体も尾を引いていた!しかも本体は途中で爆発したので、『マズイ!カプセルが爆発した』
でも途中で、右下にカプセルがあるのに気がついた。」
「地球大気圏再突入して、最初にはやぶさ本体の細かい部品が砕けて尾になった。爆発したのは、砕け難い部分なので、尾は引かない。」
「『速くて追えない!』―望遠して、ズームで撮れと言われていた。でも途中でカプセルが失速したので何とか追いかけられた。」
「流れ星は、明るくなったピークからすぐに燃え尽きる。でも、カプセルは燃え尽きないので光が消えない。」
はやぶさフィーバーを見つめて。
「今までの社会現象とは異なり、仕掛け人がいない。炊きつけるマスコミもいないし、JAXA/ISASの発表も全然遅いし。市民ひとりひとりが盛り上げた。」
「ひとりひとりが『良いもの』を見つけて、発信すること」
…以上、飯山青海先生の講演レポートでした。
明日は、“宇宙研のイケメン”こと宇宙科学広報・普及主幹、阪本成一先生がすばるホールに登場されます。
→その3につづく
5月3日、今日は朝からJRと近鉄を乗り継いで、
おかえり!はやぶさ はやぶさ帰還カプセル特別展示 in富田林が行われている富田林市のすばるホールにやって来ました。
今日から3日間、すばるホールでは「はやぶさ」カプセル展示に合わせて特別講演会が連続開催。
今日は第一日目、大阪市立科学館学芸員の飯山青海先生による
『はやぶさ、出迎えました!』です。
(以下 講演レポート)
挨拶に続いて、
はやぶさの目指したもの(全体像)の説明。
イオンエンジン、自律誘導航法、微小重力下でのサンプル採取、惑星間軌道からの地球帰還について。
「NASAにリターンカプセルについて聞いたが、教えてくれなかった」とのこと。
はやぶさ年表、サンプルリターンの意義についての説明の後、
いよいよ飯山先生ご自身が総合プロデューサーを務めた
全天周映像作品 HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- (以下HBTTE)について。
はやぶさ帰還に向けて、「はやぶさプロジェクトを応援し、帰還を盛り上げたい」との想いからHBTTEを2009年の4月に公開した。
「海外からの「はやぶさ」への注目が集まっているのに、日本では誰も知らない。何とか盛り上げたいので、HBTTEをつくった。」
スクリーンで見ると「画面の向こう」のようだが、プラネタリウムのドームで見ると臨場感がある。
また、一般の人にはプロの扱う数値は解らない。誰が見ても解かるようにつくった。
当時は「はやぶさ」を知らない人が多かった。知らない人が見て欲しい。難しいことは言わず、1時間以内で全体像が解かるように。
そして「記憶に残る感動を」。はやぶさの地球帰還時に、一人でも多くの人が憶えていて欲しい。
頑張って、感動できる演出をした。
その後、飯山先生はオーストラリア・ウーメラでのJAXAのはやぶさ回収隊に参加することとなる。大学の研究者以外での参加は異例。
「私は元々、流星の研究家。はやぶさ帰還は技術的には『隕石拾い』とほとんど同じもの」
「流れ星の研究者、隕石を拾うのが得意な先生は、大学にはあまりいない。隕石は滅多に落ちてこないから」
こうして、アマチュアの隕石好きが回収隊に参加することとなった。
「日本中に2~30人、アマチュアの流れ星マニアがいる。こういう人達が参加している。私は流れ星となったはやぶさの撮影を行い、分光観測した。」
(ここでカプセル回収手順の図解)
「どんな隕石(流れ星)も、失速して光が消える。その光が消えた地点の真下に落ちる(自由落下する)。だから、光の消えた地点を観測する。」
「カプセルに搭載している電池は古い。しかも-50度まで冷えている。だから、もし電池によるビーコンが使えない場合のバックアップに光学観測を行った。」
流れ星と考えると、光学観測で数百メートルの誤差で位置を推定できる。しかし、上空に雲があった場合はどうするか?
その場合、衝撃波をインフラサウンド計測することになるので、地震学者も数名待機していた。これで雲があってもOK。
地球帰還するはやぶさの撮影は、全周魚眼レンズ(前半分の景色が全部映る)で行い(※これは大阪市立科学館プラネタリウムへの手土産としても考えておられたそう)、NC-R550aでクローズアップ。
これに、SONYのハンディカムも使用。
撮影時に使用したクルマはトヨタのランドクルーザー。オーストラリアは右ハンドルなので運転しやすい。
(ここで自身が撮影されたはやぶさ地球帰還動画の解説)
「クルマのエンジン音が入っているのは、バッテリ上がり防止の為。」
「『カプセルを撮影しなさい』と言われていた。万一、カプセルとはやぶさ本体との距離が離れていたら、カプセルのみ撮れと。
カプセルはヒートシールドが長い尾を引くから、そちらを撮る。しかし実際には、はやぶさ本体も尾を引いていた!しかも本体は途中で爆発したので、『マズイ!カプセルが爆発した』
でも途中で、右下にカプセルがあるのに気がついた。」
「地球大気圏再突入して、最初にはやぶさ本体の細かい部品が砕けて尾になった。爆発したのは、砕け難い部分なので、尾は引かない。」
「『速くて追えない!』―望遠して、ズームで撮れと言われていた。でも途中でカプセルが失速したので何とか追いかけられた。」
「流れ星は、明るくなったピークからすぐに燃え尽きる。でも、カプセルは燃え尽きないので光が消えない。」
はやぶさフィーバーを見つめて。
「今までの社会現象とは異なり、仕掛け人がいない。炊きつけるマスコミもいないし、JAXA/ISASの発表も全然遅いし。市民ひとりひとりが盛り上げた。」
「ひとりひとりが『良いもの』を見つけて、発信すること」
…以上、飯山青海先生の講演レポートでした。
明日は、“宇宙研のイケメン”こと宇宙科学広報・普及主幹、阪本成一先生がすばるホールに登場されます。
→その3につづく
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