photo:La Torre del Oro de Sevilla ~黄金の塔~
←12:セビリア街歩き 威風堂々、スペイン広場からの続き
スペイン広場から続く道を進んで行くと、川の流れに行き着きます。
セビリアの街を貫き悠々と流れるのはグァダルキビル川です。
アンダルシア地方で最も長い大河であり、アラビア語で「大いなる川」を意味するその名は、かつてこの地がイスラムに支配されていた頃の名残です。
大西洋へと注ぐグァダルキビル川は河幅が広く外洋船も遡って航行することが出来た為、セビリアは内陸にありながら港湾都市として海上交易の拠点となり発展してきました(河川に支えられた内陸の港湾都市、という立地はドイツのハンブルグに似ていますね)。
現在のグァダルキビル川の岸辺にも、海に出ていけそうな大きな船が接岸しているのが見えます。
でも、手前に架かっている橋桁が船体より低いので、あの船は今いる場所からは動けそうにないですね(笑)
ところで、川沿いの石畳に鉄道線路が埋もれているのが気になるんですが…
謎のグァダルキビル川沿いの線路は、セビリア市民が川を眺めて寛ぐ河川公園に向かって消えていきました。
かつて、グァダルキビル川を行き交う船に物資を積み下ろしするために使われていた貨物線の廃線跡かも知れませんね。
それにしても、さすが幅が1668mmもあるスペイン規格の広軌線路。線路の上を歩くお姉さんの背丈よりも線路幅の方が広そうです。
線路の消えていく先に、塔が見えます。
あの塔まで行ってみましょう。
グァダルキビル川の畔に建つ小さな塔。黄金の塔(トーレ・デル・オロ) です。
13世紀初頭にアラブ人の手によって建てられ、当初は外壁全面にタイルが貼られ黄金色に輝いていたと伝えられているので、この名で呼ばれています。
さらに建てられた頃には川の向こう岸に向かい合うように「銀色の塔」も建っており、お互いの塔を鎖でつないでグァダルキビル川を遡って来る敵の船の侵入を防いでいたそうです。
黄金の塔は港湾都市セビリアを外敵の襲来から護る要塞だったのですね。
…ちなみにこの黄金の塔、青池保子先生の「アルカサル-王城-」の愛読者には
カスティリアの国王ドン・ペドロ1世が愛妾アルドンサを住まわせていた場所としておなじみですね~
ええ、だから僕も暑い中をわざわざここまで歩いて見に来たんですけど(笑)
…さて、まだまだ日は沈みそうにありませんが、もう夜の8時を過ぎました。ホテルに帰りましょう。
空はまだ明るいですが、街路に落ちる日影はだんだんと闇の濃さを増してきています。
初夏の夜が、人知れずこっそりと忍び寄ってきているようなセビリアの黄昏時です。
それにしても、ちょっと調子に乗って遠くまで歩きすぎたな。さすがに疲れた…
ホテルまで無事に帰る体力が残っているか、ちょっと心配…
という訳で、路地裏の自販機コーナーで見つけた、この強く効きそうな栄養ドリンクを投入(笑)
これ、日本のコンビニでもよく見かけてたけど、あまりに強烈そうなんでコワくてまだ飲んだこと無かったんだよね~
→14:セビリア街歩き 黄昏のアルカサルと大聖堂に続く
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