写真:ブルートレイン「なは・あかつき」、最後の夜明け
←ブルートレインは駆け抜けた 平成20年3月14日夜、寝台特急「なは」ファイナルラン からの続きです
平成20年3月15日
夜を徹して山陽本線を走り続けた京都行き寝台特急「なは・あかつき」最終運行列車は、兵庫県内で朝を迎えた。
終着駅京都の予定到着時刻は7:53。
昨夜の各駅での見送り客の大混雑の影響か、定時より若干遅れているようだが、それでももうすぐ列車は終着駅に到着する。
そして「なは・あかつき」は夜を駆け続けたその歴史に幕を下ろし、記憶の彼方へと旅立つ。
「終着駅になんか、永遠に着かなければいいのに…」
それでも列車は、最期の時までその使命を全うしようとしているかの如く、朝の山陽本線を軽快に駆け抜けていく。
昨夜は一晩中、1人用個室「ソロ」の車窓から星空と流れ去る夜景を見ていた。
徹夜明けの眼に、朝陽が眩しい。
夜明け前に少し朝霧がかかっていたが、陽が昇る頃にはそれもすっかり晴れて、不思議とすがすがしくて気持ちの良い朝だ。
「暁を目指して走り続けた列車にふさわしい、素晴らしい朝になったな。」
「おはよう車内放送」と、目覚めた乗客が個室のドアを開ける音、通路を行き交い、洗面所を使う水音。
いつも変わらぬ、ブルートレインの朝の音の風景が「ソロ」個室の中にも聞こえてくる。
僕の部屋は山側を向いているので見えないが、今頃列車は明石海峡大橋付近の美しい海岸を疾走している筈だ。
通勤電車と頻繁に擦れ違うようになり、列車は神戸市街に入っていく。
トアロードを跨ぎ阪急電車の高架と並走し、住宅地の谷間を縫って走り淀川の向こうに高層ビル群を眺め、終着駅へと近づいていく。
大阪駅では、向こうのプラットホームに「なは・あかつき」と同時に廃止される東京発の寝台急行「銀河」の最終運行列車が滑り込んで奇しくも同時到着となった。
「銀河」との束の間の出会いの後、「なは・あかつき」はいよいよ最終区間へと向かい一路京都駅へとラストスパートする。
最後の車内放送。
車掌さんの「なは・あかつき」への想いも織り交ぜた長い放送に、乗客の誰もが聞き入っていた。
第32列車寝台特別急行「なは・あかつき」最終運行列車は、定刻より若干遅れて終着駅京都に到着した。
向日町の基地へと引き揚げていく「なは・あかつき」編成を、乗客は最後まで見送っていた。
日本本土への復帰を願うウチナーンチュとヤマトンチュの想いを乗せて、高度成長の希望に輝く暁を目指して、それぞれに夜を駆け抜けたブルートレインは今、旅人の記憶の彼方で永遠に輝く碧い星になった。
旅の想い出をありがとう碧い地上の星たち。ありがとうブルートレイン。
そして…「僕に旅への憧れを教えてくれてありがとう。これからも、僕は旅を続けるよ。」
乗客に配られた、「なは・あかつき」号乗車記念カード
ありがとう、「なは」。そして「あかつき」。
僕は忘れない、いつまでも…
小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています
「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています
COUNTER from 07 NOV 2007
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平成20年3月15日
夜を徹して山陽本線を走り続けた京都行き寝台特急「なは・あかつき」最終運行列車は、兵庫県内で朝を迎えた。
終着駅京都の予定到着時刻は7:53。
昨夜の各駅での見送り客の大混雑の影響か、定時より若干遅れているようだが、それでももうすぐ列車は終着駅に到着する。
そして「なは・あかつき」は夜を駆け続けたその歴史に幕を下ろし、記憶の彼方へと旅立つ。
「終着駅になんか、永遠に着かなければいいのに…」
それでも列車は、最期の時までその使命を全うしようとしているかの如く、朝の山陽本線を軽快に駆け抜けていく。
昨夜は一晩中、1人用個室「ソロ」の車窓から星空と流れ去る夜景を見ていた。
徹夜明けの眼に、朝陽が眩しい。
夜明け前に少し朝霧がかかっていたが、陽が昇る頃にはそれもすっかり晴れて、不思議とすがすがしくて気持ちの良い朝だ。
「暁を目指して走り続けた列車にふさわしい、素晴らしい朝になったな。」
「おはよう車内放送」と、目覚めた乗客が個室のドアを開ける音、通路を行き交い、洗面所を使う水音。
いつも変わらぬ、ブルートレインの朝の音の風景が「ソロ」個室の中にも聞こえてくる。
僕の部屋は山側を向いているので見えないが、今頃列車は明石海峡大橋付近の美しい海岸を疾走している筈だ。
通勤電車と頻繁に擦れ違うようになり、列車は神戸市街に入っていく。
トアロードを跨ぎ阪急電車の高架と並走し、住宅地の谷間を縫って走り淀川の向こうに高層ビル群を眺め、終着駅へと近づいていく。
大阪駅では、向こうのプラットホームに「なは・あかつき」と同時に廃止される東京発の寝台急行「銀河」の最終運行列車が滑り込んで奇しくも同時到着となった。
「銀河」との束の間の出会いの後、「なは・あかつき」はいよいよ最終区間へと向かい一路京都駅へとラストスパートする。
最後の車内放送。
車掌さんの「なは・あかつき」への想いも織り交ぜた長い放送に、乗客の誰もが聞き入っていた。
第32列車寝台特別急行「なは・あかつき」最終運行列車は、定刻より若干遅れて終着駅京都に到着した。
向日町の基地へと引き揚げていく「なは・あかつき」編成を、乗客は最後まで見送っていた。
日本本土への復帰を願うウチナーンチュとヤマトンチュの想いを乗せて、高度成長の希望に輝く暁を目指して、それぞれに夜を駆け抜けたブルートレインは今、旅人の記憶の彼方で永遠に輝く碧い星になった。
旅の想い出をありがとう碧い地上の星たち。ありがとうブルートレイン。
そして…「僕に旅への憧れを教えてくれてありがとう。これからも、僕は旅を続けるよ。」
乗客に配られた、「なは・あかつき」号乗車記念カード
ありがとう、「なは」。そして「あかつき」。
僕は忘れない、いつまでも…
小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
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「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
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COUNTER from 07 NOV 2007
「あかつき」について一番古い記憶は、筑豊本線を経由する便の写真を撮るためにわざわざ出かけていったことです。確かえらく早起きして出かけたような。鳥栖と原田の間をウロウロして、本州からの寝台を撮影したことも。残念なのは、EF66になった頃は地元を離れていたので、結局写真は撮れずじまいだったこと。
あと、関西方面に親戚がいた関係で「金星」、「なは」、「月光」はちょくちょく乗りました。これも懐かしい思い出です。個人的には583系は好きな車両です。食堂車もついていたのですが...。
一応今年の目標は、「はやぶさ」に乗ることと、餘部にもう一度行くことです(^_^)。先月、関西への出張の帰りに「銀河」は乗ったので。
京都到着前のお別れ放送、生憎僕のデジカメが動画だと1回30秒しか収録できないので、こま切れ動画をズラッと重ねて貼ってみました。順番に再生するのは手間で申し訳ないんですが、旅を終えようとしている「なは・あかつき」車中の雰囲気を感じて頂けたら幸いです。
筑豊あかつき、ありましたねぇ!
確か、佐世保行き編成を門司で分割して長崎行き列車を追うようなスジで運行していたと思います。
残念ながら僕が「乗り鉄」を始めた頃には既に筑豊経由は廃止になっていたのですが、飯塚駅や直方駅、桂川から冷水峠越えの区間を乗りつぶししていて「本当にこんな非電化路線を14系15型が走ってたの!?」と驚いたのを憶えています。
>鳥栖と原田の間をウロウロして
ブルトレ黄金期には、この区間だけでも凄い数のブルトレが行き交ってたんですよね!
しかも「あかつき」や「明星」はそれぞれ3往復くらいあったような…凄過ぎる…
583系は小学生の頃に八代駅にすべりこんで来た「有明」が583間合いで、その車体のデカさとブルーラインのカッコよさに痺れたなぁ!
それに今でも「きたぐに」で乗れる(色が違うけど。。。)のがいいですね。
>今年の目標は、「はやぶさ」に乗ることと、餘部にもう一度行くことです(^_^)
おお、「はやぶさ」もおそらくあと1年の命ですし、是非乗って下さい!
僕も「また『はやぶさ』に乗って来ますね」と的川先生に約束したので、夏の宇宙研一般公開には「はやぶさ」に乗って行きますよー!
餘部もそろそろ架け替え工事が本格化するので、行くなら今ですよね。
行かれたら、お話聞かせて頂けたら嬉しいです。
寝台列車を続けるのなら、ヨーロッパのシティ・ナイト・ラインぐらいのことをしないと無理でしょうね。
ローカル線や夜行列車など、古くからの「鉄道らしい鉄道」が次々に消えていきます。
全てにおいて「効率」「経済性」が最優先され、何事においても「コストを切り捨て」て「競争」しないといけない現在の日本社会では、古き佳きものやロマンは生き残ることすら許されないのでしょうか…
>ヨーロッパのシティ・ナイト・ライン
そうですね、日本でCNLに近いサービスを実現したサンライズEXPには今後頑張って欲しいと思っています。