ワシントンD.C. ナショナル・モールの冬の昼下がり
←#17:国立自然史博物館からの続き
国立自然史博物館を出ると、外は青空にうろこ雲が広がる穏やかな冬の昼下がりです。
ナショナル・モールを突っ切り、国立自然史博物館の向かいにあるスミソニアン協会本部“キャッスル” の前にやって来ました。
“キャッスル”の裏には、小さな美術館の建物がいくつか並んで建っています。
どれも、とても小規模なギャラリーなのですが、これらもスミソニアン博物館群の一員です。
世界の森羅万象全てを扱うスミソニアン博物館は、航空宇宙科学や生物学・地学等の巨大博物館だけではなく、人類の美の至宝を収めた幾つもの美術館も持っているのです。
これは、スミソニアン博物館の美術館群の一つであるフリーア美術館。
フリーア美術館は、東洋の古美術品を中心としたコレクションが展示されています。
特に日本の屏風絵や陶磁器 は素晴らしく、国宝級の品が揃っていて見応えがありました。
中でも、僕が驚いたのがこの焼き物。
扇子を象った、如何にも風雅なこの逸品。
作品に添えられた英文の説明を読むと、何と…!
僕の自宅のある、熊本県の八代(Yatsushiro)で焼かれたものとのこと!
まさか、地元の片田舎でこんな素晴らしい物が焼かれていたなんて、全く知りませんでした。
世界に名立たるスミソニアン博物館で価値を認められ、大切に展示してもらえている、僕の地元で生まれた銘品たち。
とても幸せな焼物たちです。
見ていて僕まで、とてもあたたかな気持ちになりました。
フリーア美術館は地下回廊で、隣接するサックラー・ギャラリーとつながっています。
サックラー・ギャラリーはインドから中東、オリエントの古美術品のコレクションを擁しており、さらにその隣の国立アフリカ美術館とも地下でつながっているので、全体としてアジアからアフリカまでを網羅する巨大な地下美術館を形成しているのです。
冬の昼下がりを、ワシントンD.C.のナショナル・モールの地下に広がるオリエンタルな美術回廊をさまよい歩きながら過ごして、地上に出ると既に日は暮れていました。
「ああ、きれいな物を沢山見たので、お腹がすいたな~。今夜はなに食べようかなぁ?」
→#19:ワシントンD.C.のチャイナタウンで海鮮中華!に続く
多分、八代窯で焼かれた逸品が世界に冠たるスミソニアン博物館に収蔵されてるなんて地元八代の人は殆ど誰も知らないと思います。僕も知らなかったし。
僕は焼き物は焼かないけど、書道なら少々…
(あっ最後に作品を書いたのは大学生の頃だから、もう20年位筆も握ってないやorz