三ツ星温泉

温泉を星なし~三ツ星まで勝手に評価していきます!
初めての方はカテゴリー「はじめにお読みください」をご覧ください。

松代温泉 加賀井温泉一陽館 ★★★+

2019年01月25日 | 長野県の温泉
ふらっと寄ったことを後悔した温泉である。
もっと、事前調査をしてから行くべきだったと。

JR長野駅から車で20分程の場所にある町が松代だ。
上信越道の長野ICがある町でもあり、車利用の場合には寄りやすい町である。

古くは海津城と呼ばれ、真田の時代に松代城があったことは、歴史マニアからすると有名だろう。

しかし、温泉マニアに有名なのは、この松代温泉である。
日帰り、宿泊施設が数件あるが、箱根等の観光地とは程遠い街並みであり、どちらかと言えば住宅街であるのだが、泉質はとても個性的で、この加賀井温泉一陽館は特に有名である。
まぁ、筆者はそれを後で知ったわけだが。

加賀井温泉とは、ここら一体の温泉の昔の名前なのだそうだ。
この一陽館だけは、公称が松代温泉に変わった後も加賀井温泉と呼んでいる施設である。

長野IC方面から松代温泉のエリア内に入り、交差点の正面奥の方にあるのが加賀井温泉一陽館だ。
公共交通機関は、長野電鉄屋代線の廃止後は、バスでのみ松代駅に向かうことが出来る。
旧松代駅からは徒歩10分くらいの道のりだ。

駐車場に着いた時点で、この温泉の凄さを感じることとなる。
道の側溝が、赤茶色だ。
温泉成分の所為であることは明らか。

そして、古びた木造の建物が並ぶ。
左手の建物で400円を支払うと、おじさんに「初めてかどうか」を聞かれ、「初めて」と答えると、利用方法とありがたい温泉の説明を受けることとなる。
その時間は約5分。

最初に言われるのは、療養泉であり体を洗ったりすることは出来ないこと。
そして、その効能や、源泉の種類も伺うことが出来た。
印象的なのは、家庭の浴槽に炭酸入浴剤を80~100個くらい入れた効能があるという言葉だった。

一通り説明が終わり、最初に入るのは木造の男女別内湯である。
入ると、細長い浴槽があるのみだが、これが相当インパクトがある。
浴槽の回りは、温泉の成分で出来た堆積物で覆われ、こてこてのツルツル。
浴槽は木造らしいのだが、それが全く分からないくらい成分で覆われている。

浴槽へは、2つある源泉のうち、温かい方の3号泉(?)が常に大量に注がれている。
丁度良い湯温で、ずっと入っていられるし、そうしたくなる。
常連さん曰く、いつまで経ってものぼせないそうだ。
湯口に顔を付け目を開くと、その疲れも取れる。

そして、屋外の混浴野天風呂にも移動した。
混浴と聞こえは良いものの、かなり個性的である。

なんと、内湯から野天風呂までは、目隠しも屋根付きの通路も何もない。
内湯の脱衣スペースにサンダルが置いてあるので、タオル1枚で前を隠しながら10m程普通に歩くこととなる。
女性はバスタオルを巻いて歩くのだそうだ。
その先にある野天風呂もまた、泉質が極めて個性的で、そのタオルは一瞬で赤褐色に染まる。

野天風呂は2層あり、左側は内湯とは別のぬるい源泉(炭酸あり)が直に注がれている。
右側は、内湯の温かい源泉と野天のぬるい源泉の混合泉で、熱くも冷たくもなく絶妙な泉温をキープしている。
常連さんはこの湯に最低でも1時間、内湯にも1時間は入って帰るそうだが、筆者も時間があればそうしていただろう。

管理人のおじさんも含め、極めて個性の強い温泉ではあるが、お客さんは絶えない。
お世辞にも綺麗とは言えず、家族で来ることははばかられる施設だが、健康志向の高い人や温泉通にはたまらないからだろう。

筆者は1時間ほどの滞在だったが、それだけでも体が軽くなり、その日一日は体調が良かったように思う。
顔の肌は1週間経った今でもツルツルスベスベだ。

混浴野天、昭和の色濃い内湯の変わった雰囲気など、加点とも減点とも言える評価ポイントはいろいろあるが、効能が超高いだけでなく湯量も豊富(つまり新鮮)な源泉が2つもあるという奇跡に、最上級の三ツ星温泉+を惜しみなく付けたい。


★★★+ 含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性 中性 温泉) 自家源泉湧出量700L/分
長野県長野市松代町東条55番地
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

毒沢鉱泉 神乃湯(秘湯) ★★★

2019年01月23日 | 長野県の温泉
硫黄泉や塩化物泉と言った普通の泉質の源泉が多い諏訪地区において、とりわけ個性的なのがこの毒沢鉱泉だ。
名前にも相当インパクトがある。
泉質は、非常に珍しい含鉄(Ⅱ)-アルミニウム-硫酸塩冷鉱泉(酸性低張性冷鉱ph2.5)で、泉温はたったの2℃。



旅館の受付で料金800円を支払うと、奥へと通される。
離れになっており、良い雰囲気だ。

神乃湯では、冷たい源泉がそのまま注がれる浴槽と、加温循環の浴槽に分かれている。
加温した方は、酸化して赤褐色のお湯である。

冷たい源泉は飲泉も可能で、注ぎ口に柄杓が置かれている。
数々の温泉ブロガー諸先輩方もその味を表現しているのだが、とにかく個性的だ。
唯一無二の存在だろう。
レモン汁のような甘酸っぱさと、下に残る渋さがある。
この渋さは、珍しい泉質の要因でもあるアルミニウムの影響と思われる。




諏訪の温泉の一つとは言うものの、毒沢鉱泉は山の中腹にあるため、市街地から少しだけ距離がある。

諏訪大社下社春宮の横を通り、急な坂道や住宅街の狭い道を抜けて行く。
随所にある案内板を頼りに車を走らせると、たどり着くことが出来るが…
道の終点となる施設にたどり着く最後の200メートル程が、劇的に道幅の狭い急坂になっている。
1速でアクセルを踏みながら登っていく。帰りはスリルすら感じた。

下諏訪の中心地から10分程。
気づけば、御柱祭りの最大のハイライトである下社の木落坂の近くまで来てしまっていた。
秘湯感の漂う、忘れることの出来ないであろう三ツ星温泉である。


★★★ 含鉄(Ⅱ)-アルミニウム-硫酸塩冷鉱泉(酸性低張性冷鉱ph2.5)
長野県諏訪郡下諏訪町社7083
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下諏訪温泉(高木3号井) 矢木温泉 ★

2019年01月22日 | 長野県の温泉



諏訪市のお隣下諏訪町も、上諏訪と同様に源泉が豊富だ。
御柱祭で有名な諏訪大社の下社春宮、下社秋宮のある町の中心部には、いくつも公衆浴場がある。
矢木温泉はその一つだ。

江戸時代からあるとされている他の公衆浴場に比べ、有名ではないが、国道20号沿いにあるので、比較的簡単に見つけられるだろう。
(国道とは言っても、この区間は町の中を細々と走っており、道幅も狭いのだが)
駐車場は広く、10台弱程度のスペースがあったように思う。

暖簾をくぐると番台の跡があるので、そこで230円をポストに入れて支払う。
直ぐに脱衣所で、浴室もすぐだ。脱衣所は10畳も無いだろう。

浴室は湯船が一つあるだけのシンプルなもので、その周りに洗い場がある。
椅子や桶は入り口付近に置いてあり、使いたい人が持っていくのだが、常連さんは、そのまま床に座り体を洗うのが常識なようだった。

もちろん、シャンプーの類は一切置いていないので、持参する必要がある。

泉質は塩化物泉(ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉))で、源泉掛け流しのお湯は無色透明無臭ヌメリなし。サラリとしたお湯だ。
湯量が絞られており、湯温は適温だと感じた。

230円で、源泉かけ流しのお湯に入れる贅沢。
地元民は当たり前のように使っていたが、うらやましいと感じずにはいられなかった。



★ 塩化物泉(ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)) 源泉供給量は不明
長野県諏訪郡下諏訪町矢木東219-25
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上諏訪温泉(七ッ釜配湯センター) 湖畔公園足湯 ★

2019年01月21日 | 長野県の温泉

諏訪湖を望む湖畔公園内にある。

駐車場から直ぐなので、ドライブ中にも行きやすい。
上諏訪駅から歩いても、10分かからない距離だろう。

ここの足湯は、隣接する七ツ釜配湯センターからお湯を引き入れている。
なお、七ツ釜配湯センターは、温泉の成分表を見る限り、4つの源泉から成るようだ。
(三ッ釜第一源湯、三ッ釜第二源湯、あやめ公園源湯、柳並源湯混合泉)
泉質は、単純硫黄温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で、ほのかに硫黄臭が香る程度だ。

水深は20cmもないだろう。もう少し深さが欲しいところだが、じわじわと温まってくる。

湖畔足湯と言うだけあって、目の前は公園を少し挟んで、諏訪湖が広がる。
晴れた日には、最高の景色となる。春や秋が気持ちよく入れる時期ではないだろうか。
筆者が訪れた日(blog開設前にも行っているので2回目だが)は、あいにくの天気だったため、見ての通りだ。
天気が悪いと、このように頭の上に屋根があるエリアに人が集まる。


晴れた日には、40~50人が入れると思う。
気候の良い日の諏訪観光の際には、立ち寄ってもらいたい足湯だ。


★単純硫黄温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) 供給湯量14.4L/分
長野県諏訪市湖畔通り2
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石畳源泉 石畳足湯 ★★★

2019年01月05日 | 愛知県の温泉

愛知県豊田市(旧藤岡町)の山中にある足湯だ。
アクセスはかなり悪く、猿投グリーンロードの中山I.Cか東海環状道の豊田藤岡I.Cが最寄になるが、いずれもI.Cから30分弱かかるだろう。
公共交通機関で行くのもかなり大変で、豊田市駅からコミュニティバスを乗り継いでいくことになる。

この足湯は、石畳ふれあい広場の一画にあり、無料で入ることが出来るのだが、レベルが高い。
筆者は3度も行ったリピーターである。
つまり、わざわざ行く価値があるということだ。

まず、広い。
湯温も丁度良く、足湯でありながら深さもあり、芯から温まることが出来る。
そして、施設がきれいだ。足湯のためだけにあるとは思えないレベルである。

泉質は、アルカリ性単純弱放射能温泉(低張性アルカリ性低温泉)で、無色ほぼ無臭で少しとろみがある。
なんと温泉スタンドもあり、ポリタンクを持参すれば、50円で100Lまで温泉を持って帰ることも出来る。
石畳源泉には日帰り入浴施設や旅館などが無く、この足湯と温泉スタンドのみのため、肩まで浸かりたい人は、ポリタンクをたくさん持っていき、自宅の風呂で沸かしてほしい。


長閑で、少し小旅行をした気分にもなれる。
泉質や湯温も良く、ずっと居たくなる。小説や漫画を持っていくと良いだろう。
広いため、周りが気になることはない。足湯でありがちな順番待ちしている人を気にすることもないのだ。

2019年1月現在、筆者が訪れた足湯の中でトップに君臨する足湯である。
足湯でありながら堂々の三ッ星である。

★★★ アルカリ性単純弱放射能温泉(低張性アルカリ性低温泉)自家源泉湧出量80.4L/分
愛知県豊田市石畳町池ノ平318−1
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湯屋霊泉 バーデンパークSOGI 曽木温泉

2019年01月04日 | 岐阜県の温泉

岐阜県土岐市と愛知県豊田市の、山中の県境付近を走る国道363号線。
その途中に、バーデンパークSOGIがある。
現在は日帰り温泉施設だが、この場所の温泉の歴史は700年近くあるらしい。

場所はどこから近いと言えば良いのか。

中央道の土岐IC、東海環状道の土岐南多治見ICか、いずれも遠く30分弱かかるだろう。
公共交通機関はほぼ無し。1日1本程度僅かながらのコミュニティバスが、土岐市駅から出ている程度だ。
交通の便は極めて悪いのだが、この付近に小綺麗な温浴施設がないからか、空いている印象はない。

中に入ると、高い天井のロビーと食堂があり、その奥に浴室と水着着用のプールがある。
この施設の最大の特徴は、このプールをはじめとしたスポーツ施設だろう。
トレーニングジムもあるくらいだ。

浴室はこれと言って特徴がなく、よくある温浴施設だ。
露天風呂は、風呂以外の面積を大きくとっている設計で、少し違和感がある。
また、露天の薬湯は、市販の入浴剤が入っていて衝撃を受けた。

内湯と露天に、それぞれ1か所ずつ温泉の風呂があり、泉質はこの辺ではよくある含放射線系だ。
無色無臭だが、風呂から出た後に、しばらく保温力を感じることが出来る。

550円と低めの料金設定だが、交通の便が悪いことを考えると妥当と思う。

際立った個性もなく、何よりも薬湯に入浴剤を入れているのは衝撃である。
施設はきれいだが、星なしとせざるをえない。


岐阜県土岐市曽木町1300番地の1
アルカリ性単純弱放射能温泉(低張性ーアルカリ性ー低温泉) 自家源泉湧出54.5L/分
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする