My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

アメリカの大学院の学生の傾向-TAやってて思うこと

2010-02-13 22:57:37 | MBA: 研究&TA

ご無沙汰してます。
こちらは土曜の朝。
今学期二週目の今週は、怒涛の忙しさで全くブログに手をつける時間がなかったです。

毎学期そうだけど、2週目に入ると課題が多くなってくるのに加え、イベントが増えたりする。
しかもだいたい自分が幹事をやってるもんだから、忙しさが増す。
先週末から、スコッチウィスキーの会、ワインクラブのテイスティング会と、自分がTAやってるクラスのオフ会、と三つも幹事をやっていた。
加えて、TAの仕事も増えてきたし、修士論文も加速してきた。

日本人MBAの2年生最終学期となれば、単位も取り終わってゴルフと旅行三昧というのがあるべき姿では(笑)?
それなのにTA2本を引き受けて、修士論文まで書いてる私。
Mなんだろうか(笑)

今週末は三連休。
頑張ってエントリを色々書いてみるので、応援よろしくです♪ (ブログランキングのクリックとか)

まずは、TAをやってて気が付いたことから書いてみるデス。

1.アメリカの学生ってTAを使い倒す

MBAでは、どの授業にもTA(ティーチングアシスタント)がつく。
先生の授業準備の手伝いをしたり、学生の提出物を評価したり、
授業中の学生の発言をカウントしたり(MBAは授業での貢献が大切な評価のひとつだから)
学生の質問に答えたり、プロジェクトをサポートしたりなどなどが仕事である。

実は、私も他の日本人と同じく、余りTAに質問したり相談したり、という経験がなかった。
質問があれば教授に直接聞いていたし、分からないときは自分で調べたり考えたりすることの方が多かった。

ところがアメリカやヨーロッパの学生はTAを使い倒すらしい。
先週、授業が開始した頃から、学生からの質問や相談のメールが一日に10通以上届くようになった。
授業が終わったあとも、私に相談するための学生の列が出来たりする。

内容は
「この授業と別の授業のどちらを受けるか迷ってる。アドバイスが欲しい」
「授業のプロジェクトのテーマに何を選ぶか迷ってるので、相談に乗って欲しい」
「先生の説明していたこの概念が分からないので、詳しく載っている本とかを教えて欲しい」
といった、授業に関する内容から
「自分はこの分野に興味があるが、MITの授業で他に受けた方がいいものはあるか?」
「誰かいい教授を紹介してもらえないか?」
など、TAの私よりアカデミックアドバイザーに聞くべき質問まで幅広い。

私がこのブログで有名にしてしまった(汗)韓国人の親友のWが、以前こんなアドバイスをくれた。
「TAが始まったら、学生のメールには出来るだけ早く返事をしろ。でないとすぐにこのTAはダメだ、と噂になってしまう」
私自身もクラスメートから「あのTAは不真面目で使えないからダメだよ」みたいな発言を何度も聞いたことがあったので、これは説得力があった。
そんな風には言われたくない。
で、質問には出来るだけ早く返信するようにしていた。

でも、逆に「あのTAは割と使える」ということになると、質問が殺到するんじゃないか?と思った。
前よりメールがどんどん増えてるように思う。
人に頼りにされるのは好きなので、やりがいはあるけど、なんかホントに仕事みたいだ。(仕事だけど)

メールの返事は丁寧にやってる暇が無いので、要件のみ返信。
おかげで、端的なメールを書く習慣がついたように思うので、それは良かった。

こっちの学生は、TAというのがただの「役割」であって学生としては対等、エライわけでもない、と分かっている。
で、使えるものは使う。
「同じ学年の学生に、相談するのは恥ずかしい」というキモチは無い。
それで、役に立てば、「有難う」と返す。
(もちろん「君はいい仕事してるよ」と上から目線で返事をくれる人もいるが、これが対等であることの証なんだろう)
確かにそのほうが世界が広がるよね。

私も、学生から来たメールで「TAの使い方」を色々学べたので、あと一学期間だけど、他の授業に生かして、他のTAを使い倒そうかと(笑)思ってる。

2.学生がプログラム別・出身別に固まるのは日本人と同じ

私の受け持ってるクラスのうち片方は、学生がプロジェクトチームを組んで研究を行うことになっている。
クラスには、MBAの人、Sloan Fellowsというシニアな一年制のプログラムの人、SDMというエンジニア向け技術経営のプログラムの人、さらにノルウェーからのVisiting Fellowが10人いる。
MBAを除くと、年齢層が高く(40代の人も結構いる)、バックグラウンドが多様なのがクラスの特徴だ。

これが放っておくと、プログラムを超えてチームが出来る、ということがほとんど起こらず、プログラム別に固まる。
やはり社会人を10年、20年とやって来た30代、40代の方に、「他の学生に声をかけて、チームを作ってくれ」なんてMBAみたいなこと言ってもなかなか難しいのは、どこの国も同じなのだ。

MBAでは「日本人や韓国人は、自分の国だけでチームを作る人が多くてよくない」ということをよく聞く。
あれは日本人だから・韓国人だから、ではなく、年齢の問題だと私は思っている。
日本・韓国は社費が多いので、通常のMBAの学生よりは年を取っていることが多い。

年をとると、知らない人や若い人に話しかけてチームを作ろうなんてなかなか言えなくなる。
ましてやネイティブでなければ、言葉の壁もある。
かといって、若い人は若い人どおしで楽しくやるので精一杯で(特に男の子が女の子に声をかけるので精一杯)
経験を積んだオジサンに声をかけようとしないのも、どこの国でも一緒。

その結果、若い人は若い人だけ、30代・40代は出身地別に固まったチーム構成が出来る。
興味対象によるチーム分けではなく、年齢と出身地別のチーム構成になるのだ。

こういう現象を他の授業で見てきて、せっかく豊富な経験を積んだ、様々なバックグラウンドの人がたくさんいるのに、興味対象ごとに混ざらないのはもったいない、と思っていた。
それで、TAになったこのクラスでは、クラスのオフ会(Class mixer)を主催してみた。

30人のうち、遠隔で参加してる5人と都合が悪かった5人を除く20人が参加。
教授のお金で頼んだ食べ物と飲み物を教室でつまむ小さなパーティだ。
まるで小学生のクラスみたいで申し訳ないながら、最初に全員に自己紹介させたら、それなりに盛り上がったし、その後も自分の興味のある人に声をかけて交流していた。

その結果、普段は話さないような違うバックグラウンドの人との交流も進んだようで、
プログラムの枠を超えたチームがいくつも出来た。
ノルウェーから来たVisiting Fellowの一人(45歳)は、
「他のクラスでは、結局いつもノルウェー人だけでチームを組むことになってしまっていたが、今回は自分の興味のある分野の人とチームが組めて非常に良かった」
と言っていた。

どの国でもこういう会で交流を深めるのは大切だってことなんですよ。

そんなわけで、TAの仕事は大変ながらも、楽しみつつやっている。

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2 Comments

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日本人留学生の偏在 (takayosi(singapore))
2010-02-15 00:24:26
ご無沙汰しております。いつも楽しく拝見しております。

今日は、シンガポールのChinese new yearでした。現地の方は、家族と過ごす文化なため、街中は閑散としておりました。

さて、シンガポールの日本人の語学留学生は、割と多いですがやはり日本人同士で集まる傾向が強いようです。

理由は、僕もやはり年齢な気がします。
うちのクラスも他の学校も30代の方々は、国に関係なく集まり、授業を必死で聞いておりますが、割と若い世代は、日本人含めラオスやタイの方もカンニングしたり遊ぶほうに集中するほうが強いようです。
これは社会経験とかにる時間に対する価値観の違いだと思っております。

さて、私の語学留学の場合、実践訓練以前の予備知識自体が不足しているので、むしろ日本人で固まる以前に時間がもったいないので自分で机に向かってるだけの生活ですが。

ここ最近ですが、リーディングの時間が足りなさすぎてやり方を変えねばと思っています。みんな最初の一行だけ読む技を使われてるのでしょうか。。。?
もしご都合よろしければ教えてください!
お久しぶりです (Lilac)
2010-02-15 04:38:24
>Takayosiさま

どうやら韓国でもLuner new yearを祝うらしいです。
昨日はルームメートが友人の韓国人を呼んでパーティをやっていました。

>リーディングの時間
私も全く同じ問題を常に抱えていますが(笑)、とにかく5分、10分と見つけた時間も無駄にしない。
ネットやってないで、本読むのに時間使う、とか、気をつけてます(笑)

最初の一行読むのは、大枠を捕らえることがとりあえず大切な場合は使えると思いますよ。
ただ内容が濃いものは難しいときがありますね。
私は内容の薄いビジネス本などは、最初の一行どころか、章の最初と最後しか読まなかったりしますが、データまで細かく読まないとならないリーディングは全部読んでますね。

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