MINOKICHI JP   Tokyo Japan

毛玉生活満喫中?
濃すぎるポーリッシュ・ローランド・シープドッグのお話。

怖い怖い記憶違い

2015-06-25 23:25:44 | 日記
飲んで帰ってきたら2時半。12時半に家を出たから、こんな時間でもまあ普通。で、帰宅後に連れ出すのは雄二頭。



くるくる回りながら「ママッ、お帰り~」とばかりに外に飛び出してくる伊作とフレイの就寝前排泄だ。リードを自分の首にかけ、うんち袋を握って10分程の小散歩。
商店街に住んでいると言っても、小道に入ればそこは住宅街。車が来ればヘッドライトでわかるし、往来の人も少ない。ノーリードでテケテケ・シャー、テッテケ・シャッシャーだ。
行き過ぎれば「あとへ」の号令で戻って左につき、またまた先行しては戻る散歩だから、5メートル以上先に行くことはない。

ところが再三の「あとへ」の号令を無視したフレイが視界から消えた途端、「ひえええええっ!」と、叫び声なんだかため息なんだか驚嘆なんだかよくわからない押し殺した声が響いてきた。
慌てて追うと、ステテコにランニング姿の御仁がパピヨンを両の腕で高々と掲げ、「なんなんだよおおっ!なんだってんだよおおおっ!」とフレイを牽制しているじゃないの!後塵を喫した伊作がそのパピヨンに興味を持って御仁に手をかけた瞬間、「すみません、ご迷惑をおかけして。襲うような犬達ではないので、ご安心ください。」と、ひっぺがしたのだが・・・人も犬も好きな犬はこの現状が理解できずに、またしても二本足で御仁に手をかけてしまったのだ。



「びっくりだよ、なんなんだ!!この犬はもうダメなんだよっ!」

御仁の犬はよく見れば舌も口元からこぼれ、目も真っ白な老犬だった。自力で立つこともできない老犬の排泄介助をしていたらフラフラと野犬が現れ、びっくり仰天といったところなのだろう。
丑三つ時をとうに過ぎた中、御仁の叫び声も低デシベルだし、弁解する私の声も低デシベル。寝静まった住宅街で騒ぎを起こしたくないという気持ちは一緒だったようだ。

首根っこを掴まれた伊作は「ひいっ」とそれこそ低デシベルな叫び声をあげて地面に伏せをし、フレイは何でこんなに歓迎されないのか困惑して座り込んでいた。
「申し訳ないです。こんな時間ですから、どなたもいらっしゃらないかと油断していました。」
手間取りながらリードを付ける間も動くことなく固まったまま、叫び声も威嚇音も発さない2頭。もともと大きさの違いはあれど、御仁も犬好きなのだろう。ちょっと安心したのか、掲げ持っていたパピヨンを胸元に下ろしつつ、興味津々で聞いてきた。

「ねえ、この犬なんてーの?」
「ポンといいます。」
「ん?ポントニー?」
「いや、ポンというんです。」
「ポントニデス?」
「いやいや、ですから、ポンです。」
「ポンデス!?」

・・・何でこの人は敬体語尾まで一緒くたに聴いてしまうのだろうか。



我が家の毛玉達はパピヨンや御仁に噛みつくようなタイプではないが、大きさがある程度ある。いけないと言い聞かせても「おじちゃんっ(おばちゃんっ)」とか、「あの犬かわいいっ!(好きっ!)」と仁王立ちしてしまうのが問題だ。バランスを崩して転ばれでもしたら、救急車・警察・賠償と大変なことになる。
一仁王立ち、一本。要するに1回の仁王立ちが老人の大腿骨等の骨折に結びつけばとんでもない金額になるということだ。

御仁が興味を持って撫で始めたら終わりだ。愛に飢えた犬達は御仁を転ばして、自分の体を擦り付けながら甘えるかもしれない。
「違うんです、ポンっていうんです。ポーリッシュ・ローランド・シープドッグ。ポンです。」
言い放ち、その場を離れることにした。

「ポンデス・・・???おおっ、スイカだ!スイカみたいだねえっ。」
御仁はポンと膝を打って合点が行ったようだったが、私には全く理解できず。
お愛想笑いを浮かべつつ、闇夜に紛れて小走りに家に戻り・・・考えた。ずーっと考えてみた。
で、わかった。


それって「アンデス」だってば!!メロンだっつーの!!