『さてと、せっかく日本から来ているんだから色んなポンを見せたいと思うんだけど、どう?』
そんなカティスの言葉で私達はブライトホワイト犬舎に向かうことになった。
『実はね、これから行く所にはヴォッコのおばあちゃんとひいおばあちゃんがいるのよ。ついでにパパのハグリッドも向こうに来てくれるって。それだけじゃないわよ~、今ポーランドからアラーシュが来てるの!!』
アラーシュとはポーランドを代表する雄ポンである。ありとあらゆるチャンピオンタイトルを取った彼は4歳になっており、数ヶ月の約束でスウェーデンに貸し出されているのである。
『アラーシュは名実共に今のポーランドナンバーワンだから、よーく見ておきなさいね。』
そりゃそうだ。日本に住んでいる以上、こんなチャンスは滅多にあるものじゃない。
既に21時になろうとしているのに、外はまだまだ明るい。
車で約1時間。着いた先は砂利が敷き詰められた広大な駐車場。スウェーデンの上流階級とあって、カティスが切望する赤い壁と白い線の入った大きな家だった。
主人のルイーズは犬舎の傍ら、小学生や海外からの旅行者に自然学習を行う会社を経営しているそうだ。ヨーロッパ各地で行われるドッグショーの審査などもしていて、ポンの世界では著名な女性である。
車から降りると、白グレーのポンが出迎えてくれた。これがヴォッコの父、ハグリッドである。
ブライトホワイト犬舎から出て、現在の飼い主とショーを転戦。スウェーデンチャンピオン・ノルディックチャンピオンを成立させている、2006ポンオブザイヤー獲得犬だ。22.3キロあるそうだが、触っても骨を感じるくらいだから太ってはいない。手足は太く、素晴らしい毛並みである。パパに似ればヴォッコもかなりの大きさになるはずだが・・・ん?パパは目がとっても大きいけど・・・ヴォッコの目ってこんなに大きかったっけ?
せっかくだから記念写真を撮ろうと思ったら・・・でっ、出た~!!!勝手に一人で記念写真に納まってるおばさんがっ!!
「んふふふっ。やっぱり大きくて素敵ね~。」
おもむろに飼い主がハグリッドを自分の車に詰め込むと、庭の奥からもう1頭が颯爽と現れた。
ステップステップ、テケテケ。立ち止まるやいなやショー立ちだっ!
『さあ、アラーシュがやって来たわよっ!』
こ・・・これは何なんだいっ、君ぃっ!
ステップを踏むたびに見え隠れする手足は太く、天を仰ぎ見るその首は・・・それこそ太いっ!
さっきのハグリッドがプリンスだとすると、こいつは・・・こいつぁあ・・・キングだっ!
『いらっしゃーい、こんにちは~、はじめまして~』
そう言いつつ、皆の周りをゆったりと走るアラーシュ。私の「ポン」という犬の概念を覆す存在だ。
『これがキング・オブ・ポン、アラーシュよ。よーく目に焼き付けておきなさいな。私達が目標とするポンの形よ。触って見て。』
立派な筋肉で覆われた太い骨格は驚愕に値するほどのものだった。
うーん・・・しかし・・・アラーシュ様はとっても毛玉だらけ・・・。
現役チャンピオンのハグリッドには毛玉一つ無かったが、既にチャンピオンを完成しているアラーシュ様に手入れは不要なのかもしれない。
『オスは22.3キロ、雌は18.19キロ辺りがスタンダードね。ポーランドではずんぐりむっくり、骨太のどでかいポンがスタンダードになってきているけど、骨量を重視したために動きに機敏さが見られなくなってきたの。元来のポンのワーキングドッグとしての動きを阻害することになるから、私としてはやりすぎは禁物だと思ってる。』
とカティスは教えてくれた。
これはヴォッコのひいおばあちゃんにあたるフロスタ・ロスマリン。13歳を迎えたというが、眼球少し濁っているくらいで未だ若々しい。とにかく性格が良く、可愛らしい老犬だった。
『ミオッコ、この雌犬を良く見ておいてね。これが雌のポンのベストな形よ。』
わかった・・・というか・・・全然わかってないんだけど、わかったふりはしてみた。
そんなカティスの言葉で私達はブライトホワイト犬舎に向かうことになった。
『実はね、これから行く所にはヴォッコのおばあちゃんとひいおばあちゃんがいるのよ。ついでにパパのハグリッドも向こうに来てくれるって。それだけじゃないわよ~、今ポーランドからアラーシュが来てるの!!』
アラーシュとはポーランドを代表する雄ポンである。ありとあらゆるチャンピオンタイトルを取った彼は4歳になっており、数ヶ月の約束でスウェーデンに貸し出されているのである。
『アラーシュは名実共に今のポーランドナンバーワンだから、よーく見ておきなさいね。』
そりゃそうだ。日本に住んでいる以上、こんなチャンスは滅多にあるものじゃない。
既に21時になろうとしているのに、外はまだまだ明るい。
車で約1時間。着いた先は砂利が敷き詰められた広大な駐車場。スウェーデンの上流階級とあって、カティスが切望する赤い壁と白い線の入った大きな家だった。
主人のルイーズは犬舎の傍ら、小学生や海外からの旅行者に自然学習を行う会社を経営しているそうだ。ヨーロッパ各地で行われるドッグショーの審査などもしていて、ポンの世界では著名な女性である。
車から降りると、白グレーのポンが出迎えてくれた。これがヴォッコの父、ハグリッドである。
ブライトホワイト犬舎から出て、現在の飼い主とショーを転戦。スウェーデンチャンピオン・ノルディックチャンピオンを成立させている、2006ポンオブザイヤー獲得犬だ。22.3キロあるそうだが、触っても骨を感じるくらいだから太ってはいない。手足は太く、素晴らしい毛並みである。パパに似ればヴォッコもかなりの大きさになるはずだが・・・ん?パパは目がとっても大きいけど・・・ヴォッコの目ってこんなに大きかったっけ?
せっかくだから記念写真を撮ろうと思ったら・・・でっ、出た~!!!勝手に一人で記念写真に納まってるおばさんがっ!!
「んふふふっ。やっぱり大きくて素敵ね~。」
おもむろに飼い主がハグリッドを自分の車に詰め込むと、庭の奥からもう1頭が颯爽と現れた。
ステップステップ、テケテケ。立ち止まるやいなやショー立ちだっ!
『さあ、アラーシュがやって来たわよっ!』
こ・・・これは何なんだいっ、君ぃっ!
ステップを踏むたびに見え隠れする手足は太く、天を仰ぎ見るその首は・・・それこそ太いっ!
さっきのハグリッドがプリンスだとすると、こいつは・・・こいつぁあ・・・キングだっ!
『いらっしゃーい、こんにちは~、はじめまして~』
そう言いつつ、皆の周りをゆったりと走るアラーシュ。私の「ポン」という犬の概念を覆す存在だ。
『これがキング・オブ・ポン、アラーシュよ。よーく目に焼き付けておきなさいな。私達が目標とするポンの形よ。触って見て。』
立派な筋肉で覆われた太い骨格は驚愕に値するほどのものだった。
うーん・・・しかし・・・アラーシュ様はとっても毛玉だらけ・・・。
現役チャンピオンのハグリッドには毛玉一つ無かったが、既にチャンピオンを完成しているアラーシュ様に手入れは不要なのかもしれない。
『オスは22.3キロ、雌は18.19キロ辺りがスタンダードね。ポーランドではずんぐりむっくり、骨太のどでかいポンがスタンダードになってきているけど、骨量を重視したために動きに機敏さが見られなくなってきたの。元来のポンのワーキングドッグとしての動きを阻害することになるから、私としてはやりすぎは禁物だと思ってる。』
とカティスは教えてくれた。
これはヴォッコのひいおばあちゃんにあたるフロスタ・ロスマリン。13歳を迎えたというが、眼球少し濁っているくらいで未だ若々しい。とにかく性格が良く、可愛らしい老犬だった。
『ミオッコ、この雌犬を良く見ておいてね。これが雌のポンのベストな形よ。』
わかった・・・というか・・・全然わかってないんだけど、わかったふりはしてみた。