『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

カクヨム掲載中、ファミ通文庫より発売予定のライトノベル『我が偽り名の下へ集え、星々』の紹介ブログです。

基本戦術 その2

2017-05-05 | 設定:SF、科学
レーザーは直進するだけなので、バリケード越しの攻防はミサイルが主力となる。しかし迎撃にはレーザーが使用できるので、相対的に速度が圧倒的に遅いミサイルは撃墜されやすい。ミサイルによる飽和攻撃を狙っても、防衛側にカシミールエンジンからエネルギーが供給されるレーザー砲があれば、レーザー発振管が持つ限り迎撃を続ける事が可能で余り効果的とは言えない。また防衛戦であれば防御側が物資補給の面でも有利である。しかし防御側としてもどこに重要な拠点があるのか悟られるわけにはいかず、またバリケードとの距離如何では死角が生じる。攻撃側としては防衛側をミサイル攻撃で縛り付けて、その間に高性能のブロッケンシステムを搭載した電子戦専用艦の支援を受けつつ有人/無人偵察機で索敵を行い、必要とあらば駆逐艦、巡洋艦などからなる小編成の艦隊で威力偵察を行う。
このように攻撃側はバリケードの向こう側にいる敵の配置と編成を確認しつつ、できる限り同じ場所へ縛り付けながら少しずつ接近。頃合いを見て一気呵成にバリケードを迂回して反対側に回り込み攻勢を掛ける事になる。この場合の主力は火力、防御力ともに秀でた戦艦が中心になる。防御側は攻撃側艦隊が回り込んでくるのを待って迎え撃つ方法もあるが、場合によっては先手を打って自らバリケードの外へ出て攻勢を掛ける事もある。いずれにせよバリケードから移動するのかしないのかは、勝敗を決する大きな分かれ目となる。
その後は火力戦になるが、攻防双方が攻勢に出るタイミングによっては、敵味方が入り乱れた乱戦となる。これはバリケードとしている岩塊、デブリ、スクラップなどが大きすぎたり、あるいは艦隊の移動速度が早すぎた場合に起こりえるが、特に防衛側に充分な火力を持った艦艇が少ない場合、意図的に乱戦の状態に持って行く事が有る。
敵味方の艦艇が近距離で入り乱れる状態だと、直進性と貫通性の高い高出力レーザーや、大型のレールガンは誤射の恐れが生じるので迂闊に使えなくなる。またミサイルについても爆発力の高いものは使いにくい。このような乱戦となった場合、戦艦よりも小型の軽巡洋艦や駆逐艦が主力となるが、さらに宙雷艇や空母搭載の戦闘機、攻撃機も投入される。
旧地球時代末期には水上艦艇の主力だった空母とその艦載機だが、宇宙空間となると艦艇と同じコンディションのうえ、搭載できるエンジンや推進剤に限界があるので、このような限定された状況下でないと投入されない。空母は防御力に難があるため、攻撃側が戦艦などと共に随伴、突入させる事は難しく、主に防御側が予め待機させておく事がほとんどである。
また推進力を失った艦艇が、重要拠点周辺で動けなくなったまま抵抗を続ける場合、強襲艇を使い、専門の部隊を突入させる「乗り込み制圧(ボーディング)」が行われる。重要拠点周辺で艦艇を撃破すると、大量のデブリが飛散して被害が及ぶからである。
なお三国時代には、この他にレーザー砲艦やレーザー攻撃を防御する為だけのレーザー防盾艦が存在した。
レーザー砲艦は主力艦隊とは離れた位置から攻撃を仕掛け、敵艦隊の目標を分散、混乱させる事が出来るが銀河共同体、汎銀河帝国時代には、大規模な艦隊戦が無くなった事もあり、一旦姿を消した。皇帝グレゴールはこれを復活させ、機動的なレーザー砲艦の活用で、わずか三年半でウーラント軍を壊滅に追い込んだ。

※この項目は本作品『我が偽りの名の下へ集え、星々』の設定(カシミールエンジン、ブロッケンシステムなどの存在)に準拠したものです。現実のもの、及び他の作品とは無関係ですのでご注意ください。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿